【ランドネ編集後記】#3 ちいさな山が教えてくれる、新しい山の歩き方
ランドネ 編集部
- 2020年12月02日
編集後記担当の安仁屋です。最新号『ランドネNo.115 1月号』の第一特集は「ちいさな山とふもと歩き旅へ」。P8-9の特集トビラにもあるように、今年はとにかく、「いつもとは違う山歩き。目指す山を、身近なフィールドへと移したり、時間やレベルに余裕をもたせたりと、登山者一人ひとりが新しいスタイルを模索している今日このごろ。」です▲
前号の『50人のお仕事インタビュー』や、9月号の『山を楽しむA to Z』、7月号の『100人の山への思い』など、世の中の状況が目まぐるしく変化し、先の見えないなか、予定していた特集内容を変えながら2カ月に1回『ランドネ』を作り続けてきました。およそ9カ月のあいだ、山の取材も「いつもどおりに」とはいかず、いまできること・やるべきことを試行錯誤し続ける日々。そして今回、ようやく山のルートと楽しみ方を紹介する特集ができました。表紙も久しぶりにフィールドでの一枚を。このデザインがあがってきたとき、編集部のみんなで「なんだかほっとするというか、うれしいね」と話したのを覚えています。もちろん、何も気にせず山を楽しめる状況ではまだまだありませんが、時間をかけて、ようやく一歩を踏み出せた感覚です。
余談ですが、編集作業のなかで私のもっとも気持ちのあがる瞬間が、デザイナーさんからレイアウトPDFが届くときです。「山取材に行くときじゃないの?」と思うかもしれませんが、取材のときはスムーズに進行できるかどうか、撮影クルーが心地よく過ごせる空気感か、イメージしてきた画が撮れそうかなど、ずっと頭をフル回転させているし、取材の前日はいまだに緊張と不安に襲われます。といいながら、取材もスタートしたら全力で楽しみますが……!企画ページをイメージして描いたラフに沿って取材をし、カメラマンさんから写真を受け取り、必要な文字要素を加えてデザイナーさんに渡したすべての素材が、一つひとつのページになる。信頼するデザイナーさんからあがってくるレイアウトは、想像を超えてくる(素敵な!)ことがほとんど。もうちょっとここが…と感じたところがあれば、相談しながら修正していく。こちらの思いをくみ取りながら、作業をしてくれるデザイナーさんには日々感謝です。
上の手書きのものが取材前にイメージしていたもの。そして、できあがったページがこちら!(P28-31/登山ガイド渡辺佐智さんが選ぶ、眺望の山)。取材前は、稜線上でのカット(左ページ真ん中)がトビラ(右ページ)かなと想像していたのですが、佐智さんの表情がよく、勝沼のまちが一望できるという甲州高尾山の魅力が詰まった一枚だったいまの写真をメインに使わせてもらってます。
この特集を作りながら強く思ったことは、知らない山と楽しみ方がまだまだある、ということ。今回は、山のそばで暮らす人たちに「地元の山とその楽しみ方」を教えてもらったこともあり、初めて聞く名前の山が多数。個人的に気になったのは、山梨県・甲府の羅漢寺山(P32~)と熊本県・玉名の小岱山(P52~)、広島県・大崎上島の神峰山(P58~)。そのほかの山も魅力的な場所ばかりで、とても”ランドネらしい”特集になったのではないかと思っています。
佐智さんと甲州高尾山を歩きながら、いろんなことを話したなかで、これからやりたい特集のアイデアにつながったのが、「山歩きの日は、朝から移動をすると寝不足になりがちで、それなら山のふもとに前泊をして、睡眠と食事をたっぷりとれたほうがいい」ということ。甲州高尾山の前泊におすすめの宿として紹介している、「ワイン民宿 鈴木園」もそう。日帰りできる山のふもとにあえて一泊をして山を歩くという企画を、近々やりたいと考えています▲
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ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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