【いつか泊まりたい山小屋#22 北アルプス・涸沢小屋】一度は見てほしい、3,000m峰にぐるりと囲まれた楽園の景色
ランドネ 編集部
- 2022年07月19日
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。22軒目は、北アルプスの涸沢カールに抱かれた、涸沢小屋をピックアップ!
山小屋は4つの3,000m峰に囲まれたカールの中
北アルプスのハイライトともいえる、穂高連峰。その稜線の東側には、遠い昔に氷河の侵食によって形成されたカールが広がり、そこに2軒の山小屋が佇んでいる。そのうちのひとつが、昭和初期に北穂高岳南稜に建てられた涸沢小屋。
近くに建つ涸沢ヒュッテとともに、穂高連峰の登山のベースとして、長いあいだ多くの登山客に利用されてきた。南側に広いテラスがあり間近に迫る山々を一望できることに加えて、清潔な館内、充実したグルメ、気さくなスタッフなど魅力的なサービスが行き届いているため、ハイシーズンはとくに予約が早々に埋まってしまうほど人気が高い山小屋だ。
絶景の山小屋ステイで楽しめるエトセトラ
穂高連峰への登山の拠点として利用されることが多い、ということは前述のとおりだが、涸沢小屋は滞在自体を目的に訪れる価値も高い山小屋だ。カールのなかという特別な立地に建つため、時間によって表情を変える風景を味わえることは大きな魅力。天候にさえ恵まれれば、朝は赤く染まるモルゲンロートを、夜は美しい星空を満喫できる。
夕朝食以外に、生ビールやソフトクリーム、おはぎなど、ドリンクも軽食も充実。夏季限定で、ジョッキパフェも提供される。館内の階段の踊り場にはライブラリーコーナーが設けられていて、山の写真集や雑誌、登山のガイド本などが揃う。悪天で停滞をせざるを得ないときも、きっと有効な時間の使い方ができるはずだ。
山小屋から目指すおすすめルート【涸沢小屋~穂高岳山荘~涸沢岳 片道約3時間10分】
体力に自信のある人なら、カールを見下ろせる涸沢岳を目指してみよう。奥穂高岳方面へ歩きだし、急峻でゴロゴロとした岩が続く“ザイテングラート”を登っていく。落石に備えて、ヘルメットは必携だ。ゆっくり歩いても3時間ほどで、穂高岳山荘のある稜線に出る。穂高岳山荘からも充分にすばらしい景色を堪能できるのでここをゴールにしてもOK。標高3,103mの涸沢岳までは、さらにそこから片道約20分でたどり着ける。穂高の山々やカールはもちろん、槍ヶ岳、常念岳など北アルプスの名峰の絶景を楽しもう。
夏は高山植物、秋は色鮮やかな紅葉がカール内を彩る涸沢は、北アルプスのなかでも人気の高いエリア。平日を選ぶなど賢く登山計画を立てて、できる限りゆっくりと滞在を満喫してほしい。
涸沢小屋
https://karasawagoya.com/index.html
・標高:2,350m
・営業期間:4月中旬~11月初旬
・宿泊料金(税込):1泊2食13,000円、素泊まり9,000円、お弁当 1,500円 ※秋期繁忙期は+2,000円、個室利用は1部屋+1,6000円
・電話番号:090-2204-1300(8:00~19:00)
・コロナ禍での確認事項:予約制(当日予約は+1,000円)、マスクを要持参
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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