山本啓人流スーパーライトジギング【Part 1】
SALT WORLD 編集部
- 2021年10月26日
スローピッチジャークを自身のスタイルの核に、各地でさまざまなジギングを展開している山本啓人さん。ここでは玄界灘をモデルフィールドに、得意とするスーパーライトジギング、山本流攻略術、愉しみ方を3回にわたって紹介する(文中敬称略)。
ターゲットが多彩な玄界灘SLJでも存分に楽しめる!
「僕はスーパーライトジギング(以下、SLJ)を、ベイトフィッシュなどが極端に小さい場合に、サイズをマッチさせることができるジギングスタイル、と考えています。つまり、ライトジギングのひとつという考え方です。フィッシュイーターのなかでも小さいベイトフィッシュや甲殻類などしか食べられない魚、雑食性の口の小さい魚までもターゲットにできる釣りだと思っています」
自身のSLJを以上のように定義付ける山本啓人。具体的なタックルとしてはメインラインがPE1号まで、ジグウエイトは80gまでをイメージした釣り、としている。
「攻める最大水深は60mが目安。その中で船を立ててバーチカルで釣るのか、流してドテラで釣るのか、の違いで釣りは大きく変わってきます」
日本各地を釣り歩く山本だが、とりわけ玄界灘には大きな魅力を感じている。
「SLJでなんでも狙える、ターゲッの豊富さが玄界灘の魅力。大都市である福岡の近くから出港してすぐの場所でも多彩な魚が釣れますし。いろいろな切り口で楽しめるフィールドです」
▲人数や船、状況にもよるが、玄界灘ではドテラ流しで釣ることが多い。スピニング、ベイトとタックルを効果的に使い分けていきたい。
プロアングラーとしては、SLJしばりで釣ることも多い山本だが、一般的には、通常のジギングと織り交ぜて展開していくスタイルがおすすめ、という。
「普通のジギングタックルと一緒に持参し使い分ける、というのもいいでしょう。ブリやヒラマサを狙った結果、もう十分に釣ったからSLJで楽しむ、もしくは全然釣れないからSLJで根魚やイサキを釣ってお土産として持ち帰る。どちらもありだと思います。そうしたなかで、イサキの習性を研究したり、近海でのマダイの喰わせ方を深堀りしたり、SLJでのシーズナルパターンをチェックしていったりと、楽しみ方は無限大だと思いますよ」
▲破損を気にすることなく、ロッドを存分に曲げ込み、視覚的にも楽しむ! フルソリッドロッドを使ったスーパーライトジギングの魅力のひとつだ。
ブリ、ヒラマサ狙いが主軸となる青物攻略術
玄界灘といっても広大ではあるが、ターゲットは共通して大きく4つに分けることができる。それぞれに狙い方に特徴があり、意識的に釣り分けることも可能だ。それぞれの山本流攻略術を紹介していこう。
青物狙いでは、ブリ、ヒラマサがターゲットとして挙げられる。これらを狙うとき、最初に意識するのはレンジだ。攻めるべき遊泳層を把握し、その中を速く巻いて攻めるのか、遅く巻いて攻めるのか、で反応を探っていくのが山本流だ。
▲ヤズとブリしか呼び名はないが、そのいずれのサイズもヒットしてくる可能性があるのが玄界灘の魅力のひとつだ。青物狙いのときはフロントフックのみでもOK。
たとえば、ターゲットがサンマを捕食しているようなときは、直線的なジグアクションを意識し、キャストして横方向に攻めるのが効果的となる。アジなどを捕食しているときは、バーチカルにジグを回しながら攻めていく。キリモミ状態になっている魚を演出しながら、速度変化で喰わせていくことをセオリーとしている。
ブリはスライドアクションではなくフォールを意識する。スローからミディアム程度の速さのワンピッチアクション、これにフォールをまぜたりするのが効果的だ。魚に喰わせる間、時間を与えてあげると好結果につながる。
ヒラマサはアスリート体型で小回りが利く魚。スライド距離を長く、速度を上げて大きなアクションを演出するのが効果的だ。ロングタイプのジグが大きなアクションを演出しやすく有効だ。ブリだったら追いきれないが、ヒラマサだったら追いつくというイメージでスピードを使い分けていく。
▲巻きで喰わせたいときは脇挟み、フォールで誘いたいときは肘当てとグリップスタイルを使い分けるとよい。
【この記事は2020年2月現在の情報です】
山本啓人流スーパーライトジギング【Part 2】はこちら>>>
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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