地図読み講習会で理解を深める!メジャー講習会6選
PEAKS 編集部
- 2022年03月08日
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地図読みに精通した講師に教えてもらえる講習会を活用すれば、その場で疑問を解消できるし、独学よりも理解が深まる。まずはメジャーな地図読み講習会をチェックしよう。
文◉吉澤英晃 Text by Hideaki Yoshizawa
写真◉柏木ゆり Photo by Yuri Kashiwagi
出典◉PEAKS 2021年2月号 No.135
近場で参加できる講習会を見つけよう
地図読みは雑誌や書籍などを読んでひとりで学ぶことも可能だが、自信を持って「読図ができる」ようになるまでは、相当な時間を要するだろう。時間をかけずに習得するにはやはり、読図に精通した人から学んだほうが効率はいい。
そこで積極的に活用したいのが、全国各地で開催されている講習会だ。講師から直接教わることでわからないことがあっても質問すれば即座に解消できるし、フィールドで体を動かしながら学習することで、独学よりも進路決定や地形把握の理解が深まる。
ここではメジャーな地図読み講習会を紹介するが、これは全国で行なわれている講習会のほんの一部にすぎない。どんな団体が講習会を主催しているか把握して、参加しやすい講習会を見つけよう!
学びの場は大きく分けて4種類
①登山用品専門店
すべての登山用品専門店とはいえないが、イベントを開催しているショップは多い。よく買い物をするお店が講習会を行なっていれば、いちばん身近な存在といえるだろう。ここでは全国展開する「好日山荘」と「石井スポーツ」を紹介するが、個人店舗が主催している場合もある。講師の役を担うのは主に店主や店舗スタッフ、契約ガイドなどだ。
②登山用品メーカー
登山用品を扱うメーカーも講習会を企画していることがある。直営店が主催したり、取引きがある登山用品専門店とコラボしたり、単独で募集したりと、形態はさまざま。講習会の有無は各社のHP上でチェックするといい。ここでは「モンベル」と「キャラバン」を紹介するが、主催しているメーカーは他にもある。講師は登山ガイドなどを招くことが多い。
③山岳団体
各都道府県にある山岳会を束ねる上部組織が講習会を行なっている場合もある。ここでは「東京都山岳連盟」がそれに当たる。山岳会に所属していなくても参加できるので、積極的に調べてみよう。それとは別に、地図読みのスキルを使う野外スポーツの一種、オリエンテーリングを統括する「日本オリエンテーリング協会」も独自に講習会を行なっている。
④登山ガイド
日本全国で活躍する登山ガイドは、もれなく地図読みにも精通している。地元を拠点に活躍するガイドが講習会を行なっていないか調べてみよう。もし公に参加者を募集している講習会がなくても、個別に相談すれば教えてくれることもあるはずだ。日程や場所もこちらの好みに応じて調整してくれる場合もあるので、まずは問い合わせてみるといい。
1.石井スポーツ登山学校 (全国)
地図を“読む” 習慣を身に付ける
登山用品専門店「石井スポーツ」が主催する登山学校。地図読み講習会は一年をとおして実施している。関東で開かれる講習会は主に奥武蔵をメインフィールドにしており、道標などが過剰に整備されていないハイキング道やオリエンテーリングの常設コースなどを利用して、進路決定や尾根谷の地形把握を行なうことで、受講者に地図を“見る”から“読む”ことを習慣づけるように工夫されている。
また、バリエーションコースを積極的に使用した読図講習を開催している点も特徴。講師は石井スポーツ登山学校校長の天野和明ガイドを筆頭に実績のあるガイド陣と、日本オリエンテーリング協会認定のナビゲーションインストラクターが担当する。
問い合わせ
石井スポーツ / www.ici-sports.com/climbingschool
TEL.0120-015-343
2.キャラバン机上講座 (関東)
机上で学んで登山教室で実体験
登山用品メーカー「キャラバン」が主催。外部から山岳ガイドの武川俊二氏を講師に迎え、東京都巣鴨にあるキャラバンの本社の一室で地図読みを学習する。
この机上講習会は同じくキャラバンが主催するキャラバンツアー登山教室と連動しており、こちらにも参加することで、読図を実体験できる流れを組んでいる。
机上講習会は例年4月〜翌年3月までに7回開催され、机上講習会のあとに別日程でキャラバンツアー登山教室が開催される。今後Zoomを使った机上講座も開催を予定している。
問い合わせ
キャラバン / www.caravan-web.com/event-top
TEL.03-3944-2426
3.モンベル・アウトドア・チャレンジ (全国)
身近な山から地図読みデビュー!
