コマセ船のミヨシで狙う!相模湾カツオジギング【前編】
SALT WORLD 編集部
- 2021年10月24日
相模湾では、8月の「コマセキハダ・カツオ船」がスタートするとそのミヨシでカツオをジギングで狙うことができるようになる。今シーズンは、小型のカツオが多いもののなかなか難しいシーズンであったがまだまだ水温は高く、また新たな群れが入る可能性もある。そこでここでは、そのノウハウを紹介。特殊なスタイルであり、より確実に釣るためにはいくつかの決まり事、テクニックが必要だ!
魚影が濃かったが難しい相模湾カツオ
毎年、8月になると相模湾のキハダ・カツオコマセ船がスタートする。例年であれば、開幕から少し経つと、キハダがコマセに付きだし、連日のように釣果が出て、沖のコマセ場ではエサ釣りの船が大きな船団を作る。だが、今年の相模湾はキハダの入りが悪く、いつものような盛り上がりに欠けていた。一方、カツオは多くいた。だがこちらも、なかなかコマセに付かず、さらにサイズは小さめが多かった。シラスや、それを少し大きくした程度のイワシを捕食している状況が長く続き、コマセ船でも大爆釣という日は少なかった。
それでもカツオ好きのルアーアングラーが、各船のミヨシを陣取り、ジグでカツオ攻略を楽しんでいた。イワシに付いているとはいえ、あまりに小さく、ジグでもその攻略は難しい状況。ただ釣る人は釣る。その一人が、撮影に同行してくれたサプライズの椙尾和義さんだ。
ではその秘訣とは何なのか?コマセ船のミヨシでのカツオジギングの基本とともに、より釣るためのコツをお伝えしたい。
▲毎年、カツオジギングで本誌がお世話になっている平塚の庄三郎丸。大型船でコマセキハダ&カツオで出船しており、そこにお邪魔してジギングで探らせてもらう。取材日は、後藤久船長の操船で出船!
カツオの引きに対応するタックルが必要不可欠
まず、コマセ船のミヨシでカツオを狙うタックルは、これまでの多くのアングラーの経験からPE2号が基本となる。使用するジグは、小型の50〜80ℊ程度のものが良く、それを指示ダナまで素早く沈めるためには、ある程度の細さが必要だからだ。
そしてヒット後は、カツオをむやみやたらに走らすことができないことが言える。カツオは、ヒット後にものすごい勢いで走る魚。同じサイズのマグロ、イナダなどと比べると、その差は歴然である。その引きに対して、もたもたやり取りし、ラインをどんどん出されたのでは、船の後方のコマセ釣りの道具に絡んでしまうからだ。コマセ釣りの仕掛けは、PE8号を使用。しかもテンビン、ビシも付いている。それに絡まってしまっては、PE2号では確実に負けてしまい、ラインブレイクしてしまう。そのため、可能な限りのドラグ値にリールをセッティングし、そのドラグ値に耐えられるロッドが必要になる。
そしてそのドラグ値は、ズバリPE2号なら4〜4・5㎏ほど。PE2号なら、通常13〜15㎏ほどの強力がある。その1/3〜1/4というわけだ。8本撚りの出来る限り強いPEを選びたい。
▲相模湾のカツオジギングは、コマセ船のミヨシに乗せてもらって行う。しかも船団の中で釣ることが多い。同船の後ろのコマセの釣り人、他船に迷惑をかけないためにも、使用ラインPE2号に対して、ドラグ値は4.5㎏ほどに設定し、ヒットしたら、しっかりコントロールすることが大切だ。
またカツオのナブラが船の前や横で出ることもあり、さらにコマセ釣りの仕掛けと出来る限り重ならないようにするために、ジグを軽くキャストして探るほうが良い。そのためタックルはスピニングが良い。
そしてヒット後は、できるだけミヨシで完結させる。カツオの走りをいなしつつ、巻けるときはどんどん巻く。抜き上げられるサイズであれば、リーダーまでしっかりリールに巻き込み、躊躇せずに抜き上げたい。
抜き上げたら素早くカツオを外し、できることならすぐにジグを投入したほうが良い。喰う群れ、なかなか喰わない群れがある。テンポよく釣り上げていくことが、釣果を伸ばすコツでもある。
リーダーは、35lb、40lb。これを4ヒロほどと、長めに接続しておく。長めにするのは、コマセ釣りの仕掛けとオマツリしてしまった時の対処と、カツオが船底方面に走った時に、船底での擦れによるラインブレイクを避けるためだ。そして1尾カツオを釣り上げたら、リーダーにキズが入っていないかチェックすることも重要。キズがあればすぐに結び直したい。
さらにアシストフックのフックの強度も吟味することも大切。強めのドラグ値でやりとりするため、弱い細軸のフックでは伸びてしまう。ただ大きく太すぎても、タッチするようなカツオのアタリがあった時に、ハリ掛かりが悪い。太すぎず、細すぎずといったフックを吟味して選んでほしい。
加えて、アシストフックはフロントに1本がベストだ。2本タイプだと、口とエラなどに掛かった時に、カツオをコントロールしにくい。同様の理由から、テールにフックを装着するのは避けたい。また1本であれば、激しく暴れるカツオからフックを外すときも、素早く行え、次の一投に繋げられる。
▲2020年は相模湾内にカツオが長く留まり、良いシーズンと思いきや、なかなか簡単には釣れない状況が続いた。しかも小型が多かった。だが釣る人は釣る。素早いアプローチと、タナをしっかり合わせることが重要だ。
【この記事は2020年11月現在の情報です】
コマセ船のミヨシで狙う!相模湾カツオジギング【後編】はこちら>>>
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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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