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泥水からクリアな飲み水が手に入る!?もしものときの浄水器、カタダイン「ビーフリーAC」の実力|PEAKSギアレビュー

浄水器は、万が一に備えて持ち歩きたいアイテムだ。
これまでは原生動物や細菌を除去するだけのものが大半を占めていたが、浄水器専門メーカーのカタダインから、臭いや塩素等を軽減する機能が新たに加わったモデルがリリースされた。
既存の製品と比べてどれくらい味に違いが現われるのか。山のなかで実際に水を汲んで試してみた。

編集◉PEAKS
文・写真◉吉澤英晃

カタダインから新型浄水器「ビーフリーAC」が登場

▲フックにぶら下がっている製品が、新発売されたカタダインの「ビーフリーAC」。サイズは0.5Lと1.0Lがあり、1.0Lには耐久性を重視したブラックもある(写真は0.5Lサイズ)。

登山者のあいだで浄水器のニーズが増えている。その証拠に、登山専門店が小型浄水器を取り扱うようになり、市場に出回る浄水器の種類も多くなってきた。

新たに発売されたカタダインの「ビーフリーAC」も数ある小型浄水器のひとつだが、臭いや塩素等を軽減する機能を搭載している点がほかのモデルと大きく異なる。

たとえば、飲み水が尽きてしまい、眼の前に泥水しかない状況を想像してみてもらいたい。一般の浄水器でも泥水から安全な飲み水を得ることはできるが、泥臭さまでは除去できず、味がよくなることはなかった。しかし、ビーフリーACを使うと、泥水であっても味がクリアになって飲みやすくなるというのである。

世界初のイベントで気になる特徴をフィールドテスト

▲イベントの起点となった「Mt.TAKAO BASE CAMP」。1階にはだれでも利用できるカフェ&バーと、下山後に汗を流せるシャワーや荷物を預けておけるロッカーがある。2階は宿泊施設になっている。

去る5月下旬、高尾山でビーフリーACの実用性を体験する世界初のイベントが開催された。主催者は、ビーフリーACを開発した浄水器専門ブランド、カタダインの日本輸入代理店であるスター商事。そこに、カタダイン・アジアの社長を務めるヨハン・ウィレ氏が率いる海外スタッフが加わり、業界関係者を招いて、総勢37名が集まった。

▲右が今回のイベントのために来日したカタダイン・アジアの代表、ヨハン・ウィレ氏。左がカタダインの日本輸入代理店スター商事の代表、佐々木幸成氏。

イベントの内容は、高尾山周辺の山に分け入り、沢に降りて流れる水をビーフリーACですくい、実際に飲んでみるというもの。天然の沢水で、しかもずいぶん麓に近い場所で行なう予定なので、水はかなり不衛生な状態だと思われる。

現場で使用。果たして味の感想は?

登山口から尾根に登り、反対側の斜面を下って沢に降り、上流へ向かってしばらく歩くと到着した広い場所で、さっそくテストを開始する。

まずは、ビーフリーACのキャップを外して、ソフトフラスクに天然の沢水を汲む。次にキャップを取り付けるのだが、ビーフリーACの機能はこのキャップに集約されていると言っても過言ではない。

ビーフリーACのキャップ内部は、「ホロファイバーフィルター」と「活性炭フィルター」の2層構造になっている。このふたつの層がそれぞれ違う役割を果たすことで、安全でクリアな味の水が精製される仕組みだ。

▲筒状の黒いパーツの中に見える白い繊維の束が菌などを除去するホロファイバーフィルター。

ソフトフラスクに汲んだ水は、最初、ホロファイバーフィルターを通ることでろ過される。ホロファイバーフィルターとは、0.1μm(0.0001mm)の無数の細孔をもつ中空繊維のこと。体に悪影響を及ぼす真菌(酵母やカビなど)や原生生物(アメーバなど)、細菌(いわゆるバクテリアのこと、大腸菌など)は、いずれも大きさが0.1μm以上あるため、ホロファイバーフィルターの細孔を通ることができない。結果、安全な飲み水だけが出てくることになる。

▲円柱型の黒いフェルト状パーツが活性炭フィルター。効果は使用開始から3カ月持続する。

一般的な浄水器であれば浄水の仕組みはこれですべてだが、ビーフリーACの真骨頂は、第2の層にあたる活性炭フィルターにある。素材は、細孔が複雑に入り組む無数の穴を表面に空けた活性炭繊維。穴の形状は、植物の根を思い浮かべるとわかりやすい。奥に行くほど枝分かれして、どんどん細く小さくなるイメージだ。そこに水が通ると、臭いの元となる物質や塩素等が、無数の細孔に吸い寄せられて活性炭繊維に吸着。最終的にクリアな味の水を飲むことができるというわけである。

