山中で道に迷ったらどうすればいい? 次に取るべき行動をフローチャートでも紹介
PEAKS 編集部
- 2022年03月14日
しっかり地図読み覚えたはずなのに、こんなことになるなんて! 地図の読み間違いだけでなく、天候や体調によってルートからロストしてしまうことも。もし登山中に道迷いをしてしまった際は、果たしてどうすればよいのだろうか。ここではフローチャートに沿って道迷いの次に取るべき行動を紹介する。
INDEX
まずは未然に道迷いを防ぐ準備を
当然のことながら、道迷いは未然に防ぐことが一番。よくある道迷いのパターンふたつと、それを未然に防ぐ方法を知っておこう。
気象/天候が理由で道迷い
気象/天候が理由で周囲の地形や道がわからず、道に迷う人は多い。山行の前に天候の確認を行ない、荒れるようであれば登山中止の判断をしよう。また、山行中に天候が悪化しそうな場合はすぐに下山するか、近くの避難小屋や山小屋などの安全な場所に避難することを考えて行動する。
自分が理由で道迷い
ボーッとしていた、疲れていたなどが理由で道迷いをしてしまうことがある。これに関しては、つねに地図やGPSを駆使して、自分の位置を確認しながら歩くクセをつけるしかない。また、事前に登山ルートをしっかりと把握してからフィールドに入るのも大切だ。ただし、地図やGPSは使いこなせるように練習をしておく必要もある。
それでも道に迷ってしまったら?
道迷いを未然に防ぐ準備をしていても道に迷ってしまった場合どうするか? 対処方法はとてもシンプルだ。なによりも大切なのは「あれ?」と思ったらすぐに“正しい道”に戻ること。ロスが少ないうちに復帰できれば、想定していたルートに無事に戻れる可能性は高い。さらに深みにはまってしまったら、次の要素を意識して行動しよう。
まずは落ち着く
心身ともに落ち着くことがまずは大切。「道に迷ってしまった」ことを早めに受け入れ、水分を取り、食べ物を口に入れ、落ち着いて物事を判断できるように態勢を整えよう。
自力で下山できるか? できないか?
次にこの判断も重要になる。山は基本的に自力下山が原則だが、無理をして命を失ってしまっては元も子もない。自力下山ができないと判断する場合の基準は次の3つだ。参考にしてほしい。
- 体力的に限界(手持ちの装備、行動食・飲み物の残量なども含む)
- 天候が荒れて回復の見込みが不明
- 病気、またはケガをして動けなくなってしまった
- 完全に自力下山できる見込みがない
下山を開始
自力下山を決めたら、まずは現在地の確認をする。この方法は地図とコンパスを使うものや、GPSを使うほかにも、精神的な問題などで見失ってしまった登山道上にあるサイン(リボンやマーキング、看板など)を見つけることでわかる場合がある。このとき、次のコマへ進むための要素は3つ。
現在地がわかる
現在地がわかれば下山が可能。天候や時間を考えて行動しよう。
現在地はわからないが登山道が見つかる
登山道が見つかれば、現在地が把握できるところまで移動することができる。
どうしても道がわからない
この場合は、最後に現在地を確認した場所まで可能な限り戻ること。このとき、なんとなくといった曖昧な感覚で先に進まないことが重要になる。
道に迷った際のフローチャート
ここまで紹介した要素をまとめて簡単なチャートを作ってみた。ただし相手は自然なので、今回の内容がすべてではない。さまざまな要素を加味しながら臨機応変に対応しなくてはならないことを大前提にして参考にしてほしい。
教えてくれた人:長谷部雅一さん
さまざまなアウトドア媒体の連載をもつアウトドアプロデューサー。7,000m級の山やパタゴニアの大地を股にかけた世界一周の旅の経験から、今回の記事では道迷いからの復帰を指南する。
※この記事はPEAKS[2021年2月号 No.135]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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