星空ソムリエに聞く「星空の見方」#１｜満点に光る星たちに会いにいこう

２カ月に１回、開催している「ランドネ山大学ONLINE」。山岳気象やテント泊など、詳しく学びたい山の知識やハウツウを講師の方々にオンラインで教えてもらう配信イベントです。

次回は１月26日（水）の開催が決定！絶景フォトグラファーであり、星空ソムリエの資格をもつ猪俣慎吾さんに「星空の見方」について教えていただきます。ここでは、そのテキストブックとなる記事を全４回でお届けします。

ランドネ山大学ONLINE
動画一覧

すてきな夜空に出会う
「星空の見方」

山小屋泊や、テント泊、キャンプ自然のなかですごす、夜空を見上げると満点に光る星たち。すてきな夜空に出会うため、星空の見方について、絶景フォトグラファーであり、星空ソムリエの資格をもつ猪俣慎吾さんに教えてもらいました！

満点の星空に会いにいきませんか？

「星っていつでも見られると思っていませんか？ひとつふたつであれば都内でも星を見られますが、“満点の星空”と出会うのはむずかしいんです！」と猪俣さん。

言われてみると、じっさいに満点の星空を見た回数はそんなにないかも？そもそも“満天”ってどれほどの数なのでしょうか。

「僕たちが住んでいる地球は銀河系にあって、銀河系には約2000億個の星があるといわれています。すごい数ですよね！でもふだん僕たちが見ている星は数えるほどではありませんか？じゃあ、多くの星がどこにあるのかというと、見えていないだけなんです」。

原因はいろいろあるけれど、ほかのものが“明るい”というのがいちばんの理由だそう。

「星の光は何万光年もの時間をかけて地球に届いていて、それをいま僕たちがいま見ている状態。その光よりも明るい光が近くにあると、星の光が届かないので、星が見えない。ほかの光が強ければ強いほど、どんどん星は見えなくなるんです」

このようにたくさんの星が見える条件をチェックしていけば、感動する星空を見られるはずです。

星空の下で聞きたいお話

宇宙人とは手紙で気持ちを伝え合うのかも……

「光が一年に進む距離を１光年と表しています。僕らが肉眼で見ている星はだいたい500 光年から1000 光年までの範囲。これが近所なんです。光は地球上でもっとも速い速度で移動するのですが、そうなると宇宙人がいたとしても、メールでやりとりはできません。そこで光よりも理論的に早く移動できるワープ航法なら宇宙人に会えるのでは？と考える人がいるんです。そうなるとラインとかメールじゃなくて、ワープ航法を使った郵便が通信手段になるかもしれないんです。いまはアナログと言われている手紙が最先端に変わるのかもしれません。」

“天の川”は僕にとって特別なんです

「高校時代はスキー部でした。夏は立山まで行って、板を担いで山を登って滑って……と練習をしていました。今思うとあんなキツイことをよくやっていたなって（笑）。ある夏、ミーティング後に先生が“上を見てごらん”って言ったので上を見たら、天の川がものすごくキレイに輝いていたんです！！」

その感動が忘れられず多くの人にその感動を伝えたくて、移動できるプラネタリウム専用テントの開発。現在はイベントや教育機関でプラネタリウム体験を提供している。

「本物かと思った！って言われるんですけどね。少しでも星空に興味をもってもらって、じっさいの天の川を見に行ってほしい！って思ってやっているんです」。

教えてくれたのは

絶景フォトグラファー
猪俣慎吾さん

星空ソムリエ（正会員）の資格をもち、プラネタリウム専用テントを開発。アウトドアを通じて星の魅力を伝えるフォトグラファー。息子とキャンプも楽しむ

１月26日（水）20:00〜
「ランドネ山大学ONLINE ～星空の見方～」を開催！

１月26日（水）20:00〜、「ランドネ山大学ONLINE 〜星空の見方〜」を開催します。

［雑誌］ランドネ 2022年３月号 No.122のP72～、または本記事を含む全４回のテキストブックを見ながらYouTube配信をご覧ください！

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