それでは、実際にビーフリーACを使って天然の沢水を飲んでみる。すると、泥臭さは一切感じられず、味は真水にかなり近い。言われれば、かすかに砂や泥の臭いはあるが、ほぼ気にならないレベルである。イベントの参加者も同様の感想を得たようで、はじめは恐る恐る口をつけていたが、回数を重ねるごとにビーフリーACに信頼を寄せて、いまではグビグビ水を飲んでいる。

スター商事の社員によると、オレンジジュースをろ過しても同じ効果を得られるそうで、かすかにオレンジの味がする透明の水が出てくるとのこと。

ちなみに、活性炭フィルターを外して同じ沢水を飲んでみると、今度ははっきり泥臭さが気になった。これは、飲めるけど積極的には飲みたいくない味である。

万が一に備えて、浄水器を持ち歩く習慣を

▲多少濁った泥水もビーフリーACがあれば安全な飲み水として飲用できる。

浄水器は、万が一に備えて持っておきたいエマージェンシーギアに近いアイテムだ。予定していた水場が枯れていたとき、道に迷って遭難したとき、いずれも飲み水が尽きた場合、近くに泥水しかなかったら、浄水器の有無で生存確率は大きく変わることになるだろう。

私はかつて、浄水器に助けられた経験が実際にある。タイムオーバーで予定していた幕営地にたどり着けず、運良く見つけたテントを張れそうな広場でビバークしたとき、羽虫が浮かぶ水たまりから水を汲んで、たまたま持って来ていた浄水器でろ過して事なきを得た。あのとき浄水器がなかったら……かなりマズい状態になっていたことは言うに及ばない。

エマージェンシーギアとして持ち運ぶことを考えると、ビーフリーACはタンク部分が柔らかい素材でできているので、小さくまとめられる点が嬉しいポイント。浄水能力も高く、ホロファイバーフィルターの利用目安が約1,000Lで、活性炭フィルターは約200L。メンテナンスも難しくなく、フィルターが汚れたときは流水ですすぐだけでいいという。生乾きの状態で放置することが劣化を早める原因になるので、使用後にしっかり乾かすことが肝心だ。

イベントの最中、スター商事の佐々木社長が参加者の前で熱く語ったコメントが印象的だった。
「だれもが浄水器をもって安全にアウトドアを楽しむ。そんなスタイルが当たり前になることを願っています」

山登りを続けていると、いつか浄水器に命を助けられる日が来るかもしれない。私たち登山者はそのような事態に陥らないように努めなければいけないが、もしものときの備えとして、ビーフリーACのような小型浄水器をもっていると安心だ。命の重さに比べれば、手のひらに収まる大きさで、わずか100gにも満たない重量は、あまりにも小さくて軽いといえるだろう。

ビーフリーAC 0.5L ブルー

・¥9,900
・容量:0.5L
・サイズ:8.5×5.4×27.3cm
・重量:72g
・出力:最大2L/分

「ビーフリーAC 0.5L ブルー」の詳細はこちら

ビーフリーAC 1.0L ブルー

・容量:1.0L
・サイズ:10.7×7.8×27.3cm
・重量:76g
・出力:最大2L/分

「ビーフリーAC 1.0L ブルー」の詳細はこちら

ビーフリーAC 1.0L ブラック

・容量:1.0L
・サイズ:10.7×7.8×27.3cm
・重量:85g
・出力:最大2L/分
※ソフトフラスクが頑丈な二重構造タイプ

「ビーフリーAC 1.0L ブラック」の詳細はこちら

 

 

問い合せ先:スター商事
TEL.03-3805-2651
www.star-corp.co.jp

 

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PROFILE

吉澤英晃

PEAKS / ライター

吉澤英晃

1986年生まれ、群馬県出身。沢登りもするし雪山にも登る、自称オールラウンダー。山に登りながらいつも考えているのは、下山後の温泉と食事のことばかり。じつは山より入浴とグルメのほうが好きなのではないかと、最近山仲間に疑惑を持たれている。

吉澤英晃の記事一覧

1986年生まれ、群馬県出身。沢登りもするし雪山にも登る、自称オールラウンダー。山に登りながらいつも考えているのは、下山後の温泉と食事のことばかり。じつは山より入浴とグルメのほうが好きなのではないかと、最近山仲間に疑惑を持たれている。

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