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ステンドグラスアーティスト・谷和レオさん(中編)│低山トラベラー、偏愛ハイカーに会いに行く#5

低山トラベラーの大内征さんが山好きさんと山を歩く、連載「偏愛ハイカーに会いに行く」。山の愛し方は人それぞれ、とはいうけれど。十人十色の偏愛ワールドをのぞいてみれば、これからの山の愛し方とその先の未来が見えてくる、かもね。

今回の偏愛さん

ステンドグラスアーティスト 谷和たにわレオさん

アートスタジオ「セント. ヘヴォゴン. スタジオ」を設立し、東京を拠点に活動中。美大を卒業後、村上隆氏とアート活動をともにしたのち、PIED PIPER のファッションデザイナーを担当していたこともある。
Instagram @heavogon

高所恐怖症だけど山が好き。泳げないけど海が好き。
大事なのは「好き」ってこと

彼への憧れの起源は、ぼくらが17歳くらいのときにさかのぼる。場所はいまから30年以上も昔の仙台で、お互い自分のカルチャーをもった高校生だった。そう、じつはそのころからの友人関係で、ぼくは彼を「谷和」と呼んでいる。彼の周囲の人たちはみな、レオ君と呼ぶけれど。
都内の自宅に併設されているガレージに入るのは久しぶりのことで、作ってる過程をインスタグラムで発信していたベランダの手作りサウナは、実際に入るとかなりの完成度だった。本当に手作りしたのかと、信じがたいほどのクオリティ。いやはや、さすがすぎるだろ。

なんでも手作りしてしまう彼の才能は、すでに高校生時代から発揮されていた。あのころはまだカスタムしたりアレンジしたりすることがメインだったと思うけれど、いまでは最初から作ってしまうのだから感心してしまう。たとえば子どもの勉強部屋だったり、寝室だったり。取材で訪れたときも、ひと部屋増えていた。趣味のサーフボードをチューニングしたり、ちょっとした家具を作ることなんてお手のもの。その最たるものが、クルマである。気がつけば古いクルマを探してきて乗り換え、内装も外装も自らの手で行なう。それを手伝う奥さんと子どもも、かなりの腕前。
そのようすはインスタグラムでも発信しているから、興味のあるランドネ読者さんにはぜひのぞいてみてほしい。アート×自然、というテーマにおいて、彼の生き方・働き方そして表現方法は、やっぱりあのころと変わらずカッコいい。

▲セント. ヘヴォゴン. スタジオ。ここで作品が生まれる。ちなみにヘヴォゴンは谷和さんが幼少期に考えた神様の名前(上)。子どもの寝室も手作り(下右)。ウッドデッキに造ったサウナ。横には水風呂もあり、整う(下左)。

そんな谷和レオくんに自然との関係について聞いてみたところ、意外にも「山は好きだけど、高所恐怖症なんだよね。海はもっと好きだけど、泳げないのね」と返ってきた。そして「だけど好きだから、どっちも」とも。
ああ、これって、あらゆる物事に通じる核心部ではないか。なんでも作ってしまうくせに、どこか不完全なことを残しておいて、その余白をも魅力にしてしまうのが谷和レオの真骨頂なのかもしれない。

「だって〝完成〞したら、終わっちゃうじゃん!」と言って屈託のない笑顔を放つ。おなじ歳なんだけど、めちゃめちゃチャーミングなのだ。

▲波を求めて暮らしていたことがあるほどサーフィン好き(右)。雪山はおもにスノーボードで(左上)。湖畔にサウナテントを張り、キャンプ(左下)。

低山トラベラー、山旅文筆家
大内征(おおうち・せい)

歴史や文化をたどって日本各地の低山を歩き、ローカルハイクの魅力を探究。NHKラジオ深夜便、LuckyFM茨城放送に出演中。著書に『低山トラベル』など。ライフワークは熊野古道

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ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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