高知県嶺北エリアでアウトドア! Vo.2 コケと巨木に会える秘境、八反奈路へ
ランドネ 編集部
- 2019年03月29日
高知県北部の「嶺北地域」は、土佐町・本山町・大豊町・大川村という4つの町村からなるエリアで、石鎚山系の山々や吉野川、早明浦ダムといった豊かな自然に恵まれています。3月上旬、好奇心旺盛でアウトドアが大好きな2人、フラワーサイクリストの河島春佳とライター松元麻希が嶺北エリアを旅した模様を、4回にわたってお届けします!
モンベル・アウトドア・チャレンジ本山「白髪山 八反奈路トレッキング」に参加
山々が連なる嶺北エリアには、手つかずの自然が残されているエリアもあり、トレッキングを楽しむことができます。いくつかあるフィールドのうち、今回訪れたのは本山町にある白髪山。標高1,470mの山で、頂上周辺に白骨林と呼ばれる立ち枯れのヒノキが群生しています。
白髪山には植林された針葉樹が多いのですが、台地状になっている「八反奈路」というエリアには、天然のブナやヒノキが巨大な姿のままで残っているとのこと。今回は、その八反奈路へのツアーを実施しているモンベルの「M.O.C.(モンベルアウトドアチャレンジ)」に参加し、幻のブナ&ヒノキに会いに行ってきました。
私たちを八反奈路まで案内してくれたのは、M.O.C.インストラクターの松本仰さん。細くて急峻な林道を松本さんの巧みな運転で登っていき、登山口に到着。石鎚山系の山々の連なりを眺めたあと、天然の巨木があるとはとても思えない、針葉樹が生い茂る白髪山の姿を確認してから出発しました。
植林の森から一転、コケ巨木の楽園が出現
私たちが白髪山へ訪れた日は幸運にも天気がよく、柔らかなこもれびを浴びながら、快適な登山を楽しむことができました。登り始めてしばらくは、杉の木立のなかを進みます。木々の間からときおり見える遠くの山々の景色を楽しみながら標高を上げること約1時間。道沿いに、八反奈路の方向を示す看板が現れました。
細い尾根道から曲がると、そこには別世界が広がっていました。
尾根の谷間にある八反奈路は台地状の地形になっていて、広々とした空間に大きなブナの木が立ち並び、その下にはコケが一面を覆っています。斜度がなく運搬が困難なため、伐採には適さない場所だったという八反奈路。その後、保たれている貴重な生態系に価値を見出され、2016年、県の天然記念物に指定されました。
「こんなにコケがびっしり生えた道を歩いたことない!」
八反奈路エリアに踏み入れた瞬間、興奮を隠しきれないふたり。とはいえ、地元の人々によって大切に守られてきた自然を壊さないよう、足の置き場に細心の注意を払いながら、松本さんに続いて奥へと進んでいきました。
迫力のある巨大ヒノキに圧倒される
ブナとコケの森を進んでしばらくすると、「四天王」と書かれた看板とともに4本の巨大なヒノキが並んでいる空間に到着しました。推定樹齢300~600年、樹高32~43mある巨木の圧倒的な存在感に大感動。この巨木群は「根下がりヒノキ」と呼ばれていて、根元に人が通れるほどの大きな空洞があります。これは、ヒノキが倒木の上から根を下ろし、その倒木が朽ちてできてしまったものだそうです。
巨木のひとつひとつに付けられたユニークな名前を読み上げながら根っこのトンネルをくぐったり、何百年後かに大きな根下りヒノキになるかもしれない小さなヒノキを見つけたりしながら、巨木の森歩きをたっぷり楽しみ下山しました。
下山後は、松本さんに案内していただき、2019年夏オープン予定のモンベル監修のアウトドア拠点施設「アウトドアヴィレッジもとやま」の見学へ。この施設の最大の特徴は、宿泊と日帰り入浴が利用できるということ。ビジターセンターやモンベルストア、レストランも併設する複合施設として営業される予定です。今回のような山歩きや吉野川での水遊びなどを目的に嶺北エリアを訪れる人にとって、きっと利用価値の高い施設になるはずです。
進化を続ける嶺北エリア。四国を代表するアウトドアフィールドとして、今後さらに注目が集まることは間違いありません。
文◎松元麻希
写真◎樋口勇一郎
モデル◎河島春佳(funfunflower)
衣装協力◎モンベル
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ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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