大地と身体の接点になる、最重要装備【トレッキングシューズ編】|MOUNTAIN GEAR COLLECTION 2024
PEAKS 編集部
- 2024年04月26日
INDEX
現在の登山シューズはカテゴライズが細分化される一方で、それらの特徴が曖昧になり、境目が薄れていくというおもしろい状況になりつつある。そんな分類しにくくなっている登山シューズをひとまず大別すれば、おおむね4タイプになる。
詳しくは各タイプの説明文に任せるが、雪山を含まない無雪期の一般登山の基本となるのは、トレッキングシューズだ。そしてトレッキングシューズよりも全体的に硬く頑丈に作られ、岩稜帯に強いのがライトアルパインシューズで、それよりももう少し軽くて柔らかく、ミッドおよびローカット中心なのがアプローチシューズである。このアプローチシューズはライトアルパインシューズとトレッキングシューズの中間的な位置づけだ。
それらに対し、格段に柔らかで軽いのがトレイルランニングシューズ。山歩きに使うことを考えれば、スピーディに歩くためのスピードハイク向けのシューズとの区別は気にしなくてよい。
編集◉PEAKS編集部
文◉高橋庄太郎
写真◉後藤武久
トレッキングシューズ/TREKKING SHOES
登山用シューズのなかで、アッパーとアウトソールがほどほどに硬く、ミッドソールに柔らかなクッション性を持たせているのが、トレッキングシューズだ。柔軟で屈曲性も高いことから“歩く”という意味では低山から高山まで汎用性が高く、それほど急峻でなければ岩場でも使える。初心者がはじめに手に入れるべきは、このタイプだ。
スカルパ/ゾディアックトレックLT GTX
足の保護力が高いパリッと硬めのアッパー。
アウトソール各部の凹凸がそれぞれ独立してミッドソールを押し上げ、歩行力を安定させる“BASシステム”を採用。つま先にはクライミングゾーンがあり、ライトアルパインシューズ寄りの設計だ。
- ¥42,350
- サイズ:EU37 ~ 48(23.0 ~ 32.0cm)
- 重量:620g(片足/EU42)
- (問)ロストアロー
ザンバラン/サラテトレックGT
柔らかなアッパーで極上のフィット感。
薄手のスウェードを中心に伸縮性素材を部分的に組み合わせることで屈曲性を高め、足なじみのよさは特筆すべきもの。シューレースはアプローチシューズのようにつま先付近まで配置され、足全体をしっかりと包み込む。
- ¥39,600
- サイズ:EU38 ~ 47(約24.0 ~ 29.0cm)
- 重量:480g(片足/EU42cm)
- (問)キャラバン
ローバー/バルドGT
足幅が広い人に向け、ワイドラストもあり。
丈夫な造りで重厚そうなルックスだが、アッパー、アウトソールともに見た目よりも柔軟で、低山ハイクなどに向く。歩行中のタンのズレを防ぐ“Xレーシングシステム”は同社ならではの工夫だ。
- ¥37,400
- サイズ:UK6.0 ~ 10.0(24.7 ~ 28.1cm)
- 重量:680g(片足/UK8.0cm)
- (問)イワタニ・プリムス
キーン/ターギーⅣミッド ウォータープルーフ
安心して歩ける足首のホールド感。
人気のターギーシリーズの最新版は、既存モデル以上に登山向けだ。屈曲性は保ちつつも表面は少し硬いアウトソールはグリップ力が十分で、かかと部分には厚みがあって衝撃吸収性に優れている。アッパーも丈夫だ。
- ¥24,200
- サイズ:25.0 ~ 29.0、30.0、31.0cm
- 重量:580g(片足/27.0cm)
- (問)キーン・ジャパン
- ※ウィメンズモデル/サイズあり
ゼロシューズ/リッジウェイ
登山靴らしからぬかわいいデザイン。
内側に防水透湿素材のゼロテックスを使って機能性はしっかり維持しつつも、そのルックスはオールドタイプのスニーカー的。つま先からかかとまでの高さが変わらないゼロドロップのシューズだ。
- ¥20,350
- サイズ:US6.5 ~ 11.0(24.5 ~ 29.0cm)
- 重量:368.6g(片足/27.0cm)
- (問)ケンコー社
- ※ウィメンズモデル/サイズあり
キャラバン/C1_DL LOW
軽やかに歩けるローカットの軽量モデル。
熱溶着されたアッパーは薄手でも丈夫で、アウトソールは機能を落とさない程度まで肉抜きされ、非常に軽量にできている。足裏には歩行時の安定性をアップするプレートが入り、しっかりとした歩き心地だ。
- ¥16,830
- サイズ:23.0 ~ 29.0,30.0cm
- 重量:390g(片足/26.0cm)
- (問)キャラバン
ホカ/アナカパ 2 ミッド GTX
柔らかに足を包み、フィット感もよし。
一般的トレッキングシューズに比べ、アウトソールの幅はかなり広め。接地面積が増えるためにスリップしにくいのがメリットだ。かかとを中心にミッドソールは分厚く、衝撃を緩和する力も強い。
- ¥33,000
- サイズ:25.0 ~ 29.0、30.0cm
- 重量:510(片足/28.0cm)
- (問)デッカーズジャパン
(右)スポルティバ/エクイリビウムトレック GTX
人気シリーズの〝トレック〞バージョン。
アウトソールの最後端に角度をつけ、衝撃吸収性とブレーキ力を高めた“ダブルヒール”構造。ハイカットでレザーのアッパーは歩行中の体のバランスを取りやすく、長距離・長時間歩いても疲れが少ない。
- ¥51,700
- サイズ:EU37 ~ 47(23.1 ~ 29.7cm)
- 重量:540g(片足/EU42)
- (問)日本用品
- ※ウィメンズモデル/サイズあり
