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【村越正海×栗山佳尚】2人のエキスパートが語る、相模湾エビングキハダ対談【Part 2】

人気の相模湾、キハダゲーム。ルアーマンにとって、キハダへの最短距離と認識されながらも、いまだ経験がない、という方が多いのがエビングではないだろうか? ここでは提唱者である村越正海と継承者である栗山佳尚、2人の対談を通して、その全体像を3回にわたって紹介する。相模湾での基本的な釣り方から、栗山が釣りにおいて大事にしていることなどなど、今回も2人の熱いトークに注目!

ワームの存在を意識せず、ジグで釣るつもりでシャクれ!

ソルトワールド 相模湾での基本的な釣り方を教えていただけますか?

栗山 まず、初期はタナが浅いことが多い。船長はおそらくこのコースでキハダが通るだろうというところに船を止めてくれるので、指示ダナから15mくらい深く沈めてからシャクリ始め、指示ダナの上、15mくらいまで探るのが基本です。つまり、指示されたタナの上下15mくらいを探る感じ。ヒットが予想されるゾーンをジグとワームがゆっくり通るよう意識します。

村越 最近はエビングの人は何mから何mまでを探ってください、ってアナウンスしてくれる船もあるよね。

栗山 反応が2つに分かれてしまうこともあるみたいですね。たとえば70mくらいから一気に上がって捕食する魚もいる。魚探を見ていると一気に突っ込んでくるキハダがいるって船長は言うんですよ。このときに70m付近を探ると喰ってくることがある。

ただ、深いとどうしても効率が悪くなってしまうので、50mより浅いタナを探ることを基本としています。経験上は30m前後でヒットしてくることが多いですね。ソルトワールド ジャークパターンのベーシックは?

栗山 僕は村越さんから学んだシャクり方がベースになっています。1日通してシャクれるよう、グリップエンドをギンバルにセットして、ロッドでシャクってからラインスラックを取る、というギンバルジャークで釣っています。

村越 ギンバルジャークには大型キハダに対応するため、という理由もある。大型魚を獲るための最大のコツは初期対応。掛けた瞬間にどれだけ相手をこっちに持ってこれるか、が大事なんだよね。

大型魚を獲るためには相手が加速する前に、ラインの伸びまでを考慮して素早く回収し、ラインが張った状態を作ることが大切。喰った瞬間に走れる余裕が1m、2mしかないとしたら相手はなかなかフル加速まではできないと思う。するとそこから走り出されても堪えられる確率が高くなるわけ。

エビングの場合はハリスがある分、ジギング以上に掛かった瞬間にラインを素早く巻き取りたい。そうした意味でも脇抱えより対応しやすいギンバルジャークが有利だと思っている。魚の大きさを判断する前に巻き取る、これが大事だね。

ギンバルジャークは、ジグの重さを変えたとしても、同じシャクリを誰でもできるのも利点。脇抱えだと重いジグを使うとどうしても振り幅が狭くなる。非力な人の場合はそもそもシャクるのが大変だったりもする。しっかりシャクるという意味でもギンバルジャークはおすすめかな。

▲目標は80kgクラスの通称「小田原モンスター」と栗山。近年は、自身のメインスタイルとしてエビングに取り組んでいる。

ソルトワールド ガンガンシャクる必要はない?

村越 ガンガンシャクっても喰ってくるよ。スピードが決め手になるケースも少なくはないからね。キハダがコマセに慣れたからといってスピードを落とす必要がある、とまでは言えない。

要するにワームの存在はそれほど意識する必要はないんだ。ワームの動き、というよりも、ジグで釣るつもりでシャクってもらえばいい。相模湾のコマセ船で、ゆっくり攻めたいときはスロージギングのようにシャクってもらえばいいと思うよ。

栗山 思っている以上にテンビンの先にあるワームは動かないですからね。全然動いていない、と言ってもいいくらい。そのためにもハリスを張ることが大切ですね。

ほとんどシャクることなく、タナに置いておく感じで喰ってくることもありますよね。ワームがサスペンドしている状態です。キハダの目の前にワームがあって、それがちょっと動く、というアクションが効くときは確かにあると思いますね。ほんの少しの動きがリアクションバイトを誘う、というか、漂っているオキアミの中で目立つ動きになる、のかな、と思います。

とくに「いまキハダが船下に入ってきているよ」とアナウンスがあるときは効果的。縦ではなく横方向に攻める感じで、とくにコマセ釣りに分があるときの奥の手のひとつとも言えますね。

村越 それでも栗山くんは基本的には同じシャクリのパターンでずっとやっていることが多いよね。

栗山 そうですね。シーズンを通して、ほとんどの場合は同じ感じのシャクリ方でやっています。

村越 それはとても重要なことだよね。同じシャクリをずっと続けることで優劣が見えてくるから。釣行の都度変えていくと釣れたとしても何が良かったのか分からなくなってしまう。一定期間、同じことを繰り返すことは、釣りのプラクティスとしては大切なことだと思うな。

釣りで大事にしている3つのこと

ソルトワールド 栗山さんが自分の釣りで大事にしていることを3つ、教えてもらえますか?

