「八峰キレット小屋」北アルプスの山小屋完全ガイド
PEAKS 編集部
- 2018年03月06日
INDEX
登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし!
エスケープルートなし!
後立山最大の難関といわれる「八峰キレット」。五竜岳と鹿島槍ヶ岳の間に位置していて、鎖場、はしごが連続する難所のひとつだ。そんなキレットを進むこと北へ約20分。両側が切れ落ちた鞍部いっぱい使って建てられた、八峰キレット小屋がある。鞍部は非常に狭く、山荘前が縦走路として指定されているほどだ。
キレット小屋の朝は、通常の山小屋より30分以上早い。というのも、五竜山荘へは約5時間、冷池山荘へも約5時間と両隣の小屋へのコースタイムが長く、道のりもけわしいためだ。シーズンに入ると事故も多くなるため、小屋は常駐隊員の基地にもなっている。実際に登山者からの通報があった場合、小屋から捜索や救助に出動することもあるそうだ。
館内施設
食堂兼談話室
壁際には小さな書棚がセットされた食堂。談話室でもあるが、小屋の性質上遅くまで利用する人は少ない。カウンターには飲用水あり。
風情のある内観
渋くて味のある内観。右奥に見える階段からは2Fへとつづいていて、フロアはすべて客室(かいこ部屋)となっている。
乾燥室あり
1Fには小さな乾燥室がある。相部屋になることも多いので、乾燥室を利用し、部屋へは濡れたものを持ち込まないようにしよう。
自炊室はこちら
稜線上の小屋のため、水は天水を利用しており、飲用はできない。調理用の水は食堂に設置された飲用水を使用しよう。
食事
朝食
焼鮭、ハム、卵焼き、漬物、のりのおかずにご飯と味噌汁。パパッと食べられる、スタンダードな朝食だ。
夕食
メニュー一例。デミグラスソースがかかったハンバーグ、サラダ、筍の煮付け、漬物、ご飯と味噌汁はおかわり自由。
お土産・売店
売店には、飲み物やおつまみなどが中心に売られている。冷たいお酒も購入可能。場所柄、小屋への荷揚げは大変なため、出したゴミは必ず持ち帰ろう。
部屋
全室かいこ部屋。上段への階段は急なので要注意。割と広々としたつくりになっていて、部屋にはそれぞれ窓がついているため、閉塞感を感じさせない。
こんなところにあるんです
キレットとは谷の侵食によって主稜線に深く切れ込みの入った場所のこと。岩場、鎖場、はしごが多くなるので、ストックはしまい両手も使って進もう。
「八峰キレット小屋(はちみねきれっとごや)」の基本情報
設備
テント場:なし
水場:なし
個室:なし
自炊室:あり
乾燥室:あり
お風呂:なし
生ビール:なし
営業期間
7月1日〜9月30日
電話・電波
ドコモ:不安定
au:通話不可
ソフトバンク:通話不可
公衆電話:なし
収容人数
100人
標高
2,470m
宿泊料金
1泊2食:9,800円
素泊まり:6,800円
お弁当:1,100円
連絡先
0261-72-2002
https://www.hakuba-sanso.co.jp/yamagoya/kiretto.html
※2018年2月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。
- CATEGORY :
- BRAND :
- PEAKS
- CREDIT :
- テキスト/渡辺幸雄 森山憲一 写真/宮田幸司 仁田慎吾 野口祐一 後藤武久 宮上晃一 渡辺幸雄 杉村 航 新井和也 井上大助 森山憲一 高橋庄太郎 岡野朋之 亀田正人 梶山 正 三宅 岳 内田 修 矢島慎一 加戸昭太郎 星野秀樹 西田省三 太田孝則 中村成勝 泥谷範幸 大森千歳 宇津木昌樹 山小屋提供
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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