ソロテントを選ぶときに注目したい6つのポイント
PEAKS 編集部
- 2020年09月11日
INDEX
北アルプス・ソロトレッキングに向いたテントとはどんなものだろう? 見るべきディテールのポイントを6つ解説しよう。
文◉森山憲一 Text by Kenichi Moriyama
写真◉宮田幸司 Photo by Kouji Miyata
POINT.1 ひとりでも2人用テントを選ぶのもあり
ソロ山行だからといってソロテントばかりに注目してはいないだろうか? じつは、1人用テントと2人用テントは重量差がそれほど大きくない場合が多い。ほとんどのモデルでその差200g 前後だ。
写真のモンベルのテントの場合、わずか90g 差。となると、居住性が格段によくなる2人用テントを選ぶのは大いにありだといえる。しかも、2人用テントならふたりで使うこともでき、使用範囲が大幅に広がる。テントを選ぶ際は、2人用モデルもぜひチェックしてみよう。
POINT.2 出入り口の方向違いによる使い勝手の違い
テントの出入り口は、長辺(幅の広い側)に設けられているものと、短辺(幅が狭い側)に設けられているものの2種類がある。長辺側のメリットは、出入りがしやすいことと、前室を広くとれること。短辺側は、一般に重量を軽くすることができることと、狭いスペースでも張りやすいこと。
つまり、ゆったり山行派には長辺側が向き、ハード志向派には短辺側が向いていると、大まかに分類できる。現在の無雪期用テントはどちらかというと長辺側が主流になっている。
POINT.3 非自立式は北アルプスでは不利
張り綱を張らないと自立しないテントを「非自立式テント」という。ワンポールでも立てられるので重量的に軽くできるのが最大のメリットで、がっちり張れば意外なくらい風にも強い。ただし、北アルプスのテント場は地面が岩がちでペグが使えない場所も多い。
ペグを使わずに張り綱をしっかり張るのはそれなりにテクニックが必要で、場所によってはどう工夫しても難しい場合もある。使いこなす自信と技術がある人以外は、北アルプスでは避けたほうが無難だ。
POINT.4 メッシュインナータイプはありか?
インナーテントに通気性のあるメッシュ生地を使用したもの。テント重量を軽くできるうえ、樹林帯の中低山などでは涼しくすごすことができて快適だ。ただし、標高2,000 ~ 3,000m 級の北アルプスのテント場では、夏といえど日によっては寒く感じる。
通常のインナーテント
そのために防寒着や寝袋を暖かいものにしていては、軽いテントを選んだ意味がなくなってしまう。北アルプスなど標高の高い所での使用をメインに考えるなら、メッシュではないタイプのインナーテントのモデルのほうが有利だ。
メッシュインナーテント
POINT.5 シングルウォールのメリットとデメリット
防水透湿素材を使用することで、フライシートを省略したモデルがシングルウォールテント。フライシートがないため軽く、設営も非常に簡単。フライシートありのダブルウォールテントに比べると、設営スピードは3分の1くらいだ。
ダブルウォールテント
とにかく軽くしたいときや、設営場所を得にくいバリエーションルートなどでは利用価値が高い。ただし、一般に居住性・快適性はかなり下がることになるので、そこは割り切って使うことが必要になる。
シングルウォールテント
POINT.6 重量数字ばかりにとらわれるな
ソロテントを選ぶ際に重量はかなり気になるポイントだと思うが、ひとつ注意を。現代の軽量テントは、本体生地を薄くすることで軽くしているものが多く、生地強度は昔のものより低下傾向にある。
それをカバーするためにフットプリント(グラウンドシート)などのオプションが用意されていたりもするが、それを使っては、軽いテントを選んだ意味が薄れてしまう。目立つ数字ばかり見るのではなく、トータルで考えよう。
薄いフロア生地
丈夫なフロア生地
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文◉森山憲一 Text by Kenichi Moriyama
写真◉宮田幸司 Photo by Kouji Miyata
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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