命を守る一酸化炭素チェッカー/今月のレシピ【出汁パック茶漬け】| CAMMOCの「キャンプしてたら防災できた!」#32
キャンモック
- 2025年01月21日
キャンプの道具や知識には、防災に役立つことがたくさんあります。この連載では、防災士資格をもつCAMMOCからアウトドア好きのみなさんへ、もしものときに役立つちょっとしたヒントとアイデアレシピをお届けします。
キャンプを楽しむ方の中には、冬キャンプはハードルが高いという方もいらっしゃると思います。たしかに装備が不十分だと低体温症など、命に関わるような危険につながる可能性もあります。
そこで、以前の記事では冬のキャンプでも役立つ石油ストーブの正しい使い方についてお伝えしました。すると次に気になるのは、そのような燃焼器具から発生する一酸化炭素による中毒についてではないでしょうか。
一酸化炭素チェッカーメーカーさんに聞いてみた!
今回は読者のみなさんに、より正確な情報をお届けしたいとともに、私たち自身もアップデートしたく、「高儀」の長谷川さんと「コンテック」の山田さんにお話を伺いました。
おふたりは、「一酸化炭素テスター(KE-400)」の製造販売をしており、今回「一酸化炭素チェッカーの正しい使い方」についてご協力いただけるとのことで対談が実現しました。
CAMMOC:まずは「一酸化炭素」について、どのような危険があるのか教えてください。
高儀・コンテック:一酸化炭素は、無味・無臭・無色の有毒なガスです。人間の五感では検知できず、濃度により人体に影響をおよぼすので大変危険です。
一酸化炭素濃度が高い場所にいると、短時間でめまいや吐き気などの影響が出てきます。低濃度であったとしても、その環境下にいる時間が長いと同様の症状が現れ、最悪の場合死に至ることもあります。
CAMMOC:単純に濃度だけを気にしていましたが、濃度と時間の比率が重要なんですね。
高儀・コンテック:そうなんです。なので、閉めきった部屋でガス機器を使う際は必ず換気を行なうことと、一酸化炭素チェッカーを起動させてください。
CAMMOC:一酸化炭素チェッカーはどのような仕組みで一酸化炭素を検知しているのですか?
高儀・コンテック:機器の中にガス濃度を検知するセンサーが内蔵されていて、センサーはおもに2種類あります。
【電気化学式ガスセンサー】
- 一酸化炭素を検知すると、微量の電気が流れてそれを数値化するもの。品質が高く価格に影響する。
【半導体式ガスセンサー】
- センサー自体が小型で安価のため比較的リーズナブル。検知はするが、精度に誤差が出る可能性がある。
CAMMOC:多数メーカーから出ていて金額にバラつきがあるのは、センサーに違いがあるからなんですね。
高儀・コンテック:はい。チェッカーを選ぶ際の基準のひとつになると思います。
CAMMOC:なるほど! ただ、どの製品にも検知方法が明記されているわけではなさそうなので、価格が高い=電気化学式センサーの可能性が高く安心だと判断できますね。
高儀・コンテック:センサーの違いもありますが、ディスプレイの見やすさや感知の度合い、防水やライト付きなどのスペックも異なります。
そのため、私たちは「2個持ち」を推奨しています。どちらかいっぽうに誤差が出たら検査や買い替えなど行動にうつせますし、リスク回避のためにも2個以上あると安心です。
CAMMOC:キャンプの幕内で使う際の、正しい設置法を教えてください。
高儀・コンテック:一酸化炭素は空気よりわずかに軽いので、上の方に設置してください。その際に、検知部分を塞がないようにすること! ここを塞いでしまうと正確に検知できなくなってしまうため、天井からカラビナなどでオープンに吊るしてください。
CAMMOC:キャンプ以外で、日常的に使用できるおすすめの設置箇所があれば教えてください。
高儀・コンテック:そうですね、部屋の中でストーブを使う方はぜひ天井付近に吊るしていただくと安心です。
CAMMOC:我が家はガスストーブを使っているので、ストーブ付近にぶら下げています。位置は少し低い気もしますが、子供が数値の変化に興味を持って見ているのでディスプレーの見やすい場所に置いています。
高儀・コンテック:あとはクルマの中とか。車中泊をする方や、冬季にマフラーが雪で埋まると排気ガスが充満して一酸化炭素中毒を引き起こす危険があるので、車内に常備するのもおすすめです。
ただし、夏場の炎天下では故障する可能性もあるため、日の当たる場所での放置は避けてください。
CAMMOC:たしかに、冬場の雪による立ち往生の備えにも必須ですね。実際に他メーカーのものを使ったことがあるのですが、なにも音がならない=安心とはいえ、ちゃんと作動しているのか不安になりまして……。
高儀・コンテック:わかります。弊社の商品でしたら、お問い合わせいただければ対応可能ですが、ご自身でも安全に動作を確認できる方法があるのでぜひやってみてください!
【動作確認➀】クルマのマフラーに近づけてみる
【動作確認➁】炭や薪に近づけてみる
CAMMOC:これならキャンプで活用する前や子どもと一緒にもできるから安心ですね!
燃焼器具を安全に使えるようになるとことで、キャンプを楽しめる時期や出来ることの幅も広がります。一酸化炭素チェッカーを活用して、安心安全なキャンプを楽しみましょう。
今月のレシピ【出汁パック茶漬け】
普段家にある出汁パックの中身と家にある食材を使って、簡単茶漬けを作りました!無添加で原材料がシンプルな出汁パックは、袋を破り中の粉末ごと食べることでカルシウムやミネラルもたっぷり取れます。寒い時期にはホッと癒され、食欲がないときでもサラッと食べやすいのでおすすめです。
材料
ごはん…1杯分
出汁パック(無塩)…1/2パック
塩…ひとつまみ
熱湯(又はお茶やお抹茶)…適量
トッピング(きざみ海苔、炒りごま、煎餅など)
*出汁パックが有塩の場合、塩はお好みで調節してください
作り方
①お椀にご飯をよそい、出汁パックの中身と塩をふりかける。
②お湯を注いで、お好みのトッピングをかける。
クリエイターズユニット
CAMMOC(キャンモック)
左から、三沢真実、三宅香菜子、内舘綾子
「キャンプのある暮らし」
HP:https://cammoc.com
Instagram:www.instagram.com/cammoc
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PROFILE
キャンモック
「キャンプのある暮らし」をコンセプトに空間やフードのコーディネート、キャンプ撮影の監修、防災講演など、多数メディアで活躍するクリエイターズユニット。無理なく無駄なく楽しくできる「SDGs防災キャンプ」を提唱。 https://cammoc.com/
「キャンプのある暮らし」をコンセプトに空間やフードのコーディネート、キャンプ撮影の監修、防災講演など、多数メディアで活躍するクリエイターズユニット。無理なく無駄なく楽しくできる「SDGs防災キャンプ」を提唱。 https://cammoc.com/