(左)ダハシュタイン/SFトレックMC WP
ホールド感が高いニット素材の足首周り。
土踏まず部分を大胆にくびれさせたアウトソールは屈曲性に優れ、四方へのスリップを抑えるパターン。足首を覆うストレッチ性のアッパーはソックスのようなデザインで異物の侵入を防ぎ、足首に負担もかけない。
- ¥26,400
- サイズ:UK7.5 ~ 9.5(26.0 ~ 28.0cm)
- 重量:476g(片足/27.0cm)
- (問)ルフタスポーツウェアジャパン
- ※ウィメンズモデル/サイズあり
トポアスレチック/トラバーズ
森のなかに溶け込む雰囲気の良いグリーン。
つま先部分の面積を広げたアウトソールで前方へ蹴り出した際の力を無駄にせず、すばやく行動できる。一般登山に加え、トレイルランニングにも適したモデルだ。細かな目のアッパーは耐久性と通気性に優れ、蒸れにくい。
- ¥24,750
- サイズ:US7.5 ~ 11.0(25.5 ~ 29.0㎝)
- 重量:301g(片足/US9cm)
- (問)アルコインターナショナル
- ※ウィメンズモデル/サイズあり
ゼログラム/カセル Z ミッド
アジア人に合わせた足型に合わせた設計。
シューレースを両サイドの下部まで配置することで全体を引き絞り、効果的にフィット感を強める構造。マウンテンバイクのタイヤからインスピレーションを受けたというアウトソールは前後左右への滑りを抑える。
- ¥31,900
- サイズ:24.0 ~ 28.0cm
- 重量:531g(片足/27.0cm)
- (問)ゼログラム
アルトラ/オリンパス 5 ハイク ミッド ゴアテックス
足指を広げて履けるゆとりあるデザイン。
人気モデルのオリンパスにゴアテックスを加えた防水タイプ。ミッドカットで丈夫なレザーのアッパーは強度が高く、シューズ内部で足のズレを防ぐ効果も高い。ゼロドロップのシューズで、素足感覚で歩ける。
- ¥33,000
- サイズ:US7.0 ~ 13.0(25.0 ~ 31.0cm)
- 重量:528g(片足/US10.5)
- (問)ロータス
- ※ウィメンズモデル/サイズあり
(右)モンベル/マウンテンクルーザー400ウィズ ゲーター
ゲイターをプラスし、小石などの侵入を防止。
内部のシューズはシューレースの代わりにコードを使うタイプで、ゴアテックスで完全防水。その上を覆う伸縮性のゲイターには防滴性があるのでさらに水濡れに強く、異物が入り込むのも防いでいる。
- ¥25,300
- サイズ:24.0 ~ 29.0cm
- 重量:526g(片足/25.5cm)
- (問)モンベル
- ※ウィメンズモデル/サイズあり
(左)シリオ/PF46-4
柔らかなタンで足へのなじみもよい。
耐久性に富むアラミド繊維をアッパーに使い、強力な撥水性もプラス。アッパーのダークグレーのパーツは補強とフィット感の向上に寄与し、シューズ内部で足のブレを抑える。足首にはパッドを内蔵し、怪我を防ぐ。
- ¥27,500
- サイズ:22.5 ~ 29.0cm
- 重量:約600g(片足/26.0cm)
- (問)シリオ
CRV/フリートレックハイ
自然に溶け込むかのようなシブいカラーリング。
ヴィブラムメガグリップを採用したアウトソールはとても滑りにくく、濡れた地面でも安心。このアウトソールは厚みをかなり抑えてあり、アッパーのメッシュ素材も軽量なため、ハイカットでも片足500gを切る。
- ¥26,400
- サイズ:23.0 ~ 28.0、29.0、30.0cm
- 重量:468g(片足/26.0cm)
- (問)キャラバン
バスク/ブリーズ
スリムな形状で足さばきもしやすい。
レザーと化繊を組み合わせたアッパーは比較的薄手で、パッドなどのクッション性素材も控えめ。そのためにタイトなシルエットを実現し、軽やかに行動できる。オリジナル素材のVasqueDryで防水性もアップしている。
- ¥28,050
- サイズ:US7.0 ~ 10.0(25.0 ~ 28.0cm)
- 重量:560g(片足/US9)
- (問)エイアンドエフ
- ※ウィメンズモデル/サイズあり
サロモン/X ウルトラ 360 GORE-TEX
地面の乾湿を問わず滑りにくいアウトソール。
シューレース代わりに極細のコードを使い、フィット感の調整はスピーディ。内部のシャーシは左右から足を押さえつけて体のブレを少なくして、安定性を確保する。アウトソールは滑りが少ないコンタグリップだ。
- ¥18,700
- サイズ:25.0 ~ 28.5cm
- 重量:372g(片足/27.0cm)
- (問)サロモン
- ※ウィメンズモデル/サイズあり
※この記事はPEAKS[2024年5月号 No.165]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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編集◉PEAKS編集部
文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉後藤武久 Photo by Takehisa Goto
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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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