アウトドア用品の総合メーカー「モンベル」が企画。多くの講習会があるなかで、地図読みは「山歩き講習会」に含まれている。
地図読みを学習するプログラムはふたつあり、“はじめての地図読み編”は初級者向きで、これから山歩きをはじめたい方にも最適。もうひとつの“地図読み実践編”では、実際にコンパスを使いながら地図読みを学んでいく。全国各地の直営店が主催しているので、開催地域も多い。講師はモンベルスタッフや現地に精通したガイドなどが務める。
問い合わせ
モンベル・アウトドア・チャレンジ本部事務局 / https://event.montbell.jp
TEL.06-6538-0208
4.ナヴィゲーション講習 (関東)
3つのレベルで地図読みスキルの習熟度を把握
国内のオリエンテーリングを統括する「公益社団法人 日本オリエンテーリング協会」が主催。登山に必要な地図読みのスキルを、ブロンズ、シルバー、ゴールドの3つのレベルに分けているのが特徴で、さらに各レベルは多くの自治体が導入している「山のグレーディング」における技術的難易度と結びついている。たとえばブロンズレベルは難易度Bの山に対応しているので、これを目安に受講者は登山の計画を立てられるといった具合だ。ブロンズレベルは講習会受講後に申請すれば認定される。
問い合わせ
日本オリエンテーリング協会 / http://www.orienteering.or.jp/ni
TEL.03-5843-1907
5.おくたま登山学校 (関東)
GPSアプリを併用した地図読みを机上&実技で受講
「公益社団法人 東京都山岳連盟(以下、都岳連)」が主催。それぞれ別日程で行なわれる机上と実技講習がセットになっており、机上講習は東京都神田にある都岳連の事務所、実技講習は奥多摩の山中で行なわれる。
実技ではスマートフォンのGPSアプリを併用した地図読みを学ぶことができ、最大18名定員に講師・スタッフが4人もつく手厚い体制が特徴だ。さらに、おくたま登山学校が主催する実技講習では、歩き方や自然観察がテーマの回でも地図読みを実践するので、併せての参加もおすすめ。
問い合わせ
東京都山岳連盟 / www.togakuren.com/tsudou/classes/okutama-school
TEL.03-3526-2550
6.好日山荘登山学校 (全国)
机上講座から実技講座へステップアップ!
全国展開する登山用品専門店「好日山荘」が2009年から展開。講習会は全国で開催されているが、地域としては主に、東京、横浜、名古屋、大阪が多い。
地図読み初級者から知識のある中級者までに対応するレベルに応じた講習会をラインナップしており、段階的に地図読みスキルを習得できる。具体的には机上講座と実技講座から選択可能で、遠方で会場へ来るのが困難な方のために、パソコンとインターネット環境があればだれでも参加できるウェブセミナーも開催中だ。
全国にある好日山荘の店舗で無料の入校手続きを完了して好日登山学校の会員になると、両講座が会員価格で参加できる。講師は契約ガイドおよび店舗スタッフが担当する。
問い合わせ
好日山荘 / www.kojitusanso.jp/school
TEL.078-231-1381
Info
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文◉吉澤英晃 Text by Hideaki Yoshizawa
写真◉柏木ゆり Photo by Yuri Kashiwagi
出典◉PEAKS 2021年2月号 No.135
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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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