山本啓人流スーパーライトジギング【Part 3】
SALT WORLD 編集部
- 2021年10月27日
スローピッチジャークを自身のスタイルの核に、各地でさまざまなジギングを展開している山本啓人さん。ここでは玄界灘をモデルフィールドに、得意とするスーパーライトジギング、山本流攻略術、愉しみ方を3回にわたってお届けする。
3回目の今回は、山本流タックルセレクトを紹介(文中敬称略)。
玄界灘ではPE1号を基準にリールもやや大型を使用する
スーパーライトジギング(以下、SLJ)限定であっても、山本にとってベイト&スピニング、両タックルは必須だ。
浅く、広い瀬を斜め引きして攻めていくような時にはスピニングタックルの出番だ。横に追いかけることを得意とする魚、たとえば、青物、サワラにも効果的。こうした攻略法はときにイサキにも有効となる。
対して、ベイトタックルは、漁礁周りや立ち上がった形状の根を、バーチカルにピンポイントで狙うようなときに活躍する。あらゆる魚種に有効だが、とりわけまっすぐ上に追いかけることが好きなマダイ狙いには使いやすい。
「あとはフォールを強く意識するかどうか、ですね。ベイトタックルのほうがフォールさせやすく、幅のコントロールもしやすい。遊泳力の劣る魚にはベイトタックルをあえて使う場合も多いですね」
山本が使用している玄界灘用SLJタックル、その具体的な製品をチェックしていこう。ロッド、リール、ライン、ジグ、すべてがシマノ製となる。
▲取材日、山本が船上に持ち込んだSLJタックルはスピニングとベイトを2セットずつ、計4セット。本気でやるなら、このくらいは必要!?
ロッドはオシアジガーLJシリーズを使用。ベイトはB65-0/FS、B62-1/FS、スピニングはS 65-0/FS、S62-1/FSをセレクトしている。
「オシアジガーLJシリーズは、釣っていて楽しい、ということが一番の魅力ですね。魚を掛けて、ロッドを曲げて、リフトする、という流れのなかでトラブルがとても少ない。使っているのはすべてフルソリッドモデル。十分な強度があるのはもちろん、ハイパワーXフルソリッドを使用しているので、これまでのフルソリッドロッドの弱点がすべて解消されています。軽いし、感度もあがっているので、老若男女、楽しみながら使ってもらえると思いますよ」
ロッド全体が曲がって復元するのでとてもトルクフル。魚に主導権を与えずにやり取りが可能なので、不意の大物にも余裕をもって対応できる、とも付け加えた。
スピニングリールは、ツインパワー4000PG、4000MHGを使用している。
「PE0・8号なら3000番、1号なら4000番という使い分けをしています。大型の魚、多彩な魚がヒットしてくる玄界灘では1号を使いたいので、4000番を使用しています」
▲いつでも大型魚がヒットしてくる可能性がある玄界灘。あまりに細いラインの使用は危険だ。山本はPE1号を標準としている。
ヒットが想定される魚のサイズに合わせてPEラインを選択、リールをチェンジするという考え方だ。また、玄界灘ではときに深いポイントも攻める。ジグアクションを演出しやすい、4000番のひと巻きの巻上げ量は武器となる。
ベイトリールは、グラップラープレミアム150XG、オシアコンクエストCT200HG、オシアコンクエストリミテッド300HGなどを、想定される魚の大きさ、ポイントの水深などで使い分ける。
メインラインはオシアジガーMX4、オシアEX8PEを使用。1号を基本に、イサキしか釣れないようなフィールド、エリアなどでは0・6、0・8号も使用する。
リーダーはオシアジガーリーダーマスターフロロを使用。メインラインが0・6号、0・8号の場合は4号、1号の場合は5号を、それぞれ約3m、PRノットかFGノットで結節する。キャストすることが多いスピニングタックルではFGノットを多用する。
手返しよく攻めてからレンジを刻んでフォロー
メインジグは、オシアスティンガーバタフライガトリンライトTG40、60g、オシアスティンガーバタフライフラットライト30~80gの2つだ。
「速く巻いて手返しよく釣る、サーチベイトの役割を担ってもらう、という意味で、オシアスティンガーバタフライガトリンライトTGから使っていくことが多いですね。オシアスティンガーバタフライガトリンライトTGに反応がない場合、オシアスティンガーバタフライフラットライトにチェンジして、フォール主体にレンジを刻んで攻め、いろいろな魚にアピールして釣っていくパターンを試します」
▲山本のメインジグ。写真上がオシアスティンガーバタフライガトリンライトTG。40g、60gともに使用。写真下がオシアスティンガーバタフライフラットライト。30~80gまでを使用。多くの場合、この2つのジグで攻略可能だ。
以上の2アイテムをカバーする存在として、多彩なアクションとジグサイズの変化という観点から、オシアスティンガーバタフライぺブルスティック80g、同サーディンウエバー100gも使用する。超マイクロベイト対応のファイナルウエポンとしてアジング用のソアレTGエース30、40g、メタルショットTG32、40gを投入することもあるという。
▲スライドアクションとロングシルエットを求めるときには、オシアスティンガーバタフライぺブルスティック80g、同サーディンウェバー100gも登場。
▲超マイクロベイトパターン時には、アジング用ジグのソアレTGエース30、40g、メタルショットTG32、40gを使うこともあり。
来た! デカイ! そんなときの山本流ファイト術
大前提となるのはドラグ設定。
「僕は緩めに設定しています。スピード&トルクがある魚がヒットした場合、ファーストランの初速で切っていくこともありますから。緩めのドラグで余裕を持ちながら、ファイト中にサミング、フェザーリングで、じわじわと止めていき、頭が向いたら一生懸命巻く、という感じです」
走られても巻き上げた分まで走られなければ、根をかわすことはできる。この動作を繰り返すことで寄せてくる。無理に引っ張りっこをしないで、魚の頭を自分の方に向かせるようなやり取りを心掛けることが大切。
相手が大きいときはロッドを下げ気味に、ストレートに近いファイトでやり取りしていれば、魚を常に自分の方に向けてファイトを展開できる、という。ぜひ参考にしたい。
【この記事は2020年2月現在の情報です】
山本啓人流スーパーライトジギング【Part 1】はこちら>>>
山本啓人流スーパーライトジギング【Part 2】はこちら>>>
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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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