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【いつか泊まりたい山小屋#13 奥秩父・富士見平小屋】素朴さのなかに独自の世界観が宿る

「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。13軒目は、奥秩父の瑞牆山と金峰山への拠点となる、富士見平小屋をピックアップ。

デザインへのこだわりが垣間見られる山小屋

▲山小屋の天井からは、昔ながらのランプやステンドグラス製のシェードのランプが吊り下げられていて、どこか懐かしさが漂う。

奥秩父山域の西端にそびえる瑞牆山のふもとにある、森に囲まれた山小屋、富士見平小屋。道の脇にゴロっと転がる石を横目に、なだらかな樹林帯を50分ほど歩くと、たどり着くことができる。名前のとおり、山小屋には木々のあいだから富士山を眺められるビュースポットも。瑞牆山や金峰山へのベースとして、宿泊者だけでなく立ち寄りで利用する登山者も多い。

外観は素朴な造りだが、中へ入ると、ランプをはじめ室内の細かな設えにデザインが施されている。コロナ禍以降の取り組みとして、グランピングテント泊が導入されているのもユニークだ。ミャンマーでの貿易の仕事など異色の経歴をもつ小屋番、相川竜比古さんのセンスが、山小屋の空間づくりに活きていることは間違いない。

▲左)清潔感のある大広間。花や蝶々の形をしたシェードのランプが室内を優しく照らす。右)2段ベッド式の個室。部屋ごとに意匠の異なる鏡や小物置きが設置されている。
▲テント場の一角にあるグランピングテント。1 泊2 食付きで20,000円(2名から宿泊可能)。食事は山小屋でいただけるので、山のテント泊初心者におすすめ。
▲料理人、料理ライター、貿易関係、エンジニアなど多様な職を経て山小屋を継いだという、8代目小屋番の相川竜比古さん(写真左)。奥さまとの共通の趣味は音楽だそう。

小屋番夫妻が腕を奮う山小屋グルメにご注目

▲夕食のメインは、鹿とイノシシのソーセージ。チョリソーや実山椒入りなどもあり、さまざまな味覚を楽しめる。ほかきのこたっぷりの味噌汁やデザートがつく。

キャリアを料理人でスタートした相川さんの料理は、オリジナリティにあふれている。夕食には、鹿とイノシシのソーセージをメインに使用。朝食には、台湾のヒマラヤ遠征隊の食事から着想を得たというピータン粥を提供している。

立ち寄り客も利用可能な昼食も充実していて、「天然きのこうどん」、「清里ROCKのビーフカレー鹿肉ソーセージのせ」、「鹿3種ソーセージ」などが揃う。小屋で仕込み蒸した「7種のドライフルーツパン」も、行動食やお土産として人気の高いメニューだ。

グルメといっしょに、富士見平の湧水で淹れた珈琲、自家製バラジャムとともにいただける紅茶、2種類の地ビールも味わってほしい。

▲昼食メニューにある、富士見平で採れた15種類ものきのこが入った、天然きのこのうどん(1,300円)。
▲山小屋では、相川夫妻が手作りしているという革小物を購入可能。ピアス、コースター、ポーチ、ピッケルカバーなどが揃う。

山小屋から目指すおすすめルート【富士見平小屋~瑞牆山 約2時間】

▲瑞牆山山頂からの景色。森のなかから飛び出しているのは大ヤスリ岩。奥には南アルプスが広がる。

富士見平小屋を拠点にすれば、日本百名山に選出されている瑞牆山の山頂まで片道2時間でたどり着ける。山小屋から出発してしばらくは、傾斜の緩やかな道が続く。いったん標高を下げて沢を越えた後、登り返しの道から急坂に。樹林帯に囲まれた道に点在する、自然が作り出した岩のオブジェの鑑賞を楽しみながら登って行こう。山頂からは、南アルプスや八ヶ岳、富士山を一望。おなじ奥秩父の名峰、金峰山も間近に眺められる。

▲大きな花崗岩が積み重なった山頂。それほど広くはないので、人が多い場合は譲り合おう。

一見すると素朴な佇まいの山小屋だが、滞在を通して、細かな設えやサービスに触れ、小屋番のセンスに彩られた世界観を体験することができる。日常では得られないインスピレーションを求めて目指す場所としても、おすすめの山小屋だ。

富士見平小屋
https://www.fujimidairagoya.jp/
・標高:1,812m
・営業期間:4月1 日~11月23日(不定休)
※テント泊は通年営業
・宿泊料金(税込):1泊2食13,000円(大部屋)、18,000円(個室)/素泊まり7,000円(大部屋)、12,000円(個室)
・電話番号:090-7254-5698
・コロナ禍での確認事項:完全予約制、個室あり

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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