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日本初のサーフィンスタジアムの採点システムを支える、シスコのテクノロジー

静岡県牧之原市にオープンした『静波SURF STADIUM』は日本初の大型サーフィン用ウェイブプール。アメリカ製の造波装置で、巨大な波を作り、プールの中でサーフィンの競技を可能とする。その『静波SURF STADIUM』で行われたテストセッションに、シスコのCNEV(ネットワーク体験車)が協力。会場で撮影した映像をCNEV内で見て採点するシステムのバックボーンを支えた。

カリフォルニアからやってきた、ふたつのテクノロジーがタッグを組む

カリフォルニアからやって来た、ふたつのテクノロジーが、ガッチリと手を結んだ時、陸上のプールで行われるサーフセッションを、屋内からモニターで見て正確に採点するという、新たな可能性が花開いた。

海のサーフィン競技では、天候や波の状態によって、なかなか同じ条件下で技を競う事はできない。もちろん、それが自然を相手にするサーフィンというスポーツの面白さではあるが、極力同じ状態の波で、ジャッジが正確に観察して採点できた方がスポーツとしての競技性は高まるはずだ。

これまで不可能だった、そんなイベントを可能にしたのが、カリフォルニアのソラナビーチからやってきた、AMERICAN WAVE MACHINE社の造波装置『PERFCTSWELL』と、同じくカリフォルニアのシリコンバレーからやってきたシスコシステムズのネットワークシステムのタッグだった。

日本初の大型サーフィン用ウェーブプールで、初の大会形式のテストセッション

2021年7月4日、まだ開設されたばかりで、試験運用中の静波SURF STADIUMで、今後のイベント開催などを踏まえたテストセッションが行われた。

これは、造波装置の波の実地テストに加え、施設運営、レスキュー体制、イベント活用方法など、さまざまな視点からの検証を行うテストセッションとなっている。

参加したのは、大野修聖、河村海沙、村上舜、浜瀬海などのトップサーファーやジュニアエリートサーファーの酒井仙太郎、池田未来。さらに地元サーファー達だ。もちろん、万全の感染対策が施され、入場の時に、新型コロナウィルスの抗体検査が行われ、イベント参加者の陰性が担保された。

写真は、中学2年、日本最年少のプロサーファーである、池田未来。彼女も、この静波SURF STADIUMの最新の波を楽しんだ。

浜瀬海は、JPSAロングボードのグランドチャンピオンにも輝いたことのあるプロサーファー。彼はロングボードでもこの静波SURF STADIUMの波をテストした。

Perfect Swellとは?

サーフィンは自然の波に乗るスポーツ。しかし、常に良い波が来るわけではない。

乗れるようなサイズの波がまったく来ない日が何日も続くこともあれば、海が荒れ過ぎては危険なこともある。また、多くのサーファーが集まるところだと、数少ない波の順番待ちも起こるし、波をめぐったいさかいが起こることさえもある。

また、競技としてみると、自分が波に乗るタイミングにいい波が来るかどうかは分からない。幸運に恵まれることもあるし、そうでないこともある。自然の恵みである波に乗ることが、サーフィンの素晴らしさではあるが、乗りたい波になかなか乗れないとなっては、そうも言ってられない。また、競技としてはなかなか公平なジャッジメントが難しいということにもなる。

その問題を解決するのが、人工のプールに、巨大な波を技術の力で起こすAMERICAN WAVE MACHINE社のPerfect Swellだ。同社は南カリフォルニアのソラナビーチに本拠を構える企業で、独自の造波テクノロジーでサーフィンの世界に革命を起こしている。ちなみに、Perfect Swellが設置されるのは、テキサス、ニュージャージ、ニューヨークに次いで、この静岡が世界で4カ所目。その設置場所のチョイスから分かるように、内陸部や、サーフィンとは縁遠い人口密集地の近くでサーフィンができるというのも魅力のひとつだ。荒野が広がるテキサスでサーフィンとは、なんともアメリカらしいダイナミックな設定だ。

造波装置によって作られる波はプログラミング可能で、右から起こすか、左から起こすか、チューブ状に任せるか、大きな波にするか、小さな波にするかなどが選択でき、作り出せる波の種類は数百種類に及ぶという。

波を長時間待つ必要がなく、トレーニングに最適なので、競技の前に何度も繰り返し技を磨くということも可能だし、小さな波を起こして、初心者が乗りやすいようにしたりすることもできる。オリンピックのような競技のために、若いサーファーを育てるためにも、最適な場所だともいえるだろう。

もちろん、同じタイプの波を安定して起こせるので、競技の採点にも最適だ。同じコンディションでサーファー達は競う事が出来る。また、実際の海だと、競技者が波に乗る場所と、ジャッジ席は遠く離れているが、静波SURF STADIUMなら眼前に競技を見ることができる。

これ1台で小さなオフィスビル並の能力、CNEVとは?

