BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

【前編】最新テントの細部にせまる!各ブランドから聞いたこだわりのポイントとは?

山岳テントには、快適な室内空間と優れた耐候性を保ちながら、軽量化を果たしたいという相反する要望が集約されている。こうした難題に応えるために、つね日頃からデザイナーたちは素材や構造などに工夫を凝らし、製品開発を進めている。そこで2021年におけるラインナップの事情を、テントメーカー各社の開発者や広報担当者に聞いた。

編集◉PEAKS 文◉村石太郎 写真◉後藤武久

シームテープ処理を施したグリーンモデルと別仕様のグレーモデル

MSR/ハバハバNX(グレーモデル)

¥68,200 / 最小重量:1,600g / 収容人数:2人

MSRでは、居住性を無視してテントを設計することはありません。レインフライの出入口を赤く配色することで、ひと目でどこが前室かわかるようになっており、悪天候下でも出入口を見分けることができるのも特徴です。レイン フライには標準的な処理と比較して約3倍長持ちするコーティング技術「エクストリームシールド」を採用しました。さらに縫製をより正確にすることでシームテープをなくし、経年劣化による剥離などのトラブルも解消することに成功しています。(モチヅキ/西脇)

▲漏水を防ぐためのシームテープを不要としたコーティング採用のレインフライ。正確な縫製によって耐水性を高めている

▲米イーストン社と共同開発した「サイクロンポール」を採用。反発力が高く、力が加わっても、もとの形を保ち破損などのトラブルを大幅に低減する

テント内外の設計を試行錯誤して便利な新機能を追加

ビッグアグネス/ コッパースプールHV UL2

¥69,300 / 最小重量:1,220g / 収容人数:2 人

ベストセラーモデルが、より軽く、より強く、より簡単に設営できるようになりました。モデル名の「HV」とはハイボリュームを意味していて、自立式テントとして十分な居住空間を生み出すことに努めています。オーニングスタ イルの前室構造によって、張り出したタープのように使用することも可能です。(ケンコー社/近藤)

▲新しく取り入れた「ティップロックテントバックル」は、設営時に差し込んだポールが抜けてしまうのを防ぐなど、使い勝手を第一に考えた部材だ

▲DAC社が開発したハブユニットを採用することで、軽量化と耐候性の融合を果たしたフレームシステムを採用

頭上の圧迫感が少なく、ふたり並んで座っても肩まわりに余裕あり

シートゥサミット/アルトTR2プラス

¥58,300 / 最小重量:1,274g / 収容人数:2 人

ポールメーカーのDAC社と共同開発して、テント設計をイチから見直したシリーズです。改善要素を徹底的に研究し、圧迫感の少ない居住空間と結露を抑制。多彩な設営オプションをテーマとして仕上げました。レインフライとフロア生地には、加水分解による劣化を軽減するPeU(ポリエーテルウレタン)防水コーティングを採用して、高温多湿な日本の気候でも安心して使えるようになって います。また、ベンチレーションは熱気の上昇を考慮すると最上部に設けるのが最適ですが、これを実現したのがV字のサブポールです。フライ下部に設けたベンチレーションと併せて大きな空気の流れを生み、室温上昇と結露を抑制します。(ロストアロー/萩原)

▲レインフライの固定や調節を行なうバックルは新開発の「クイックコネクトテントフィー ト」。破損の心配が少ないアルミ合金製となっている。

▲斜め上向きにサイドポールを設置することで、より広く、高い天井スペースを生み出す「テンションリッジ」構造を実装

過酷な山岳環境に対応可能なテントとして設計

ファイントラック/ カミナドーム1

¥60,500 / 最小重量:1,130g / 収容人数:1人

▲天頂部と底部で異なる直径のポールを使い分けることで、壁面が高い角度で立ち上がり、広い室内空間を実現

ファイントラック/ カミナモノポール2

¥53,900 最小重量:870g / 収容人数:2人

シングルウォールテントでありながら、ブーツや調理道具などを広げることができる実用的な前室を備えている

これまで蓄積してきたノウハウと日本の繊維技術を組み合わせ、軽さも、居住性も、耐風性もあきらめない、厳冬期を含めた山岳エリアに対応するテントが「カミナドーム」。です。一方「カミナモノポール」は1㎏を大きく下まわ る超軽量テントのなかではもっとも耐候性に優れ、過酷な山岳環境でも十分使えるものを作ろうと開発を始めました。いずれも超高強力なイザナステープを採用していますが、カミナモノポールではポールに代わる構造材としても活用し、1本のポールを斜めに配置して効果的に空間を広げることで十分な居住性を確保しています。(ファイントラック/大堀)

