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アウトドアショップ「エルク」が案内!山梨百名山の楽しみ方|#12 縦走の醍醐味を味わえる、奥秩父主脈の隠れた名峰たち

山梨百名山の魅力や楽しみ方を伝える、アウトドアショップ「エルク」の綾井です。

2023年3月から始まった、山梨百名山100座全て登って魅力を伝える「山梨百名山チャレンジ」。富士山を残して2023年を終了したこの取り組みは、現在登った各山の紹介ブログをエルクのホームページ上で随時アップしています。

そしてこちらのランドネWEB連載も、2024年富士山登山を終えるまでいまで登った山梨百名山の中から、私がみなさんにぜひ登ってほしい”推し山”を紹介させていただきます!

#12で紹介するのは、決して人気の山ではないですが縦走することによって、満足感たっぷりになる奥秩父の山々です。

破風山 雁坂嶺~縦走の醍醐味を味わえる、奥秩父主脈の隠れた名峰たち~

破風山、雁坂嶺は奥秩父主脈縦走路上にあるピークになります。

破風山とは、南から見た山容が屋根の形をしているところから名付けられました。西破風と東破風に分かれますが、標高が高く三角点の置かれた西破風が山頂とされています。雁坂嶺は日本三大峠のひとつである雁坂峠の北西に位置し、山頂付近は南面の眺望が良く、富士山をはじめ、乾徳山や奥秩父主脈の峰々が展望できます。日本三大峠のひとつである雁坂峠は、日本書紀にも登場する日本最古の峠道といわれ、秩父往還と呼ばれた峠越えの道は、古来多くの人々が利用していました。

▲雁坂峠から見る雁坂嶺

破風山、雁坂嶺に近く、おなじく奥秩父主脈縦走路上にある甲武信ヶ岳は、日本百名山に選ばれていることもあっり多くの登山者が集まるものの、破風山と雁坂嶺を訪れる方は少ない場所。破風山は直接登頂するルートはなく、縦走でしかピークをふめない。そして雁坂嶺も、雁坂峠を経由するロングルートになることが、理由としては挙げられるでしょう。

▲甲武信小屋

この2座はどうしてもロングルートになるため、甲武信小屋や破風山避難小屋を利用する、1泊2日の山行で行かれる方も多いでしょう。2日間となってもこの二座に登頂する縦走は、奥秩父の魅力が詰まったすばらしい縦走路となっていますので、今回はこちらの2座を紹介させていただきます!

登山口から甲武信ヶ岳へ

向かった時期は11月上旬、すでに山は冬の準備を始め、日が昇るのも遅い季節です。今回は「道の駅みとみ」から出発して徳ちゃん新道に入り、甲武信ヶ岳を登ってから破風山と雁坂嶺を縦走。そして「道の駅みとみ」に戻って来る周回コースです。

一般的には1泊するのが望ましいものの、山梨百名山チャレンジの追い込み時期ということで、早朝発で3座を日帰りすることとしました。

▲徳ちゃん新道の樹林帯

ある程度登ればカラマツ林が気持ちのいい樹林帯ですが、登っても登ってもなかなか終わらない徳ちゃん新道。
甲武信ヶ岳単独でもハードな行程なのです。季節によっては、この道がシャクナゲの花で埋め尽くされます。急登に自信のない方は、花に癒されながら登れる5月頃に歩くのがいいかもしれません。

▲奥秩父主脈縦走路に合流

奥秩父主脈縦走路の合流地点に出て、左に曲がれば甲武信ヶ岳方面へ。木賊山(とくさやま)を越えると、ようやく甲武信ヶ岳の山体を望むことができます。ここから一旦下り、甲武信小屋を経て山頂へ向かいます。これからの縦走路も、アップダウンの連続となります。

▲甲武信ヶ岳を望む
▲甲武信ヶ岳

甲武信ヶ岳山頂に着けば、富士山はもちろんのこと、八ヶ岳連峰や遠く南アルプスの山々を見ることができます。
とくによく見えるのが、おなじ奥秩父主脈縦走路にある国師ヶ岳や金峰山です。

▲甲武信ヶ岳から国師ヶ岳や金峰山

私たちは、甲武信ヶ岳から破風山方面の東へと向かいますが、西に向かってもひと気の少ない静かな縦走を楽しめるでしょう。甲武信ヶ岳には何度も訪れていますが、ここから初めてとなる破風山、雁坂嶺の縦走です。

奥秩父主脈縦走へ

甲武信ヶ岳をあとにし、まずは来た道を戻るカタチで東へ進路を取ります。奥秩父主脈縦走路を下り基調でしばらく進み、シャクナゲの木のトンネルを抜ければ開けた展望地に出て、これから登る破風山の山体を望むことができました。

