使用後メンテで状態をチェック!シューズのお手入れ方法|山道具メンテナンス
PEAKS 編集部
- 2022年05月19日
ザレ場やドロ道、ときには水たまりなど、登山中にずっと足元で活躍するシューズ。もっともハードに使用するギアだからこそ、使用後はメンテナンスをしつつ、破損や摩耗の具合など、次回の山行に向けてのチェックをしておきたい。
INDEX
文◉栗山ちほ
イラスト◉マイコペリー
シューズの外と内、ソールをそれぞれケア
外部の汚れの落とし方
本体外側
スエードレザーやマイクロファイバーの素材は入り込んだ汚れが除去しにくく、硬いブラシでかき出すと素材が傷むことがある。軽い汚れなら濡れ布巾でぬぐうだけでも十分だろう。多少の汚れであればシューズ表面を乾燥させ、掃除機に毛ブラシをセットして汚れをこすりながら吸っておしまい、というのもあり。基本的には、付属の取り扱い説明書や各メーカー推奨の手入れの方法を参照するのが間違いない。
ヒモ
ヒモに埃が乗っている程度なら、緩めてから濡れ布巾で拭く程度で構わない。激しく汚れてしまった場合はシューズから引き抜いて、もみ洗いをしたあとに陰干しを。抜いたヒモを元に戻すのが大変なシューズもあるのでその点は注意したい。
シューズ内のニオイの取り方
防臭の秘訣は内部の水分を早く取り除くこと。帰宅する前、下山してすぐにインソールを外してキッチンペーパーや新聞紙など水気を吸うものをとりあえずシューズに突っ込んでおこう。若干の臭いは一般的な消臭商品が有効だが、カビ臭は一度ついてしまうと完全な除去は不可能だ。そうならないように普段からメンテナンスをし、保管時はインソールを外し、湿気がたまりやすい場所に置かないなどの配慮しよう。
ソールのケア
ソールは土中の成分で変質する場合があるので、汚れは可能な限り取り除きたい。ブラシで水洗いすれば大抵の汚れは落ちるが、その際、ソール以外の部分を不必要に濡らさないよう注意。小石などは割り箸やつまようじ、マイナスドライバーなどで取り除けるが、ソールを傷つけないよう配慮すること。パターンが細かいソールの詰まりには使い古しの歯ブラシも役に立つ。突起のついたシューズ用のメンテナンスブラシも便利だ。
機能や撥水性をよみがえらせる
機能効果を長持ちさせる方法
シューズを長持ちさせるには、変形やパーツのひび割れを防ぐこと。乾燥するときは、温風をあてずに陰干しし、ソールはつねにきれいにするなど基本的なことを守り、何事もやりすぎないことが大切。
防水、撥水スプレーについて
1回にたくさん使うより、こまめに何度も使うほうが効果的。撥水スプレーにはフッ素系やシリコン系があるが、成分を気にするより、撥水性が発揮されるようにシューズ表面をクリーニングしてから使用することが重要だ。
保管方法
不織布などに入れ空気の通る場所に
下駄箱や購入した際の箱に入れて保管しておきたくなるが、多湿な日本ではあまり推奨できず、パーツの加水分解を促進させる原因になってしまうことも。保管時は直射日光を避け、可能なら粗めの不織布の袋や洗濯ネットなどに入れ、埃の付着を防ぎつつ、空気が通りやすい場所に置くなり吊り下げるなりしておきたい。また、空調の風が直接当たる場所だと、乾燥しすぎてランドラバーのひび割れやシューズの変形を引き起こす場合があるので注意を!
教えてくれた人
山の店 デナリ
小島 敦さん
東京・四谷に所在する山岳ガイドやクライマー御用達のプロショップ、山の店デナリのスタッフ。店の中堅的存在で、豊富な商品知識を誇る。
※この記事はPEAKS[2022年4月号 No.149]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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