
写真家・石川直樹 ヒマラヤ8,000m峰14座登頂に必要だったもの|ヒマラヤの遠征を陰で支えたザ・ノース・フェイスのエクスペディションドライドット。

PEAKS 編集部
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昨秋、8,000m峰全14座登頂を達成した写真家・石川直樹さんにヒマラヤ登山におけるベースレイヤーへのこだわりを訊いた。
長期間にわたる遠征登山で必要だったものとはなにか。
編集◉PEAKS編集部
文◉寺倉 力
写真◉矢島慎一
いまはドライドットだけ。本当に信頼して使っています。
2024年10月、標高8,027mのシシャパンマに登頂した写真家・石川直樹さんは、日本人として2人目となる8,000m峰全14座登頂を達成した。石川さんのこの記録が注目に値するのは、写真家として14座すべてに登頂した点である。
日頃から「自分は冒険家でも登山家でもない」と語る石川さんは、23歳でエベレストに登頂して以降、写真に注力し、東京芸術大学大学院に進んで博士課程を修了。その後は、自身の興味の赴くままに世界各地を旅しながら作品を発表し、写真界の直木賞と呼ばれる土門拳賞にも輝いている。
そんな石川さんがヒマラヤの高所登山に魅了され、ついには自らすべての8,000m峰に登り、その過程を写真に収めた。そのスケールの大きな作品集の集大成が14座登頂だったのである。

さて、そんな石川さんは、数年前からザ・ノース・フェイスのベースレイヤー「エクスペディションドライドット」を愛用している。遠征中はベースキャンプまでのキャラバンから登頂に至るまで、欠かすことのできないベースレイヤーだという。
「登山活動中は標高によって着るウエアは変わってきますが、基本的に一番下だけは変わりません。やはり、肌に接するベースレイヤーはもっとも重要です。以前は化繊やメリノウールのベースレイヤーを使ってきましたが、いまはドライドットだけ。本当に信頼して使っています」
遠征登山では、標高やコンディションの変化に応じてレイヤリングを変更していくのが一般的だ。石川さんの場合は、2種類のエクスペディションドライドットを使い分けているという。
「まず、ベースキャンプまでのトレッキングでは、襟付きのドライドット(エクスペディションドライドットジップハイ)の上に薄手の中綿ミドルレイヤーを着て歩きます。ベースキャンプではミドルレイヤーを脱いでダウンジャケットですごします。そして、登山活動に入る際にフード付き(エクスペディションドライドットフーディ)に着替えます。フードがバラクラバのように使え、首周りも暖かいから高所登山向きです。その上はミドルレイヤーとゴアテックスのシェル。高度6,000m以上になると、シェルを脱いでダウンスーツを着て行動します」
石川さんは、1回の遠征で3着のエクスペディションドライドットを用意するという。1着はアプローチやベースキャンプの滞在中に着る襟付きのジップハイ。もう2着はフーディで、1着は登山活動開始から着用し、もう1着は温存してサミットプッシュで着る。つまり、2カ月にもおよぶ遠征期間を、わずか3着のベースレイヤーでやり繰りしているのだ。
「ベースキャンプで手洗いしたこともありましたが、それも手間なので最近は洗わずに着続けています。それでもまったく支障はありません。僕の場合、ドライドットの下に疎水性のメッシュTシャツを着ているので、その影響もあるかもしれません。素肌にドライドット1枚だったら、途中で洗濯したくなるかもしれませんね」
本来、エクスペディションドライドットは、汗戻りしないよう肌側に撥水加工を施したベースレイヤーである。そのため、基本的には同じ役割の疎水性メッシュを重ね着しなくてもよい。
「6,000mくらいで天気がよければ汗をかくこともありますが、僕はそれほど汗をかく体質ではありませんし、高所登山で汗冷えを経験したこともありません。だから、本来ならドライドット1枚だけでいいのでしょうけど、2枚着ていたら調子がよかったんです。長く着ていても臭いは気にならないし、僕にはこの組み合わせが合っていたのだと思います」

また、石川さんはカメラを操作する際、アウターグローブを外すことが多い。そんなとき、ドライドットシリーズのサムホール仕様が非常に役立つという。
「手首が露出しているだけで寒さを感じるものですが、サムホールを使えば手の甲が保護されて暖かく、袖がまくり上がることもありません。僕はアンダーグローブの上から使うこともよくあります。アンダーグローブをしていればフィルム交換もできますし、すごく重宝しています」
現在、石川さんは講演やイベントなどで全国をめぐりながら、大きな個展の準備や、来年の秋発刊を目指した本作りに取り組んでいる。
「登山はそれ自体がアート」と捉える石川さんは、登るだけでなく伝えることを重視し、その一連の活動自体を作品と考えている。
そんな石川さんがヒマラヤ遠征で撮影してきた作品を展示する写真展「With the Whole Earth Below」を開催。詳細は本記事の最後を確認してほしい。

【Profile】写真家 石川直樹さん
1977年東京都生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。土門拳賞や開高健ノンフィクション賞など、写真や著作による受賞多数。2001年エベレスト登頂を皮切りにヒマラヤへ遠征し、2024年シシャパンマ登頂で、8,000m峰全14座登頂を達成した。
「新しいものに出会い、ずっと驚き続けていたい」と10年前のインタビューで語った石川さん。強い好奇心と探求心はいまなお変わらず、それが彼の行動と創作活動の原動力となっているはずだ。
3/22~4/20|写真展「With the Whole Earth Below」開催
写真家でありTHE NORTH FACEアスリート でもある石川直樹さんが、昨年10月に シシャパンマ(8,027m) に登頂し、世界の8,000メートル峰14座すべてを踏破する偉業を達成。
これを記念し、長年石川さんをサポートしてきたTHE NORTH FACEが、写真展 「With the Whole Earth Below」を開催する。
本展では、石川さんの20年以上にわたるヒマラヤ遠征の軌跡をたどり、山岳文化や登攀の記録を収めた貴重な作品が展示されるだけでなく、遠征着用ウエア等の常設展示もあわせて行なわれる。
- 開催期間: 2025年3月22日(土)~4月20日(日)
- 会場: 株式会社ゴールドウイン 東京本社
- 〒107-8570 東京都港区北青山3丁目5-6 青朋ビル 1F
- ※入場無料
企画協力◉ゴールドウイン
0120-307-560(ゴールドウインカスタマーセンター)
https://www.goldwin.co.jp/tnf/
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編集◉PEAKS編集部
文◉寺倉 力
写真◉矢島慎一
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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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