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小川山でクライミング。ガマスラブでスラブ特訓|水野組! #2

編集部アベが、オールラウンドに山のイロハを山岳ガイド・水野隆信さんに実地で教わる「水野組」。今回はフリークライミングでスラブ壁を登る特訓です。

文◎阿部 静 Text by Shizuka Abe
写真◎水野隆信 Photo by Takanobu Mizuno

私にスラブの登り方を教えてください!

「アベちゃん、フェイスとスラブ、どっちを練習したい?」

フェイスクライミングとは、岩壁表面に目立った凹凸があり、それを手がかりに登ること。対してスラブは手足のスタンスは一見わからない、つるっとした岩壁だ。スラブのほうが体重移動が学びやすいという特性がある。

「スラブでお願いします!」

以前、沢登りの際に足運びが雑であることを指摘され、スラブの練習をしたほうがいいといわれたことが引っかかっていたのだ。とりあえず、スラブの登り方を習得したい!

「オッケー。じゃあガマスラブで練習しよう」

小川山のクライミングエリアにある、スラブ状岩壁のガマスラブ。台風による倒木や地面崩壊後、しばらく利用できなかったことが記憶に新しく、立ち入り禁止のトラロープなどが張られエリアに入ることができなかったが、2019年のルート整備により、その後は利用が可能になった。使用再開になってから、ひさしぶりに訪れたガマスラブ。土砂崩れのあとなどもキレイに片付けられ、岩に取り付くまでの道も整備され、難なく歩くことができた。

まずは足の置き方の違いから。

まずは足の置き方の違いの解説をしてもらう。岩にスタンス(足先をかけられるようなくぼみ)がある場合は、指先で刺してかき込むようにスタンスに乗る「エッジング」が有効だ。これはおもにフェイスクライミングで使われる足の置き方。

対してスラブ状岩壁の場合は目立ったスタンスがないので、「スメアリング」という置き方をする。母指球から足の親指にかけて体重を乗せ、壁面に足をペタッと置く。そうすればクライミングシューズのフリクションが効き、滑ることなくしっかりと乗り込める。

岩の表面をよく見る。

傾斜が立ってくると、こんなつるつるの岩壁に乗れる気がしない。しかし、一見つるっとした岩肌に見えても、よく見ると緩やかに凹凸があり、ところどころに乗りやすいポイントがあるのだという。それを見極め足を置き、じわーっと乗り込む。しかし私にはそれの見分け方がこのときはまだよくわからなかった……(笑)。

水野さんに足の置き方をレクチャーしてもらう。

斜面の、足が置けそうなところに足先をペタッと置く。一歩踏み出すときは徐々に体重移動をし、足先に重心を乗せ換える。水野さんは軽々とやっているが、じつはそう簡単にはいかないことを知ることになる……。

準備して、いざトライ!

水野さんにトップロープを張ってもらい、いざトライ! ハーネスにロープをセットし、クライミングシューズを履いて。アベ、緊張で顔が強ばる。

まずは低いところで練習。始めはそこまで斜面が立っていないのでまだ難しくはない。ところどころアベ的にわかりやすいスタンスもあるのでそれにも頼ってしまう。なので現段階ではスメアリングの練習にはなっていない(笑)。写真はわりとわかりやすいスタンスに乗っているときのようす。

ついにスメアリングを駆使するセクションがやってきた……。

 

中間部分から壁が立ち始め、スタンスもわからなくなり、ついにスメアリングをフルで駆使しなければならないセクションに到達。一歩ずつ慎重に足の置き位置を確認しながら重心移動して足を運んでいく。足に体重を乗せきらないと、ずるっと滑り、めちゃくちゃ怖くなり、次の一歩が出せなくなる。

「足の置く場所がないー! 手もない! もう無理!」

「大丈夫だよ、そこ、足置けるから。置いてみな」

水野さんのその言葉を信じてみる。手でプッシュして上体を支えつつ勇気を出して一歩踏み込み、しっかりと体重を移す。すると……滑らない! の、乗れた!

一回できるようになると自信が持てるようになり、次に乗りやすそうなスタンスがなんとなく見えてくる。

「あそこなら乗れるんじゃないか?」

「うん、そこは乗れるよ。大丈夫」

足を出し、じわじわと体重を移動させる……いけた! どっと安堵。その繰り返しだ。

難所をクリアし、トップへ。

最後は緩やかな斜面になり、安心して登りきる。はー! 登りきった! どっと安堵感。めちゃくちゃ緊張したが、登りきれると、またもう一度挑戦したくなる。その後何度かトライして、ちょっとは上達した、かな?

次回はスラブメインのマルチピッチに挑戦します!

また、10月1日、2日にPEAKSで主催するクライミングイベント「クライムオン!!」の舞台も、ここ小川山。イベント内で開催されるクライミング講習会では水野ガイドに教われる講習もありますよ! そのほかなかなか教わることができない講師陣が大集結。小川山でクライミングに挑戦してみたいという人は、この機会にぜひ体験してみてくださいね~。

イベント詳細はコチラ→https://funq.jp/climb_on_2022

山岳ガイド 水野隆信

日本山岳ガイド協会認定登攀ガイド、山岳ガイドステージⅡ、バックカントリースキーガイドステージⅡ。
楽しく安全を絶対テーマに、オールシーズンの登山、バリエーションクライミング、スキーなどオールラウンドに少人数制でガイドを行なう。

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PROFILE

阿部静

PEAKS / 編集・ライター

阿部静

たっぷり歩くテント泊の縦走登山や雪山登山、クライミング、アイスクライミング、沢登り、テンカラ、バックカントリースキーなど、なんでもやりたい人。ライフワークは魚突きと山の湯探訪、狩猟採集にまつわる取材。

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