
「涸沢小屋」穂高を仰ぎ、涸沢カールを見渡す。|北アルプス山小屋大全

PEAKS 編集部
- 2025年04月25日
INDEX
涸沢にはふたつ山小屋があり、カール底の野営場そばにあるのがヒュッテ。そこから見上げた岩棚に建つ三角屋根が、もうひとつの涸沢小屋だ。北穂南稜の基部にあり、約50mの岩壁を背にするので雪崩の直撃を避けられている。自然の理に適い、山岳景勝地に溶け込むようすは、一枚の風景画のよう。ヒュッテから追加で5分ほど登る立地になるが、カール全景をよく見渡せる。
混雑や喧騒を離れてビールを飲み、テント場の明かりがイルミネーションのように灯る夜景を静かに味わうなど、涸沢小屋をあえて選ぶファンも多い。宿泊に限らず、立ち寄りスポットとしても人気で、徒歩約6時間の山奥で食べるソフトクリームは格別だ。外来客にもマムート特製ジョッキでビールを提供してくれるのもうれしいサービス。5分の寄り道など苦にならない。
\スタッフボイス/
アットホームな雰囲気の山小屋で、みなさんをお待ちしています。食事や喫茶に力を入れており、名物の本格ソフトクリームは多くの方にご賞味いただきたいです。
インフォメーション
テント場 | 個室 | 自炊室 | 乾燥室 | お風呂 | 生ビール |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ー | ◯ |
ドコモ | au | ソフトバンク | 楽天 | 公衆電話 |
△ | ◯ | × | ー | × |
■連絡先
090-2204-1300
https://karasawagoya.com/
■営業時間
4月下旬~11月上旬
■収容人数
80人
■標高
2,350m
■宿泊料金(2025年9月13日~10月13日は宿泊費+¥2,000/当日予約+¥1,000)
一泊二食:¥14,000~¥16,000
一泊夕食のみ:¥12,500~¥14,500
一泊朝食のみ:¥11,000~¥13,000
素泊まり:¥9,500~¥11,500
お弁当:¥1,500
※2025年9月13日~10月13日は繁忙期料金として宿泊費+¥2,000
※当日予約は+¥1,000
■水
無料
都会的で洗練されたカフェメニューに注目!
どこかほのぼのとした空気が漂う小屋だが、軽食&喫茶メニューの都会的で斬新なアイデアには驚く。長年続けてきたソフトクリームをジョッキパフェに活用した夏限定メニューは、見映えも抜群。じわじわと口コミで知れ渡ったが、「注文が集中すると厨房が回らないので、メニュー表に書いていない」という裏話に、涸沢小屋らしさを感じる。
隠れメニュー!?ジョッキパフェ
存在感ある、夏限定のスペシャルメニュー。7月の海の日のころから約1カ月半、材料がなくなり次第終了。仕入れによってトッピングが変わる。

どのカップが好み?
涸沢小屋オリジナルカップでいただくコーヒーもセットで頼みたい。カップの絵柄は2種類あるが、数量限定の希少なもので、選べないこともある。
スイーツで疲れを癒して
登山の合間に、ソフトクリームはいかが?液体原料から練って作る本格マシンで提供している。甘党が喜ぶメニューは他にもある。
ジョッキで飲む生ビール&軽食も
おすすめの軽食はもつ煮(写真)。おでん7種盛りや豚丼などもある。例年9月以降の寒い時期になると、豚まんが始まる。今シーズンも期待したい。
館内施設
前穂北尾根が見える食堂
受付のあるフロアには食堂や売店、トイレ、洗面所、乾燥室などがある。食堂の窓やテラスからは前穂高岳の尖った稜線がよく見え、とくに日の出から8時ごろまでの朝が美しい。
宿泊受付など総合案内はこちら
テラス中ほどの入口から入ると受付。周囲の棚や壁面にはお土産が並ぶほか、日焼け止めや耳栓、カイロなどのお助けグッズも用意してくれている。
本棚には登山本がずらり
受付そばの一角に、写真集、雑誌、マンガ、専門書などが詰まった本棚がある。悪天時の停滞も安心。特定の談話室はないので、自室でゆっくり読もう。
飲食の注文は売店へ
軽食&喫茶コーナーは独立した売店になっており、テラスからも直接入れる。カレーやラーメン、生ビール、スイーツの注文はこちらへどうぞ。
テラスの下にも客室が!
展望テラスの下にも部屋がある。上層階から案内し、下の客室には案内しないこともあるため、知る人ぞ知る、秘密基地のようなワクワク感がある。
食事
【朝】焼きサバ、卵焼き、野菜サラダ、ハム、焼き海苔、漬物など。具だくさんの味噌汁と合わせて、ご飯が進む。メインは焼き鮭とはんぺん、ウインナー、半熟卵になることも。
【夕】ポークソテー、ポテトサラダ、マリネ、焼き餃子、野菜サラダ、漬物、フルーツなどを提供。主菜はチキンソテーまたはサーモンになることも。ご飯と汁物はおかわり自由。
部屋
仕切りを設けてスペースを区切った大部屋(写真上)のほか、追加料金が必要な個室(写真下)も6部屋ある。2階の宿泊エリアは天井が高いので、二段式の蚕棚が基本となる。着替えの際は、更衣室を利用できる。
トイレ
宿泊者向けトイレは食堂の奥にある。外のテラス奥には、環境省設置の公衆トイレがある。
洗面所
屋内のトイレ横の洗面所。飲用も可能。水場は軽食売店内にもあり、外来客はそちらを利用できる。
お土産・売店
オリジナル手ぬぐいなどのほか、元スタッフが立ち上げたブランド「マウンテンブランチ」のグッズも。
※この記事はPEAKS[2024年9月号 No.167]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
※最新の情報を直接ご確認の上ご計画ください。
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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