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日本一の頂きで迎える山梨百名山フィナーレ|アウトドアショップ「エルク」が案内!山梨百名山の楽しみ方#16

山梨百名山の魅力や楽しみ方を伝える、アウトドアショップ「エルク」の綾井です。

2023年3月から始まった、山梨百名山100座全て登って魅力を伝える「山梨百名山チャレンジ」。富士山を残して2023年を終了したこの取り組みは、現在登った各山の紹介ブログをエルクのホームページ上で随時アップしています。

そしてこちらのランドネWEB連載も、2024年の富士山登山を終えるまでということで、いままで15回に渡って連載をしてまいりました。第16回目の今回は、連載のフィナーレというだけでなく、山梨百名山チャレンジのフィナーレの山となった、富士山を紹介します!

富士山~日本一の頂きで迎える山梨百名山フィナーレ~

▲富士山だけは見える、鳥ノ胸山山頂。

富士山。それは登山をする・しないに関わらず、日本人にとって特別な山であることは間違いありません。日本一の標高であるだけでなく、日本人の歴史と信仰に深く関わり、絵画や文学作品の対象として多く取り上げられ、実際に富士山を目にしていない方でも、その端麗な山容の富士山を思い浮かべることができます。

アウトドアショップで働いていると、必ずお客さまから聞く言葉があります。

「一生に一度は、富士山に登りたい」

関西出身の私も、山梨に来るまでは「いつかは富士山」と思っていましたし、富士山が見えれば喜び、写真を反射的に撮ってしまうところは、山梨移住後も変わりません(笑)。

▲高川山からの富士山。

思い返せば、山梨百名山チャレンジで登ってきた山の多くは、富士山の展望が見事なものばかりでした。
展望の少ない樹林の山の山頂でも、富士山側だけ開けてるというのは山梨百名山あるある。これだけ眺めてきた富士山、ようやくその頂を目指すというのも感慨深いものがあります。

▲登山口のゲート。

そんな富士山は、日本人だけでなく外国からのツーリストにも人気の山。人気の高まりとともに、近年ニュースで取り上げられている”弾丸登山”への対応策として、山梨県の吉田口登山道では、登山口にゲートを設け通行料を徴収する取り組みを今年から始めました。

▲外国からの登山者。

山梨百名山チャレンジのフィナーレを飾るために、痛い出費ではありますが……(それは冗談として)、ゲートや通行のようすも、今回お伝えさせていただきます。

それでは3,776m、日本一の頂を目指した登山のようすをご覧ください!

富士スバルライン5合目から吉田口山頂

やって来たのは「富士スバルライン5合目」。マイカー規制のかかる前の7月3日に来れたので、ここまで車で来ることができました。マイカー規制中はバスに乗り換えて5合目までアクセスする必要があります。その年の残雪状況にもよりますが、マイカーでアクセスしたい方は、7月1日の山開きからすぐの時期がおすすめです。梅雨時期だけどね。

早速、登山口に設けられたゲートの手前にある建物で通行料を支払い、黄色いリストバンドを装着することによって、ゲートを通行することができます。事前に通行料の決済をして予約することも可能で、その場合は4千人/1日の規制には引っかかりません。またゲートは、午後4時~午前3時のあいだは毎日閉鎖され通行が規制されますが、山小屋宿泊者はその対象ではありません。

今回同行してくれたエルクスタッフ松崎とともに、ちょっとドキドキしながらゲートを通れば(なにも悪いことはしてませんが、笑)、富士の裾野を横切るように、6合目へと目指して歩いていきます。すでに標高は2,300mを超え、御坂山地のすべての山を見下ろす高地からのスタートです。

6合目にあたる富士山安全指導センターの脇を抜ければ、ここから本格的な富士登山の開始です!富士山はヘルメット着用を推奨する山なので、ここでヘルメットを装着してから出発しました。

まずは、九十九折の砂利道を登っていきますが、この砂利道がちょっとやっかい。砂浜のように沈んだりするので、結構足が取られて疲れやすいんですよね。富士山も上部に行けば岩場が続出するので、ストックを持っていくか悩みますが、ずるずると足を取られるこの道を楽に登るために、個人的にはストックの使用がおすすめです。

ジグザグの砂利道を越えれば七合目、ここから吉田ルートでは山小屋ラッシュが続きます。山小屋では、泊まらない方にも軽食やジュースの販売、金剛杖に焼印を押してくれたりと、辛い富士登山のオアシス的な場所。

七合目から八合目にかけては、急な岩場もところどころ出てきます。晴れていればいいのですが、雨で濡れるとすべりやすくなってしまうので要注意です。また、富士山の岩はマグマが冷えて固まった溶岩、固くて鋭いのが特徴です。転倒などで手をつくと切ってしまう場合もあるので、手袋も持っていくと安心です。

七合目の山小屋ラッシュを抜けて、ようやく到着した八合目は「太子館」のあるところから。八合目を越えれば、そこはすでに標高3,000mを越えてきます。ここから”本”八合目へ、さらにジグザグの砂利道が続きます。

疲れも出てくる八合目~本八合目、そして九合目までの区間がいつも長く感じます。八合目の次に本八合目って何だよと、毎度ぼやいてしまうくらい(笑)。九合目をすぎて、立派な狛犬と山頂直下の鳥居を目の前にすれば、いよいよ吉田口山頂です。

鳥居を越えれば、吉田口頂上にある久須志神社に到着です!

