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M1搭載Macで、Windowsが使える! どのぐらい実用的か確認【Parallels Desktop 16.5】

ついに、M1上のParallelsでWindows 10が動く。が、しかし……

アップルシリコン版、いわゆるM1搭載になったMacは処理速度が向上し、省電力性能が高くなり、非常に素晴らしい。

しかし、Parallels Desktopを使ってWindowsを動かすことができなくなった……という点において非常に困っていた人も多いことと思う。

アップルは、WWDC20でM1を紹介した時から『Parallelsの次期バージョンではM1上でLinuxが動く』ということをアピールしてはいたが、Windowsが動くかどうかについては言及されなかった。大方の意見としては、動くのはRTに相当するARM版Windowsであり、インテル版のWindowsを動かすのは至難の業だということだった。

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2020年06月23日

秋にParallels Desktop 16が発表された時にも、M1でWindowsが動くかどうかについては、明言されなかった。

しかし、ついに、Parallels Desktop 16.5で、『M1 MacでWindows 10が動く』とされた。それは、どういうことなのか? いかなる条件で動くというのか? その仕組みを解説し、実際に動作させた様子をご覧に入れよう。

Parallels Desktop 16
https://www.parallels.com/jp/

動作する、Windows 10 on ARM インサイダー・プレビューとは

そもそも、Parallels Desktopは、エミュレーターではなく仮想化ソフトウェアだ。

従来のインテルMac上で動作するParallels Desktopは、インテルMac上に仮想的なインテル環境を作り出し、その上でインテル版のWindows 10を動作させる仕組みだった。つまり、macOSの下にインテルのチップセットがあることが前提だったのだ。だから、macOS 11 Big Surの下にアップルシリコンというARM系のチップセットがある環境では、インテル版のWindowsを動作させることはできなくなってしまっていた。

今回のM1上で動くmacOS 11 Big Surで動作するParallels Desktop 16.5は、ゲストOSとして、Windows 10 on ARMを動かすことができる。これは現時点では、『インサイダー・プレビュー』というカタチでしか入手できないが、ともあれWindows 10だ。

Windows 10 on ARMは32bit版のアプリ(x86と言われるもの)をエミュレートすることができるし、64bit版のアプリ(ほぼx64と言われるもの)の多くを動作させることができる。

ただし、なにしろ、このWindows 10 on ARMインサイダー・プレビュー自体がベータ版なので、まだまだ進化過程にある。64bit版については、これからも対応アプリが増えていくのではないかというところだ。

マイクロソフトのインサイダー・プログラムに参加する必要がある

M1搭載Macで、Parallels Desktop 16.5をインストールしようとすると、自動的にアップルシリコン専用Parallelsのインストーラーが用意される。そして、Windows 10 on ARMインサイダー・プレビューのダウンロードサイトへのリンクも用意されている。

ただし、ここからは少々イバラの道というか、面倒で、Windows 10 on ARMのインサイダー・プログラムに参加し、利用規約を承認しないとダウンロードできない。つまりは、まだベータ版なのであることを理解し、認めなければならない。安定動作は保障されないし、まだ重要部分のアップデートも頻繁に起こる可能性があるということだ。

OKすると、Windows 10 on ARMインサイダー・プレビューのVHDXイメージがダウンロードできる。

これを、Parallels Desktop 16.5にドラッグ&ドロップすればOK。あとは簡単にインストールできる。そして、いとも簡単に、あっけなく、M1 Mac上で、Windows 10が動作する。素晴らしい。

M1 Mac上で、Windowsが動く!

ここまで辿り着くと、あとはM1 Mac上でWindows 10動く便利さを享受するだけだ。

下のキャプチャはMac上での動作の様子をキャプチャに撮ったものだが、Windows 10の上でEdgeが動いている状態だ。これで、Edge上での動作が必要なサイトでも使うことができるし、Edge上でサイトがどう動くか確認する必要があっても、M1 Mac上で確認できる。

