iPhone新OSのパブリックベータを試してみた。そのメリットとデメリット【iOS 15】
- 2021年07月29日
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秋に公開されるiOS 15のPBをインストール
秋のiPhone 13(?)発売の頃に公開される予定のiPhoneの新しいOS、iOS 15のパブリックベータをインストールしてみた。
結論から言うと、今回は根幹部分での変更がないこともあり、比較的安心してアップデートできそう。細部はいろいろと熟成されており、機能も増していて、使いやすくなっているので、比較的多くの人にインストールを勧められるのではないかと思う。
とはいえ、現行のパブリックベータをインストールするなら予備機を用意してから。あくまでベータ版なので、データの消失などのリスクもある。本番機にインストールするのは、秋に実際に正式公開されてからにしよう。
※この記事は、秋公開のiOS 15のパブリックベータに基づいた記事です。Apple Beta Software Programで知り得た情報は、その内容について誰かに話したり、ウェブ記事にしたり、SNSに投稿したりすることは禁じられていますが、flick!は取材に基づく特別な許可を得て記事化しています。
集中モードで、『通知』を自分でコントロール
とにかく、実際に使ってみて一番効果を感じたのは、『集中モード』(英語名:Focus)の採用だ。
これは通知を伝えるかどうかをコントロールするための機能。
今や、我々の日常は通知に翻弄されまくっている。仕事中にLINEの広告アカウントが来て集中を削がれることもあるし、家族とのプライベートな時間に、仕事の連絡が来て、その通知が気になって、家族とのコミュニケーョンが上の空になってしまうこともある。そんな状況を解決するために『仕事中なのでLINEの通知は表示しない』とか『リラックスタイムなので、仕事の通知は表示しない』というような設定が可能になる。
集中モードはロック画面からも切り替えられるし、iPhoneだけでなく、同じiCloudアカウントで動作するiPad、Mac、Apple Watchなどがすべて連動する。たとえば、Apple Watchからの設定で、すべてのデバイスの通知を設定できるということだ。
タブグループと通知のアイコン大型化
新しいOSのシリーズでは、Safariのタブにタブグループといいう機能が設けられている。
たとえば、Macでタブグループを設定すれば、iPhoneでもそのタブをまとめて開くことができる。
いつも定例でチェックするウェブサイトをタブグループとして設定しておけば、手軽に素早くどのデバイスでも同じウェブサイトのグループをチェックすることができるようになる。
通知の表示はアイコンが大きくなり分かりやすくなった。アップルは通知の問題ををかなり深刻に捉えていて、解決に資源を投下しているようだ。
地図が、Google Mapとは違うレベルに進化
地図も全端末で同様にようにアップデートされている。
しかも、いくつかの地域では、年内に大幅な地図のアップデータをが投入されるとのこと。現在パブリックペータではサンフランシスコ、シリコンバレー近辺でこの新しいデータを見ることができる。
この最新アップデートの特徴は『高低差』という概念が取り込まれていること。坂道は坂道として表示されるし、山はちゃんと立体感をもった表現で表示される。これにより地形が非常に分かりやすくなった。
また、著名なランドマークは、色のついた立体的なイラストとして表現される。ナイトモードのオン/オフでも夜用の異なったイラストが用意されている。
さらに、道に関して見ると、どのレーンが右折するのか、自転車レーンはあるかどうかまで表示されている。
マップは通常の詳細地図の他に、車用、公共交通機関用、航空写真と、4種類のモードで見る事ができる。これは便利だ。
Siri Knowlidge は何でも知っている
おそらく機械学習させたデータを使っているのだと思うが、写真に写っているものが何かをSiri Knowledgeとして表示できるようになった。これは便利そう。特に、花の名前などが分かるのはよいと思う。
例としては、絵画を見せてロートレックのムーランルージュだと判別させたり、植物の種類を見分けたり、本の表紙を見せてブックストアからサジェストさせたりしてる。画像検索がシステムにインテグレートされたような感じではあるが、便利そう。
ヘルスケアは『トレンド』機能が充実
ヘルスケアにも大幅に手が入っている。歩いた距離や、心拍に至るまで、さまざまなデータの変化のトレンドを見ることができるようになった。半年分が見られるようだが、半年間の変化をみることで、自分の健康状態の変化を把握しようということのようだ。
たとえば、心拍などの変化があれば、何らかの健康上の問題があるかもしれないと確認することができるだろう。また、血糖値などの健康診断で調べてきたデータなども入力できるようになり、長い目で見た数値の変化を自らの健康のために役立てて観察できるようになった。
この他にも、さまざまな新しい機能が追加されている。
よほど使い勝手が変わるのがイヤという人でなければ、積極的に新OSにアップデートして新機能を満喫した方が良さそうだ。
(村上タクタ)
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flick! digital 2021年8月号 Vol.118
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。