至仏山 登山ルート「固有植物も多い尾瀬の名峰で花と展望をゆったり楽しむ」

至仏山 登山ルートの概要

歩行時間は6時間ほどですが、登山の常として余裕をもって行動できるように計画を立てましょう。また夕立を避けるなどの意味でも、早めの登山と下山を心がけることが大切です。マイカーなら早朝のシャトルバスに乗れますが、公共交通機関利用で早着きできないときは戸倉か鳩待峠での前泊、もしくはツアー会社などが運行する夜行バスの利用も検討してみてください。

東面登山道は過去に登山禁止だったことがあります。それは、高山植物の踏み荒らしや盗掘が続き、絶滅の危機に瀕したからです。登山禁止前は山ノ鼻まで下ることができましたが、下りの方が負荷がかかるため現在は上り専用。そういった経緯からもルートから外れることなく、山を大切に守っていきましょうね。

ルートプランと所要時間目安

日程:日帰り
歩行時間:6時間5分
歩行距離:10.5km
登山口:鳩待峠
下山口:鳩待峠
高低差:630m 

鳩待峠バス停
↓1時間
山ノ鼻
↓2時間30分
高天ヶ原
↓30分
至仏山
↓35分
小至仏山
↓20分
オヤマ沢田代
↓1時間10分
鳩待峠バス停

例年6月末までの残雪期は登山道が閉鎖されます。残雪で登山道が寸断され、登山道をはずれて歩くことで植生を傷めるからです。従って登山シーズンは7月上旬から。残雪が多い年は解除が遅れることもあるので確認をしてから計画を立ててください。

花が目的なら7月がおすすめ。至仏山~オヤマ沢田代の稜線に露出する蛇紋岩は濡れると滑りやすく、とくに雨のあとの下りはスリップにご注意を。今回ご紹介する山ノ鼻先から至仏山に登る東面登山道は上り専用となります。

至仏山 登山ルートの詳細ガイド

日本海と太平洋の分水嶺の山に登る

燧ヶ岳(ひうちがたけ)と並んで日本百名山に選定された至仏山。深田久弥が厳父にたとえた燧ヶ岳と対照的に、慈母に例えられるような優しい山容が印象的です。標高も100mあまり低いうえ、今回ご紹介するルートは標高約1600mの鳩待峠(はとまちとうげ)からスタートするので、燧ヶ岳よりずっとラク。アクセスもよく、高山植物の豊富さや展望のよさとあいまって、日帰りできる百名山のなかでもとくに人気があります。

登山口の鳩待峠からも至仏山に直登もできますが、今回は山ノ鼻から尾瀬ヶ原の展望に優れた木道や石段を急登して、至仏山のピークを踏み、オヤマ沢田代から鳩待峠に戻る周回コースを歩いてみましょう。

早朝の鳩待峠。鳩待峠は広いので周りを気にせず準備体操をしましょう。出発前にトイレも済ませておくことも忘れずに。バス停はここから2~3分下ったところにあります。バスの乗車券は鳩待山荘で事前に購入しておくのがおすすめ。

鳩待峠のバス停から2~3分で鳩待山荘や休憩所のある峠に到着。トイレを利用して山ノ鼻へ向かいましょう。すぐに石の階段は濡れていると滑りやすいので、注意しながら下りていきます。

石段が終わると階段下りから木道を歩くことに。滑りやすいところには木道の上にプラスチックの網が張られています。左上に見えるのが至仏山。川上川を渡って山ノ鼻に入ると、ビジターセンターのほか小屋が3軒建っています。ここが尾瀬ヶ原の入口です。

山ノ鼻からは石段や木の階段を登ります。

森林限界の上は高山植物が豊富

至仏山、谷川岳などの特産種であるホソバヒナウスユキソウ。

山ノ鼻を左へ進みます。突き当たりが至仏山の登山口。ここからは上り専用の道になります。石段や丸太の階段が交互に現れる急登ですが、高度が上がるに連れて尾瀬ヶ原が見えてきます。単調な木の階段を登るようになると、ユキワリソウやホソバヒナウスユキソウが咲くエリアになり、ベンチが置かれた高天ヶ原に到着。ここから30分歩けば至仏山山頂です。そこは360度の展望が自慢の広い山頂。尾瀬ヶ原から燧ヶ岳が前方に広がり、奥日光から赤城山、武尊山、谷川連峰、越後駒ヶ岳まで見渡せる素晴らしい景観が待っています。

至仏山山頂付近から、整った山容の小至仏山を眺め。右手には菅笠のような形の笠ヶ岳が目を引きます。

ここから小至仏山までは蛇紋岩が広がる滑りやすい道を下っていきます。鞍部から少し登ったところが小至仏山山頂。ここも至仏山同様、展望に優れています。

小至仏山から長い階段を下っていくと、オゼソウやシブツアサツキ、カトウハコベ、ジョウシュウアズマギクなど蛇紋岩地特産の貴重な高山植物がお出迎え。それらを観賞しながら歩いていきましょう。

オヤマ沢田代は山の上に開けた明るい小湿原。ワタスゲなど湿性植物が咲いています。

ハイマツ帯を抜け、笠ヶ岳方面へ向かう道を右に分かれます。ここが悪沢岳分岐。すぐ下がオヤマ沢田代です。樹林帯を抜けると尾瀬ヶ原や燧ヶ岳の展望に優れた原見岩に到着。しばらく展望を楽しんだら、道なりに下っていきます。1866.9m峰の南側を抜けて亜高山性の常緑針葉樹林帯へ。

ブナ林を歩くようになると鳩待峠はもうすぐ。休憩所で少し休憩してバスに乗るとしましょう。

至仏山 登山ルートへのアクセス

公共交通機関:東京から上越新幹線に乗り、上毛高原駅で下車。戸倉行きの関越交通バスに乗り終点で下車。鳩待峠行きのバスに乗り換え、終点で下車。上越線沼田駅から戸倉行きバスも利用できます。その場合、戸倉まで1時間30分。大清水行きバスに乗り、戸倉で下車してもいいでしょう。

車:関越道沼田IC を出たら国道120 号線を左折、日光・尾瀬方面へ。鎌田で左折し、国道401号線、県道を経て戸倉着。有料駐車場に車を駐め、関越交通バスや乗合タクシーで鳩待峠へ向かいます。

至仏山 山データ

山名:至仏山(しぶつさん)
標高:2,228m
登山適期:7月上旬~10月上旬
営業小屋:鳩待山荘、至仏山荘、国民宿舎尾瀬ロッジ、山の鼻小屋
避難小屋:なし
水場:鳩待峠
トイレ:鳩待峠
ビューポイント:至仏山の稜線~オヤマ沢田代
連絡先:片品村観光協会(TEL.0278-58-3222)、関越交通バス(TEL.0278-23-1111)

至仏山 登山カレンダー(該当月の1日)

登山を楽しむ皆さんへ

ここに記載している所要時間はあくまでも目安です。自分の経験や体力と相談しながら、前日に麓で宿泊したり、山小屋に宿泊するなど、ゆとりある計画を立てましょう。また、天候や自分の体調によっては、中止することも検討してください。山はいつまでもそこで待っていてくれます。「家を出ることきから帰宅までが山登り」ということを忘れずに、存分に山を楽しんでくださいね。

出典

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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