雪と氷の神秘を体験する「中谷宇吉郎 雪の科学館」
ランドネ 編集部
- 2024年08月03日
雪や氷に関する科学の分野を開拓し、科学と文化の双方に優れた中谷宇吉郎博士。
ひとりの科学者がたどった道を振り返りながら、雪の世界へ。
雪と氷をきっかけに自然の不思議を体験
雪の結晶の美しさに魅せられ、世界で初めて人工的に雪の結晶を作ることに成功した科学者、中谷宇吉郎。その人柄や研究の成果を、映像や展示、実験を通じて楽しめるのが「中谷宇吉郎 雪の科学館」。
「雪の結晶は自然の女神が作った氷の細工物である」と宇吉郎が記しているように、天から降り落ちる雪の結晶は、自然界で生み出される美として、私たちを魅了してきた。雪の結晶には121もの種類があると伺い、いままでなんとなく見てきた雪の粒に、そんなにたくさんのかたちがあるなんて! と新鮮な発見に、なんだかうれしくなる。
「雪や氷をきっかけに、自然の不思議さに触れられる実験も雪の科学館の魅力です」と話す施設長の保坂さんは、実験を通して、雪や氷の不思議を教えてくれた。人工雪を観察したり、氷筍(ひょうじゅん)の解説を伺ったり、繊細な実験で、雪や氷の奥深い世界へと誘われていく。
宇吉郎の故郷である加賀市片山津で、豊かな自然のなかに身を置いて眺める展示や雪と氷の実験。いままで知らなかった世界に触れることで、冬の景色がいっそうキラキラと心に響いてくるだろう。
■中谷宇吉郎 雪の科学館
- 石川県加賀市潮津町イ106番地
- TEL:0761-75-3323
- 開館時間:9:00 ~ 17:00(入館は16:30まで)
- 休館日:水曜(祝日は開館)
六花の美しい結晶が秘めるものを見つけに
雪の世界が広がる実験
雪と氷特有の現象や性質を、実験を交えて解説。写真は、金属の型を使った氷のペンダント作り(上1・2枚目)と氷が内部から溶けるときに六角形が現れる現象「チンダル像」の体験(上3枚目)。ほかにも、氷の粒が七色の幻想的な輝きを見せる「ダイヤモンドダスト」、0℃以下の水が凍らない「過冷却」など。館内のあちこちで「わぁ!」という歓声が聞こえる。
雪の結晶の美をパネルで
雪の結晶の分類の一部。宇吉郎は41の結晶に分類したが、その後南極などの寒冷地で新しい形の結晶が発見され、分類数121の「グローバル分類」が提案された。科学の視点でここまで大量の記録を作成し、分類したのは宇吉郎が初めてだったそう。
霧に包まれる、グリーンランド氷河の原
宇吉郎が氷の研究に打ち込んだ場所である、グリーンランドから運ばれた約60トンもの石を敷き詰めた霧の庭。風に舞う人工霧が楽しめる。中谷芙二子さん(霧の彫刻家・宇吉郎の次女)の作品。石は7億年から27億年前のものと推定されていて、氷河の氷で磨かれ、細かいキズがついた石も見られる
Tea Room「冬の華」でひと休み
柴山潟や白山を一望できる(この日は残念ながら見えず……!)ティールームでは、とろける抹茶プリンとコーヒーや紅茶がセットになった冬の華セット(790円)などを楽しめる。コーヒーと紅茶は一杯ずつ手淹れで、好きなカップを選べるのもうれしい。
- BRAND :
- ランドネ
- CREDIT :
- Photo/S.Kato 加戸昭太郎 Styling/K.Shiraogawa 白男川清美 Hair&Make/Natsuki 夏妃 Model/K.Matsumoto 松本妃代
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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