この場所が最高峰という訳ではなく、富士山のお鉢のヘリ(稜線)にようやく着いたということ。ここから富士山のお鉢を回るルートで、日本最高峰の剣ヶ峰を目指します!

剣ヶ峰、そしてフィナーレへ

吉田ルートを選んだ場合、剣ヶ峰はお鉢を挟んで真反対にあるので、最高峰3,776mへ登るためには一周約1時間半かかる行程を歩かねばなりません。ここまで、なかなか辿り着かない稜線を見上げながらの登山でしたが……、ここからは日本で一番高い場所にある大パノラマの景色を拝むことができます!

大迫力の火口を見ながら、日本で一番標高の高い稜線歩きを楽しめる、まさに天空散歩。日本一高い場所を一周するわけですから、御坂山塊、伊豆半島、相模湾、南アルプス、八ヶ岳と、歩く度に見える方角が変わり、360度の景色を楽しむことができます。

しかし、気を付けなければならないのは風と雨。登ったこの日は風がとても強く、お鉢巡りの途中で、一時歩けないほどの突風に曝されました。富士山では雨風を遮るものはまったくないので、身を守る装備はもちろん、厳しければすぐに撤退する判断力も必要となります。

楽しい時間はあっという間で、剣ヶ峰にある「富士山測候所」の建物が近くに見えてきました。お鉢巡りは多少の起伏はあるものの、吉田口頂上まで延々と続く上り坂に比べれば、この景色と満足感も相まって、非常に軽快に歩くことができました。

そして最後の短い石段も登れば……。

「日本最高峰富士山剣ヶ峰」と書かれた石標が建つ剣ヶ峰山頂に到着です。そして山梨百名山チャレンジも、これにて100座登頂、無事に登り終えることができました!

登ったら達成感というか、感動の気持ちが湧き上がるのかなと考えていましたが、「何より楽しかった~!!」。一歩一歩進みながら景色を見て、壮大な山の自然のなかに身を置く、登山のシンプルな魅力を存分に味わい尽くしました!

富士山は登る山でなく見る山、とよく言いますが、大迫力の火口に、天空のトレイル……、もちろん標高の高さで山の価値が決まるわけではないですが、やはり富士山を登らなければ見ることのできない景色がここにあります。

まさに最後の山に相応しい一座でした。

山梨百名山チャレンジを終えて

2023年3月から、エルク40周年企画として山梨百名山を1から100まですべて登り、その魅力を発信していくということで始まった山梨百名山チャレンジ。山梨で営業をしている地方のアウトドアショップとして、そこで働くスタッフが地元の山を知り、山で遊ぶことが、来てくださるお客さまの役に立つと信じてここまでやってきました。

▲一座目は日向山から。
▲高山で味わえる雄大な景色。

もともと私をはじめエルクスタッフは山好きなので、このチャレンジ自体楽しんでやり切ることができましたが、登っていると楽しいだけでなく、さまざまな気づきを与えてくれるものとなりました。

温暖化による積雪量の減少、シカなどによる食害被害、登山道の浸食と保全の難しさ。大きな話だけでなく、ヤマビルの分布拡大、荒れて放置され続ける無数の林道、大規模伐採によって設置されたソーラーパネルなど。

▲低山の楽しみも見つけることができた。

何が正しくて何が間違いかという議論は、無学な私にはできませんが、山を愛するひとりの登山者として、すばらしいと思える山梨の山の魅力を、どのようにしたら守っていけるか、この企画を通じて考えさせられることばかりでした。

そう思うと、山梨百名山はひとつのステップ、次のエルクが起こすアクションに向けての下準備のようなものでしょう。そして、このチャレンジが終わったあとも、私は山梨の山に惹かれ登り続けております。

いままで山梨百名山チャレンジの連載記事をご覧いただき、ありがとうございました!なにより、この記事をきっかけに山梨を訪れ、山梨の山に登る人が増えていただけたら、連載をした甲斐があったなと思えます。

そして甲府の「エルク」で、私たちスタッフがご来店をお待ちしております。お店にも寄ってくれたらうれしいけど、レポートを見た方と山で出会えることがあれば、もっとうれしいです(笑)!

エルクスタッフ 綾井瞭
北岳の山小屋で勤務後、山梨の山が好きで移住し、エルクに入社し7年。登山、トレイルランニング、スキーと広く山を楽しんでいたが、ヒザを壊してからは山梨県の山を改めて登り始める。山梨百名山チャレンジ企画の担当であり、山梨県の山を登って魅力を発信することをモットーに山登りを続けている。

エルクブログ「山梨百名山チャレンジ」はこちらから!

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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