栗山 まず、ハリスを真っすぐにすること。ワームの存在を少しでも感じ取るためにも、絡ませないためにも大切なことです。巻き取るスピード、ハンドルの回転量、ロッドのシャクリ幅を調整しながら、ハリスをまっすぐに整える。ハリスの巻き癖をあらかじめ伸ばしておくことも大切です。

村越 ハリスの巻き癖を取っておくことは基本中の基本。喰いが落ちるからね。太いハリスだし、フロロだからなおさらだよね。

栗山 ふたつ目は、船長の話をよく聞くことかな。エビングは水面上ではなく、水中のキハダの動きを把握し、それに合わせて先回りして船を止めて狙うスタイルの釣り。指示ダナは聞き逃さないようにしたいですね。「さっきと一緒ね」、と言われることもあるけれど、いま何mだっけ? と周りに聞くようでは集中力が足りない。

船団になっている場合は、周りの船のアナウンスも参考になる。自分が乗っている船は30mと言っているけれど、隣は50mと言っているときもある。

村越 他の船の情報は確かに大切。なぜ指示ダナが船によって違うのか? 船長に聞いたことがあるけれど、返ってきた答えは「勘です」だった。反応には幅がある。コマセ釣りの人たちはタナをひとつに決めなければいけないけれど、それを幅のある反応のどこに置くかはそれぞれの船長たちの経験値によるものになってくる。結局、タナの指示はある意味アバウトなわけ。

船によって30m、40m、50mとバラつくのであれば、それはエビング的には30mから50mまですべてでチャンスがあるということ。幅広く攻められるのはエビングの利点でもあるわけだから、なるべく広く探ったほうがいい。

▲船団の中で釣ることが多いエビングゲーム。自分が乗る船だけでなく、他船からもたらされる情報にも敏感でありたい。

栗山 3つ目に大事にしていることは、ワームの先までコントロールしている、と思える状態にしておくこと。ダメだな、と思ったらすぐに回収します。ハリスを真っすぐにしておくことも含まれますが、ジグの状態、ハリスの状態、ワームの状態を感じ取れるようすることが大切。集中していると近くをキハダが
通るのが分かることもある。

詰まるところは流れを感じる、ということなのかな。そのためには自分の体とタックル全体が一体化する感覚を掴んでおきたいですね。

自分のなかで理想的な動きが出たときにヒットすることが多いから、その感覚を追い求めて同じ動きを繰り返している、ってことです。ジギングである程度やり込んでいる人は釣れそうな感じとか、釣れそうな抵抗感を感じ取れる人はけっこういるでしょう。それがエビングにも当然あるということです。

エビングの場合、ジグとワームの動きが互い違いになることが多い。これでも釣れないわけではないけれど、やはりコントロールして釣る感覚は欲しい。だから潮噛みが甘くて、いまひとつコントロールできていないな、と思うときには、ワームの大きさや数、刺し方などを変えますね。

村越 エビングで釣れないシャクリってないんだよね。それでも、抵抗感は大事。動かすのはジグ、ワームは意図的に動かすというより、抵抗感を通してこう動いているだろうな、と想像する感じだよね。それはジグから先のハリス、ハリ、ワームのセッティングの状態によって変わってくること。ワームの動きが悪いからこう動かしてやろう、というところまでは出来ないけれどね。

抵抗感が少なければハリスが弛んでいるな、と想像できる。そうしたらワームを大きくしたり、ひとつだったのをふたつ付けるたりすることでハリスを張ることができる。

大前提として、タックルは使い慣れたものでなければ感じ取ることは難しい。より繊細に感じようとするなら、自分が使っているタックルに慣れることはとても重要だよね。

そうして情報を集めながら、過去に自分が釣れたときの抵抗感と同じ抵抗感を作り出したいわけ。そのために潮が止まったと思ったらワームを大きくして無理やり抵抗感を増やしたり、ラインが横になびきすぎていたらジグを重くしたりしてラインを立ててやるといった工夫をする。

要は釣れたときの経験をどれだけ積み重ねることができるか、だと思う。バラバラのタックルセッティングや釣り方でやっているとイメージとして蓄積しづらい。まず今年はこのタックル、この釣り方、と決めて釣っていく。そして何回かのヒット経験を得ることができれば、この角度で、この抵抗感でシャクれば喰う、というイメージが出来上がる。

栗山 喰った瞬間のことは、けっこう強烈に覚えているんですよね。

村越 それは栗山くんがある程度やり込んでいるからだよ。一般的には覚えていないって。パニックになっちゃう人もいるし。

栗山 僕も最初はそうでしたよ。でも、半信半疑の中から感覚を掴んできたんですけどね。

▲村越正海。ショア、オフショアと幅広くソルトルアーの世界を切り拓いてきたパイオニア。ダイワフィールドテスターを務めるほか、セイカイコレクションを主宰。

▲栗山佳尚。ダイワフィールドスタッフとして活躍。ルアー船の船長経験を生かした、複眼的な見方でフィールドを捉える名手だ。

(文中敬称略)

【この記事は2021年7月現在の情報です】

【村越正海×栗山佳尚】相模湾エビングキハダ対談【Part 1】はこちら>>>

【村越正海×栗山佳尚】2人のエキスパートが語る、相模湾エビングキハダ対談【Part 1】

【村越正海×栗山佳尚】2人のエキスパートが語る、相模湾エビングキハダ対談【Part 1】

2021年09月10日

【村越正海×栗山佳尚】相模湾エビングキハダ対談【Part 3】はこちら>>>

【村越正海×栗山佳尚】2人のエキスパートが語る、相模湾エビングキハダ対談【Part 3】

【村越正海×栗山佳尚】2人のエキスパートが語る、相模湾エビングキハダ対談【Part 3】

2021年09月11日

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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