大峰山脈・大峯奥駈道|百名山の八経ヶ岳、女人禁制の山上ヶ岳を連ねる信仰の道 ルートガイド
PEAKS 編集部
- 2021年05月21日
INDEX
奈良の吉野山から紀伊の熊野三山を結び、世界文化遺産にも登録されている大峯奥駈道。全長170㎞にもなる険しい道のなかで、今回はその中心となる八経ヶ岳と山上ヶ岳をメインに。
文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉矢島慎一 Photo by Shinichi Yajima
取材期間◉2016年5月19日~21日
出典◉PEAKS 2017年5月号 No.90
>>ルポはこちらから
行者還トンネル西口~八経ヶ岳~大普賢岳~山上ヶ岳~清浄大橋
吉野山と熊野三山を結ぶ大峯奥駈道は、全長約170㎞。一気に踏破するのもおもしろいが、少々骨が折れる。そこで、大峯奥駈道の中央北部に当たる稜線上の1/4ほどの距離に設定したのが、この八経ヶ岳~山上ヶ岳を中心とした今回のルートだ。
このなかで山上ヶ岳付近は女人禁制となり、残念ながら女性は立ち入ることができない。八経ヶ岳方面から北上してきたら、女人結界門がある阿弥陀ヶ森分岐で東側の登山道に入り、神之谷へと下山するか、その途中の大普賢岳で同じように東側に向かい、和佐又口へ下山してほしい。
データ
本当の奥駈道はもっと長いぞ!
- 総距離:29㎞
- 歩行時間:18時間30分
- 1日目:行者還トンネル西口~八経ヶ岳(往復)~行者還避難小屋(テント泊)
- 2日目:行者還避難小屋~行者還岳~大普賢岳~小笹ノ宿避難小屋(テント泊)
- 3日目:小笹ノ宿避難小屋~大峯山寺~山上ヶ岳~清浄大橋
アクセス
このコースはアクセスに公共交通機関が使えない。行者還トンネルの登山口と清浄大橋の下山口には、拠点となる奈良県の天河村からタクシーを利用するのが一般的だ。マイカーの場合は、出発時にどちらかの駐車場にクルマを停めておき、やはりタクシーで回収する。
マップ
①行者還トンネル脇の駐車場からスタート。ここで登山届も提出できる。
②一般的な山小屋として利用できる弥山小屋。テント場も併設している。
③八経ヶ岳山頂付近から眺める弥山。その奥にはこれから歩く山々の姿も。
④トイレも併設している行者還避難小屋は快適。その脇でテント泊も可能。
⑤行者還岳の山頂。登山道から外れた場所にあるが、ぜひ登っておこう。
⑥阿弥陀ヶ森分岐の手前。ここから少し歩いた場所に、女人結界門がある。
⑦テント場がある小笹ノ宿避難小屋。水は流水を利用し、トイレはない。
⑧山上ヶ岳から少し足を延ばせば、切り立った岩場も。景色がすばらしい。
⑨大峯山寺の周囲には宿坊が多く、石段や石畳でつながっている。
⑩見どころのひとつ、西の覗。手すりもない岩場は細心の注意が必要だ。
⑪大峯山寺と清浄大橋のあいだには、茶屋が数カ所。休憩に適している。
⑫山を下っていくと、「お助け水」という水場。この水はなかなかうまい。
アドバイス
この山域の登山道は広い尾根上に作られたものが多く、勾配が比較的少なくて歩きやすい。だが道迷いを起こしやすくもあり、毎年のように遭難事故が発生している。獣道などに迷い込まないように、地図とコンパスを念入りに確認したい。岩場での行動にも注意しよう。
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文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉矢島慎一 Photo by Shinichi Yajima
取材期間:2016年5月19日~21日
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。