その、静波SURF STADIUMに、今回は協力な助っ人がやって来た。

それが、このシスコのCNEVだ。

ご存知のようにシスコはアメリカのインターネットテクノロジー大手。バックボーンを担う企業なので、気付いていない人もいるかもしれないが、インターネットの根幹を担う企業。たとえば、東京の巨大なオフィスビルのネットワークシステムを丸ごと請け負っているのがシスコだったりもするし、携帯電話だって携帯電話会社の裏側のシステムに使われているのはシスコの機器だったりする。

CNEVはそのシスコの最新テクノロジーを体験するために作られた車。CNEVの名はCisco Network Experience Vehicle(シスコネットワーク体験車)の省略。CNEVの中にはちょっとしたオフィスビルもかくやと思われるほどのネットワークシステムを搭載しており、外部にも巨大なモニターを備え、イベント開催時のネットワークのサポートも行うこともできる。

今回、コメントMCにロス・バトソンを迎えて、CNEV側面モニターでの放映やYouTubeでの配信テストも行われた。

車内で、映像を見ながら採点。将来的には遠隔地でも

今回、実験的に行われたのが、CNEV内部のモニターを使ってのジャッジング。

スタジアム左右2カ所から撮影される映像は、CNEVに送られ、内部でモニターすることができるが、ジャッジはその映像を見ながら、タブレットで点数を入力。その点数が即座に映像に反映されるというシステムが構築されていた。

こうすることにより、ジャッジは従来より間近に競技者のテクニックを見ることができるし、同じ波、同じ状況での技の優劣を評価することができる。

また、今回はCNEV内部でのジャッジングだったが、たとえば競技が開催されるのは静波でも、東京のイベント会場でジャッジングし、観客も東京のイベント会場で映像を楽しむ……というような、新たなスタイルのサーフィン競技の観戦スタイルが生れてくるかもしれない。

今回は、撮影した映像のスイッチング、編集などもすべてCNEV内部でリアルタイムに行っており、CNEV 1台あれば、イベントの中継から、ネットへの送出が可能であるとうい高い実力を示していた。

CNEVと会場のMerakiのシステムをドッキングして利用

この、サーバーラックに組み込まれたシステムがシスコの技術の根幹。

上からLTEルーター、スイッチングハブ、LANスイッチ、無線LANコントローラー、サーバー、UPS(非常用電源)、DNSサーバー、DHCPサーバーなどがひとまとめになっている。高価なこのクルマの中でも、ひときわコストがかかっている部分だ。

CNEVだけでなく、静波SURF STADIUM自体の設備もシスコが構築されており、建屋の中にはスイッチングハブと一緒にMeraki GoのGR10が設置されていた。

また、スタジアム中央にあるコントロールタワーには、三方に屋外用のWi-FiアクセスポイントであるGR60が設置され、会場全体に安定したWi-Fi電波を供給している。やはりインターネットの業界において世界のトップ企業である世界のWi-Fiルーター、スイッチングハブともなると、安定した高速接続、多数の機材を同時接続する能力の高さ、セキュリティなどの面において他の追従を許さないものがあり、今後いろんな競技が開始され、多くのファンが集まる場所になる静波SURF STADIUMにとって、必要不可欠な機材であるといえるだろう。

競技場にネットワークがあることで広がる新たな可能性

言うまでもないことだが、今後インターネット接続の重要性はますます高まってくる。

イベント運営そのものにも安定したセキュリティを確保した高速接続が必要だ。今回のようにジャッジングにも使われて行くだろうし、インターネット中継にも使われる。ドローンで撮影した映像をストリーミングしたり……ということもあるだろう。

また、観客が入ったときに、安定した高速接続があれば、競技の様子を写真に撮ったり、動画に撮ったりした人がSNSにアップロードしたりするだろう。

多数の観客が同時に入ると、当然のことながら回線はひっ迫し、大容量の画像や動画をアップロードしたりはできなくなってしまう。そうなると、ライブにコンシュマーの生の声が、リアルタイムで広がって行くはずの機会を失ってしまうことになる。

シスコのインターネットシステムがバックボーンを支えていれば、観客の感動もそのまま世界に広がって行く。

静波SURF STADIUMで開催された競技を見ている観客の、生の感動がSNSにのって我々一般ユーザーに広がってく日はもうすぐのはずである。

(村上タクタ)

シスコシステムズのスポーツ&エンターテインメント事例

 

flick!の親戚であるサーフマガジン「NALU(ナルー)」でも静波SURF STADIUMを紹介。サーフィンの本質からそのレガシーが解説されている。

Wave pool innovation / サーフィングに拓かれたテクノロジーの世界

Wave pool innovation / サーフィングに拓かれたテクノロジーの世界

2021年09月23日

 

 

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

村上 タクタの記事一覧

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