▲破風山を目指して

まず出た感想は「でかい!」。甲武信ヶ岳よりも主稜線のギャップ(高低差)があるからか、破風山が標高の割には、とても大きく見えます。

▲立ち枯れの稜線

ギャップがあるといったように、ここから破風山避難小屋のある稜線の鞍部まで一気に下ります。稜線上にはところどころ立ち枯れの森が出てきて、独特な雰囲気のなか爽快な縦走を楽しめます。爽快なのは、下りだけかもしれません(笑)。下りたぶん、登るのは登山の鉄則。避難小屋からの登り返しはかなりタフな道でした。

▲破風山へのタフな登り
▲破風山山頂

破風山(西破風山)に到着。山頂は樹林におおわれ展望はありません。ここから東破風山、そして雁坂嶺へ向かいますが、ここからも300mほど下って200m登る、険しいアップダウンの道が続きます。

▲雁坂嶺へ
▲雁坂嶺山頂

雁坂嶺に到着です。甲武信ヶ岳からここまで、直線距離では近い場所にあるものの、いざ登ってみるとなかなかハードな行程になりました。ここから雁坂峠まで奥秩父主脈縦走の最後の区間、こちらも開けていて景色を見ながら歩く、縦走の醍醐味を最後まで味わえるでしょう。

▲雁坂峠へ
▲雁坂峠

日本三大峠「雁坂峠」に到着です。標高2,082mの高地であるこの場所を、秩父往還として徒歩での往来があったと思うと不思議です。昔の方は登山者でなくとも、健脚な方が多かったのでしょう。ちなみに雁坂トンネルが開通する1998年以前には、この峠越えの登山道が国道140号に指定されていました。

ここからは「道の駅みとみ」に向かって一気に下ります。稜線では紅葉の見ごろは終わっていましたが、下山路の沢沿いの森の紅葉が大変美しかったことがサプライズでした。足元の悪い崖沿いの道などが出てきて油断できませんが、山が最後に輝く一面赤の世界はぜひ見ていただきたいと思います。

▲紅葉の下山道

下ると雁坂トンネルの入り口まで出て、あとは林道を歩いて「道の駅みとみ」に戻り、山梨百名山3座をつなぐ周回ルートのフィニッシュです。

▲林道を歩いて下山

奥秩父随一の展望の甲武信ヶ岳だけでなく、破風山、雁坂嶺共に縦走することで、奥秩父山域の魅力がよく分かる登山になるでしょう。まもなく山も雪解け、本格的な登山シーズンが始まります。夏や秋の山行に今回のルートを計画に入れてみてはいかがでしょうか。

破風山 雁坂嶺立ち寄りスポット

私は、下山後のごはんとお風呂が楽しみで、これなしでは登りたくないほどです(笑)。「山百チャレンジ」を通してたくさんの美味しいご飯屋さんや、温泉に立ち寄らせていただきました。ここから下山後の立ち寄りスポットを紹介します!

はなかげの湯(お食事処 はくさい)

「道の駅みとみ」から、車で甲府盆地方面へ約20分ほど下った場所にある温泉施設です。登山後の汗を流す場所として温泉に入ったあとに、おなじ施設内にある「お食事処 はくさい」にもぜひ立ち寄っていただきたいです。

驚くのは天丼のボリューム!ご飯の上にこれでもかと盛り付けられた天ぷらは、秘伝の甘辛いタレも相まってご飯が進みます。写真の天丼は「穴子一本天丼」というメニューですが、ほかにもイカ天丼や激盛天丼があります。行かれる際は、お腹をしっかり空かせて行ってください。

山梨百名山は1座ずつ登るのではなく、今回のように縦走登山で複数座まとめて楽しむことができます。そのぶん体力が必要になりますが、達成感と見ることができる景色はさらに大きくなります。

来月もエルク綾井が山梨百名山のおすすめしたい山を紹介します。次回は展望あり、見どころありの人気低山を紹介する予定です、それでは次回vol.13もお楽しみに!

エルクスタッフ 綾井瞭
北岳の山小屋で勤務後、山梨の山が好きで移住し、エルクに入社し7年。登山、トレイルランニング、スキーと広く山を楽しんでいたが、ヒザを壊してからは山梨県の山を改めて登り始める。山梨百名山チャレンジ企画の担当であり、山梨県の山を登って魅力を発信することをモットーに山登りを続けている。

エルクブログ「山梨百名山チャレンジ」はこちらから!

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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