▲超高強力なイザナステープを縫い込むことでテントの剛性を大きく向上させた

日本の気象条件を考慮したブリーザブルナイロン採用の日本仕様モデル

ニーモ/ホーネットストーム1P

¥48,400 / 最小重量:760g / 収容人数:1 人

ダブルウォールテントでありながら本体重量が1㎏を切る軽さで、インナーテントとレインフライをガイラインで繋げると内部空間が広がり、高い居住性と快適性を保つようデザインしました。寒暖差の大きな春と秋、湿度の高い夏という日本の気象条件を考慮した特別仕様として、インナーテントにはブリーザブルナイロンを採用。これにより風や冷気の侵入を防ぎ、さらにフロアの足元側には支柱を設けることで、寝袋がテント内の結露に触れて濡れるのを軽減します。(イワタニ・プリムス/中野)

▲レインフライは短めに設計されているが、防水処理を施したフロア生地を大きく立ち上げることで、降雨時も水が浸水しにくくなっている

▲独自設計の「フライバ−ボリューマイ ジングポールクリップ」が頭上の空間を広げ、室内で長時間すごす際の圧迫感を軽減する

チタン製品が得意なブランドは付属ペグもチタン製!

バーゴ/ノーフライ2P

¥86,900 / 最小重量:1,196g / 収容人数:2 人

最大のこだわりはモデル名のとおり“レインフライを必要としない”前室を設けたことです。軽量化のためテントポールを通すスリーブが本体に存在せず、本体外側から内側に通してグロメットとベルクロを留めるだけで立ち上がり ます。行動後の疲れているときには大きなアドバンテージになるで しょう。(ケンコー社/大山)

▲テントポールはテントの内部中央を通す設計

▲前室部だけではなく、テント側面にも庇が大きく張り出してベンチレーションも備わる

1本の糸から生地を織ったモノフィラメントを採用

ゼログラム/エルチャルテンPro 2P

¥74,800 / 最小重量:1,540g / 収容人数:2 人

レインフライとインナーテント、フットプリントが一体化されており、約3分で張れます。インナーテントに採用するモノフィラメン トはただのメッシュ生地のようですが、撥水性と強度に優れた軽量素材です。通気性も保ちながら、レインフライの内側で結露しても室内に落ちてくることはほとんどありません。(ゼログラム/藤田)

▲レインフライと本体はトグルで接続しており、雨天時は本体を濡らさずに撤収可能

▲軽量で耐久性に優れたDAC社製8.5㎜径NSLポールを採用し、ポールをハブユニットにすることで素早く、だれでも簡単に設営できる

結露と前室問題というシングルウォールテントの不満を解消

ライトウェーブ/シグマS10

¥75,900 / 最小重量:970g / 収容人数:1 人

シングルウォールテントに多い結露対策の要望に対して、解決を見出したモデルです。出入り口面は前室を設けたダブルウォールにし、インナーパネルは通気を促すメッシュ素材として結露の発生を軽減。フロアも耐水圧10,000㎜ を達成し、豪雨時も雨水に悩まされることがないつくりです。(スタティックブルーム/田中)

▲本体に採用する防水透湿素材「X-tex」は、ポリウレタンコーティングに施した活性炭処理が結露を吸収してテント外へと排出してくれる

▲もっとも漏水しやすいコーナー部は、前室の生地を縫い込まずに処理することで簡素な縫製と防水性を高めることに成功した

 

【後編】最新テントの細部にせまる!各ブランドから聞いたこだわりのポイントとは?

【後編】最新テントの細部にせまる!各ブランドから聞いたこだわりのポイントとは?

2023年02月25日

 

※この記事はPEAKS[2021年6月号 No.139]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

Info

SHARE

PROFILE

PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

No more pages to load