ローズウッドを使った8800円の高級パームレストで、仕事を至福の快楽に
- 2021年10月25日
密度が高く、硬い、貴重なローズウッド
筆者の父は彫刻家なのだが、昔、父はローズウッドの良さをよく語ってくれた。
密度が高く、硬く、削ってしっかりとカタチが出る。父は将来の自分のためにローズウッドを買ってアトリエに保管していた。乾燥し切ってない木で彫刻を作ると、乾いたときにひずんでくるので、何年後か、時には10年以上後の自分のために木を買っておくのだ。
その後、1992年ごろになると、ワシントン条約でローズウッドの輸出入には制限が加わるようになり、日本にはあまり入ってこなくなった。輸出入できないわけではないが、サイテスの証明書が要るなど輸出入が難しくなっているのだ。そのため、世界各国で、高級家具や、ビリヤードのキュー、チェスの駒、ナイフの柄やペーパーナイフなどに使われる木材となっている。
新しく、ローズウッドが入手できなくなって、父は残念がっていたものだ。
ギターのネックなどにも本製品のように張り合わせて使われることが多い。無垢は無垢で価値があるが、このように張り合わせて使うと乾燥による歪みなどが起こりにくくなる。
バード電子・希少種ローズウッド製HHKB用ウッドパームレスト
https://www.pfu.fujitsu.com/direct/hhkb/hhkb-option/detail_palmrest_wphhk2rw.html
他の素材にはないスベスベした肌触り
使ってみると、密度が濃い木材だけに肌触りがよく滑りがいい。パームレストが変わったからと言って文章が変わるわけではないが、快適に仕事ができるというのは素晴らしいことだ。いにしえの文豪が、万年筆や原稿用紙にこだわったのと同様に、我々もキーボードやパームレストにこだわるべきなのだ。
製品の厚さと、ゴム足で適切な高さに調整したい
製品には2段階のゴム足(マイクロセルポリマ製)が付属しており、好みによって高さを変えることができる。自然の素材を使ったものなので、モノによっては若干の歪みが発生することがあるが、そういう時には筆者はゴム足を張るときに間に両面テープを貼り込んで若干の高さ調整をする。道具を使いやすいように微調整するのもプロの資格のひとつというものだ。
天然木でできたパームレストが歪んでいてカタつくからと言ってクレームを入れるのは無粋の極みというもの。歪むから木なのだし、天然の素材を使う価値があるというものだ。その粋のわからない人は、プラスチック製品でも使っていればよろしい。
バード電子のパームレストには本製品の他、ホワイトオークやウォールナットを使った製品、イタリアンレザーを使った製品がある。いずれも常時大量に在庫があるワケではないので、手に入る時に気に入った製品を買っておくというのも大事なポイントだ。
ちなみに、木材の製品は同じ厚さだが、イタリアンレザーを張った革張りの製品は若干厚い。このあたりも好みの分かれるところだろう。ゴム足で調整することもできるが、薄くすることはできないワケだから、非常に薄いパームレストが好みの人は革張り品は避けた方がいい。
快適に仕事をしたい人は、ぜひ自分の好みに合う素材、高さのパームレストを見つけていただきたい。
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。