Windows 10版のOutlookも動作するので、Windows 10上で受信する必要があるメールがあったとしても、確認できることになる。

もちろん、Word、ExcelなどのOfficeアプリも動作する。

Geek Bench 5でで処理能力を確認してみたが、Single Coreのスコアが、Big Sur上では1702だったのが1383に、Multi Coreのスコアが7391だったのが2550になっていた。ただし、これは、インストール設定時に何に使うかを聞かれた(事務処理なのか、負荷の大きい処理なのか)時に、事務処理と答えたので、使用するCPUのパフォーマンスなどが限定されているためのようだ。バーチャルマシンへの割り振りをもっと大きくすれば、処理能力はBig Surのものに近づくと思われる。

動くかどうかは、そのアプリの素性にもよる

いくつかアプリを動かしてみたが、現状、どのぐらいのアプリが動作するかをとりまとめておこう。

まず、ARM版、つまりSurface Pro Xなどのために作られたアプリはだいたい動作する。

次に、x86 32-bitアプリもだいたい動く。これは、Windows 10 on ARMインサイダー・プレビューの機能として、ARM上で、x86をエミュレーションしているから動作する。これは多くのアプリが動くらしい。ただし、エミュレーションなので当然動作速度は重くなる。

次に、x86 64-bitアプリ。ここが一番肝心なところだが、動くものも動かないものもある。これもエミュレーションだが、この部分はまだ開発途上らしく、アップデートにより動くようになったりすることもあるようだ。ただし、開発途上だけに、アプリによっては何らかの仕様変更によって動かなくなる可能性が皆無ではない……というところが困ったところ。

周辺機器に関しては、いろいろ……らしい。ドライバーがあるや否や、汎用のものでいけるかどうか……などによって結果は違うようだ。
ということは、どういうことか。

さらに結論を以下にまとめてみた。
ともかくParallels上でWindows 10が動くようになった。これは大歓迎すべきところだ。これまでの『わかりません』という回答よりはかなり良くなった。

しかし、Parallelsのサイトが謳う『M1上で動かせます』はちょっと言いすぎかもしれない。

いや、たしかにM1上でWindows 10は動くが、その上でアプリが動くかどうかについては確約できない。少なくとも、従来のParallels Desktopのように『万全!』という状態ではない。

特に、パソコンに詳しくない人にとっては、『インサイダー・プログラムに参加し、インサイダー・プレビューのVHDXをダウンロードしてくる』というのはちょっと敷居が高いし、動くアプリも動かないアプリもあるという現状で、『M1上で動かせます』と軽く言い切るのはちょっと無理があると思う。

少なくとも私は、パソコンに疎い友人が『M1 MacでWindowsが使えるんだって?』と聞かれると『現状そうでもないよ』と答えると思う。彼(or 彼女)が困った時に、私がユーザーサポートしなければならない関係性の友人なら、なおさらだ(笑)

Windows 10 on ARMは、正式版になった時にどうなるのか?

私が思う最大の難点は『動作するWindows 10 or ARMがインサイダー・プレビュー版だ』ということだ。

これは、正式版になった時に一般市販されるのだろうか? ライセンスがARM版のWindowsパソコンを買った人にしか付与されないとなるとお手上げだ。ARM版のパソコンを自作するような人は現状いないはずだが、それでもWindows 10 on ARM正式版は単体で販売されるのだろうか? SoCで自作の余地がほとんどないARMチップ用のOSを一般市販するとしたら、それは単にM1上のParallelsで使うためだけに、天下のマイクロソフトがOSを売ってくれるということになる。

たしかに、Parallelsブランドを持っているコーレルは大変な大企業なのだから、マイクロソフトの密約があるのかもしれない。何の根拠もなくこんなアプリを開発するような冒険はしなさそうに思える(あくまで、筆者の想像だが)。

しかし、表立っては何の保障もない。つまり、正規版になった途端に単体でDLはできなくなって、M1 Macの上で動作するParallels上でWindowsが動作する……という構造は夢と消えるかもしれないのだ。現状。保障はない……はず。

ともあれ、ご覧のようにM1 Mac上で、Windows 10 on ARMは動作している。

これはParallelsというチャレンジャーがいてくれるからこそ実現している光景なのだ。正規版でも使い続けられることを祈らずにはいられない。

↓フリック!のYouTubeチャンネルで、どのように動作するか実際に動画でご覧いただくことができる。

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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