津波警報がスグに出るとは限らない?地震が発生したら即避難が重要|#知り続ける
ランドネ 編集部
- 2022年02月27日
自然災害にはそれぞれ異なる特性があります。原因が同じ災害であっても、規模や被災環境によって被害状況が変わってきます。各災害の特性を理解することは、より的確な準備と対応策への道標となります。今回の記事では「津波」の発生メカニズムと内在するリスクを解説していきます。
警報が出るとは限らない
津波の発生源は、いうまでもなく地震です。海底下で大きな地震が発生すると、断層運動によって海底面が隆起あるいは沈降します。この隆起・沈降に伴い、海面変動が起こり、大きな波を作り出します。この波は発生した場所から四方八方余すところなく伝播していきます。これが津波です。
津波は水深が深いほど速く伝わるという性質をもち、たとえば水深5000mでは時速800kmにもなることがあります。水深が浅くなるほど速度は遅くなりますが、陸地に近づくにつれて後ろから来る波が前の波に重なることもあり、波高は高くなっていきます。
俗に「津波の前には潮が引く」といいますが、断層の傾きや方向、発生場所と海岸との位置関係によって、潮が引くことなく大きな波が押し寄せる場合もあります。また、寄せ波よりも引き波のほうがはるかに大きなパワーをもっています。海の近辺で地震が発生したら即避難、これが肝要です。
津波の発生と伝播の仕組み
地震発生場所を中心に波は周囲に伝播。水深が浅くなるにつれ速度は遅くなるが、波高は高くなる。複数の波が重なることで、著しく高い波が発生することもあり、第一波が最大とは限らないので要注意。
津波と波浪は波長が異なる
波浪は海面付近の現象で、海域で吹く風によって生じる。波長(波の山から山、または谷から谷)は数m~数百m程度。一方、津波は海底から海面までの海水全体が押し寄せるもので、波長は数km~数百kmにもなる。
地形の違いで波の高さが変わる
波高は海岸線の地形によっても変化する。岬の先端やV字型の湾の奥などといった地形では、1カ所に波が集中し高波が発生する。
※この記事はランドネ特別編集 アウトドアで防災BOOKからの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。最新情報は気象庁HP、内閣府HP(防災情報)などをご確認ください
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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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