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【テント編】軽量性を重視するか? それとも安全性を考慮するか?【前編8選】|MOUNTAIN GEAR COLLECTION 2024

近年は1人用で重量1㎏を切る超軽量テントがいくつも登場し、もはやめずらしくなくなりつつある。荷物を背負う際の負担が軽くなることを考えれば人気が出るのは当然だが、テントを超軽量にするためにはやはりなにかが犠牲になっている。

それは第一に宿泊時の安全性だ。超軽量テントは使われる生地が薄かったり、各パーツが華奢だったりして、従来のテントに比べると強い風雨には対応しきれないものが多いからである。
反対に、生地が厚く、各パーツが頑丈なテントは少々重くなり、歩行中は体力を消耗する原因となる。だが悪天候に強く、宿泊時の安全性は高い。

悪天になりそうな日はテント泊をしないという人には、超軽量テントがいいだろう。しかしどんな天気でもテント泊をしたいという人には、耐候性が高く、いつでも安心して使えるテントがおすすめだ。結局は使う人それぞれの登山スタイルに合わせ、適したテントを選べばいいのである。

編集◉PEAKS編集部
文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉後藤武久 Photo by Takehisa Goto

【テント編】軽量性を重視するか? それとも安全性を考慮するか?【後編9選】|MOUNTAIN GEAR COLLECTION 2024

【テント編】軽量性を重視するか? それとも安全性を考慮するか?【後編9選】|MOUNTAIN GEAR COLLECTION 2024

2024年05月02日

①ゼログラム/エルチャルテン1Pゼロボーン

インナーの特殊な生地で結露しても濡れない。

外側に配したポールにフライシートのフックをかけて立体化。すばやく設営できる。インナーのメッシュのような素材はモノフィラメント。撥水性が抜群に高く、フライの内側で結露した水分を弾き飛ばす。発売は5月で、実際のインナーのカラーはフライと同系色だ。

  • ¥84,700
  • 最小重量:1,150g
  • 内部の広さ:210×80cm、高さ96cm
  • 収容人数:1人
  • (問)ゼログラム

商品の詳細はこちら

▲1人用ではほとんど見られ ない、出入り口が2つとい う仕様。風が通りやすく、 暑い時期は涼しく使える
▲最上部から短いポールでテ ントを左右から吊るす構造 のため、天井が横に広がり、 内部スペースを広くする

②テラノヴァ/ソーラーフォトン2サンド

極薄の生地と極細のポールで、超軽量。

組み立てるとY字型になるポールで、出入り口が高く、奥は低くなる構造。出入り口付近ならば、胡坐をかいて座っても頭が天井につかない。驚くべきは、2人用で814gという超軽量性。使用生地は極薄になるが、フライシートが横に張り出す形状なので強風を受け流しやすい。

  • ¥86,900
  • 最小重量:814g
  • 内部の広さ:214×126cm、高さ90cm
  • 収容人数:2人
  • (問)ケンコー社

商品の詳細はこちら

▲テントの後ろに は開閉できるベ ンチレーター。 出入り口と連動 してテント内の 空気を換気する

③アラタ/AX-75

日本の山岳テント界に加わった新ブランド。

一見では、いかにも日本的な山岳テントに感じられるが、テントの奥にもファスナーがついていてテント裏のフライの下を荷物置き場として使えたり、内部にガイラインが張られていたりと、おもしろい工夫がいっぱい。それでいて900gを切る重量にも驚かされる。

  • ¥44,990
  • 最小重量:870g
  • 内部の広さ:200×75cm、高さ92.5cm
  • 収容人数:1人
  • (問)アラタ
▲内部にX型のガイライン。左右のポールを引っ張りあい、強風時もテントが過度にたわまない

④ヒルバーグ/エナン

強風にも負けない、横長の筒形。

中央を横断する長いポール1本と両末端の短いポール2本で、1人用の内部空間と広い前室が完成。一般的なテントのフライシートは防水コーティングの経年劣化が避けられないが、このテントのフライの素材はコーティングなしで防水される。だから、いつまでも使える。

  • ¥138,600
  • 最小重量:970g
  • 内部の広さ:215×95cm、高さ93cm
  • 収容人数:1人
  • (問)エイアンドエフ

商品の詳細はこちら

▲両末端は通気性 が高いメッシュ 素材。フライシ ートのパネルを 降ろせば、雨が 吹き込まない

⑤ライペン/SLソロ

定番と似ていても、重量は大幅ダウン。

同社の人気テントであるトレックライズ1に似た形状だが、内部スペースの幅と奥行きを少し抑えたうえで薄手の生地と細いポールを使い、なんとそれよりも500g以上も軽い900gに。傷みやすいボトムには付属のアンダーシートを併せるといいが、重量は150g加算する。

  • ¥63,800
  • 最小重量:900g
  • 内部の広さ:205×90cm、高さ95cm
  • 収容人数:1人
  • (問)アライテント

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▲出入り口は少し 右に寄っている。 上にフライシー トを張っても出 入りの邪魔にな りにくい位置だ

⑥MSR/ティンハイム2

居住性が高く、ベースキャンプに適する。

2本のポールを平行に渡し、テントの壁を立ち上げたトンネル型。この形状は天井があまり狭まらないために内部スペースが広く、余裕をもって使える。2人用としては少々重めだが、その分だけ頑丈でもあり、山中の拠点として連泊しても快適にすごせそうだ。

  • ¥82,500
  • 最小重量:2,480g
  • 内部の広さ:240×140cm、高さ101cm
  • 収容人数:2人
  • (問)モチヅキ

商品の詳細はこちら

▲テントの奥にベ ンチレーター。 フライシートの ベンチレーター の位置と重なり、 涼風を取り込む

⑦ニーモ/タニオズモ1P

濡れても機能低下が少ない特殊生地。

アメリカブランドだが、「タニ」という和風の名称通り、風雨が強い日本の山岳環境に適したデザイン。雨に濡れても生地が伸びにくく、強い張りで水を弾く“オズモファズリック”の採用が大きな特徴だ。テントの前後のベンチレーターは大きく、換気性も十分である。

  • ¥72,600
  • 最小重量:1,120g
  • 内部の広さ:202×105cm、高さ103cm
  • 収容人数:1人
  • (問)イワタニ・プリムス

商品の詳細はこちら

▲薄手でも格子状 のリップストッ プで引き裂き強 度が高いオズモ ファブリック

⑧ブラックダイヤモンド/メガライト4P、メガバグ4P

アウターだけでも、組み合わせても。

4人サイズの1ポールタイプ。専用ポールは付属しているが、トレッキングポールなどでも設営できるため、最小重量には含まれていない。アウターテントのみでタープ的に使うことも、メッシュのインナーテントを合わせ、ダブルウォールテントとしても利用できる。

  • ¥52,360、¥45,760
  • 最小重量:800g(メガライト)、1,200g(メガバグ)
  • 内部の広さ:270×270cm、高さ165cm(メガライト)、246×246cm、高さ165cm(メガバグ)
  • 収容人数:4人
  • (問)ロストアロー

商品の詳細はこちら(メガライト)

商品の詳細はこちら(メガバグ)

▲インナーのみの 状態。天気がよ ければ、これだ けを蚊帳として 使って一夜をす ごしてもいい

 

【テント編】軽量性を重視するか? それとも安全性を考慮するか?【後編9選】|MOUNTAIN GEAR COLLECTION 2024

【テント編】軽量性を重視するか? それとも安全性を考慮するか?【後編9選】|MOUNTAIN GEAR COLLECTION 2024

2024年05月02日

※この記事はPEAKS[2024年5月号 No.165]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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