ダーニングに挑戦!|おだまきかあさんのMYOG道
小田巻美穂子
- 2021年12月18日
INDEX
MYOG(ミョグ)とはMake Your Own Gearの略。アウトドアで使う道具を自作、カスタマイズすることを指す。「道具はある」と発言してしまったために突如始まったこの連載。製作の最終目標はウエアかテントかバックパックか……!?
今回は、前回に引き続き、ウエアの補修です(MYOGじゃないというツッコミは流します)。最近「ダーニング」がひそかに注目されているようで、書店の手芸本コーナーでも目立つ場所に置かれています。かくいう私も、少し前にダーニングそのものではなく、キノコ型の木製の手芸用具「ダーニングマッシュルーム」にひかれて、道具と材料だけは購入しておりまして……、やっとやる理由が見つかったという次第です。
文・写真◉小田巻美穂子 Text & Photo by Mihoko Odamaki
針と糸でできる補修は、仕上がると達成感あり
ダーニングとは針と糸だけで布地の穴や摩耗した部分を修復するテクニック。布を合わせるツギハギとは異なり、目立たないのも特徴です。食べこぼしなどのシミや引っ掛け穴の補修にも最適。アウトドアウエアにうってつけなのです! 最近はあえて目立たせる手法が注目されていて、ダーニングで画像検索するとじつにカラフル。少ない道具で簡単に、しかも短時間でできます(もちろん補修サイズにもよりますが)。
なぜわざわざダーニングマッシュルームが必要になるのかというと、生地を張った状態で縫い進める必要があるため。たるんだ状態だとシワやヨレの原因になり、肌あたりもいまいち。なによりできあがりの良し悪しに影響します。生地がきれいに張れればいいのでモノはなんでもいいのですが、絶妙なカーブのモノってなかなかないんです。
縫い進め方は機織りのイメージです。ピンと張られた縦糸に横糸を上、下、上、と通していく。いきなり細い糸でチャレンジすると、すくい漏れや生地もいっしょにすくってしまったりなどの失敗が起こりやすいので、まずは太めの毛糸がおすすめ。ベ ースレイヤーの襟や裾、フリースジャケットの前立ての縁部分からはじめるといいでしょう。2×2cmくらいの補修でも、仕上がると充実感あります! ほかにも穴空きウエアがないか探したくなるはず……。
ダーニングマッシュルームを自作している人もいて、なかなかの奥深さ。山行時の急なトラブルにもササっと対応できるので、これからはリペアキットにダーニングマッシュルームも加えてみてはいかがでしょうか。
今回補修するのはこちら
子どものズボンの股部分と、穴の空いたリネンの靴下。
いざ実践!
1 ダーニングマッシュルーム以外に必要なもの。布を固定するためのゴム、縫い針、糸。糸は補修する生地に合わせて選ぶ。
2 補修部分が中央にくるようにダーニングマッシュルームと生地を固定する。
3 まずは縦糸をとおす。糸端は10cm、糸間は使用糸1本分になるように刺していくときれいに仕上がる。
4 横糸は縦糸を1本飛ばしですくってとおす。
5 縦と横で糸を変えると格子柄に。
補修完了!
ダーニング後
あて布での補修が難しい箇所、ヒザやヒジ部分も補修できるのがいいところ。生地が薄くなっている部分にも効果的。
今月のアイテム:ダーニングマッシュルーム
ダーニング作業中、生地に適度な張りをもたせるために使う道具。名前の由来はその形状から。大きさはさまざまで、キノコ柄にペイントされているものもあり、コレクション心をくすぐられます。キノコ型はクロバー社のもの、右ふたつは雑誌のキットのものです。
PEAKS編集部員おだまき
2男児の母。編集部在籍2年弱ですが、人生経験的にはすでにNo.2。登山ルートを考えるよりどのギアを使うかを考えるほうが好き。趣味は手芸と園芸。
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PROFILE
PEAKS / 編集部員
小田巻美穂子
斜度が1度でも上がったら聞き役に徹し、下りで急にスピードアップ&おしゃべりになる登山スタイル。登りのペースは激遅ですが長く歩くのは嫌いではありません。活動フィールドは登山とキャンプ。ライフワークは手芸と園芸です。
斜度が1度でも上がったら聞き役に徹し、下りで急にスピードアップ&おしゃべりになる登山スタイル。登りのペースは激遅ですが長く歩くのは嫌いではありません。活動フィールドは登山とキャンプ。ライフワークは手芸と園芸です。