茨城県・鹿島沖のスーパーライトジギング!【後編】
SALT WORLD 編集部
- 2021年11月06日
長きに渡り関東のジギングエリアとして知られる鹿島沖。青物ジギングの入門の場所として最適なエリアであり、ヒラマサ、ブリクラスの回遊があると、一気に活気づく。だがそれとは別に、2019年から、様々な魚をターゲットにスーパーライトジギング(以下SLJ)の地として賑わいだしてきている。
そんな、さらなる盛り上がりが期待される鹿島沖での実釣の様子を前後編で紹介。今回は、多種多彩な釣果で締めくくることができた後編をお送りする。(敬称略)
ロッドは取り回しの良い専用モデルがベスト
ちなみに取材時に栗山、戸出は、ブラストSLJエアポータブルの63MLS–S、キャタリナBJエアポータブルの64MLS–METALといったロッドを選んだ。リールは、栗山がバリスティックLT4000–C、ブラストLT4000–CH。戸出はバリスティックLT3000、SLPW–イグジストLT3000をセレクトした。ラインはPE0.6号、0.8号だ。
「キャタリナの64MLS–METALは、メタルトップなので感度が良く、ジグが潮に噛んでいるかどうかも分かりやすく、アタリも明確です。長さとしては、鹿島は軽くキャストして探っていくのがメインで、乗合船でお客さんが多いと動ける範囲も限られてくるので、6ft前半の長さのモデルが使いやすいですね」(栗山)
▲取材時の使用ロッドは、ブラストSLJ エアポータブル63MLS-Sと、キャタリナBJエアポータブル64MLS-METALの2種類。リールはバリスティックLT4000-CとLT3000、ブラストLT4000-C、SLPWイグジストLT3000をセレクト。ラインはPE0.6号、0.8号だ。
SLJは、今までひとつテンヤをやっていた人でロッドを持っているなら、それでも対応できる。ただ取り回しが悪い。やはりSLJ対応ロッドが使いやすいという。
「ロッドパワーは、鹿島ではポイントが浅く、メインで使うのは60gほどまでのジグが多いので、MLクラスが丁度よいと思いますよ」(戸出)
ただヒラマサやブリが回ってくることもあるのが、この鹿島沖。そんな情報が入った時は、それに合わせた通常のジギングロッドを持参したほうが良いと栗山は言う。ただこの海域は根がきつい場所ではない。平場に回遊してくる個体となるため、栗山はライト目のタックルをチョイスしている。そのほうが獲りやすいとのこと。ラインは1.5号、2号を使用し、ジグは100~150gだ。
▲ダイワのSLJ 対応ジグは、フック付きで発売されているが、ハリ先が甘くなった時のことを考え、交換用フックも準備しておきたい。また細いラインを使用するため、ラインの縒れも気にしたい。DスイベルSSを使ってジグを装着すれば、ばっちりだ!
アタリが多いSLJだから飽きない
戸出の一尾目のイナダの後、すぐに群れが周囲に回遊していると判断し、ジグを速めの動きに変え栗山もヒットさせた。しかしこちらはワカシサイズ。「なんだよ~。小さくなっちゃったよ~」と言いつつも笑顔。魚とのやり取りは楽しそうだ。ライトなタックルであるため、引きも存分に楽しめる。そしてアタリもこの釣りは多い。だからこそ、大型の魚をストイックに狙ってきた人までも夢中にさせてしまうのだろう。栗山もその一人だ。
そして栗山、戸出の二人は青物を数匹釣り上げた後、「そろそろマダイを釣りたいですね」と口を揃えた。記者としても、いろいろ釣っていただきたい。
するとすぐに戸出が小さなアタリを捉えた。マダイらしき引きを見せるが、強くはない。すんなり上がってきたのは予想通りマダイだが、かわいいサイズ。すぐにリリースし、次のマダイを狙っていく。
▲こんな小ダイがヒットしてしまうこともある。小さいものは、丁寧に扱いリリースしたい。
「秋はマダイが固まりやすいです。だけどそのポイントにいつ入るのか分からない。だから常に探っていることが大切と言えます。ただ、タックルがライトだから体力の消耗も少なく、ずっとやり続けられます。巻きスピードの調整などで釣果の差も出るので、あれこれ試しながらやっていると飽きないですね」(栗山)
ちなみに前日の午後もマダイが日中にパタパタと釣れたようだが、夕方になるとアタリが遠のいたという。濁りがきつく、マダイがジグを見つけにくかったのではないかと栗山は推測する。ただこの日は、若干濁りが薄れてきていた。「昨日は、ジグの色でアタリの差が大きく出ました。濁りがあったので、やはり金ベースが良かったです。陽の光が少ないときも金ベースが良い。澄んでいる時はシルバーベースも良いので、釣行時は両方用意しておくと、釣り場で対応しやすいですね」(栗山)
その後、一時間ほどアタリが遠のいたが、まず戸出が掛けた。そしてそのすぐ後に栗山が掛けた。ダブルヒットだ。ともにその引きから、マダイだと言う。マダイの溜まっている場所に、船が入ったようだ。そして船べりに姿を現したのは、二人の予想通りにマダイ。2人は満面の笑顔だ。
その後、またイナダタイムがあったが、記者としては、そろそろ次の魚種を追加してほしいといったところだ。そんなタイミングで、戸出がジグをこれまでの金ベースからシルバーベースに交換した。
「ヒラメをそろそろ釣りたいと思い、シルバーのほうが良さそうだとの判断です」(戸出)
すると、ほどなくして戸出ではなく、栗山が掛けた。それはヒラメであった。
「着底してすぐにヒットしてきました。底潮が効いてきたのかもしれませんね。このヒラメは底付近で喰ってきましたが、時には中層くらいまでジグを追いかけてきたり、ジグが底から離れていても飛び上がって喰いつくこともあります。ヒラメ狙いだからといって、底だけでなく、きっちり中層辺りまで探ることが大切です」(栗山)
▲そろそろヒラメの写真も欲しいと記者が思っていると、栗山のロッドが良い曲がりを見せた。やりとりの末、上がってきたのはヒラメ。さすがです!
栗山にヒラメの釣果を取られた戸出だが、その後に皆の注目を集めた。強い引きの魚を掛けたのだ。「何だ、何だ?」と栗山と撮影スタッフは興味を示す。そして水面に姿を現した魚を見て、戸出が「タイガ~」と叫んだ。良いサイズのトラフグである。この釣果に、戸出自身、そして皆の笑いが絶えない。
▲終盤、戸出にも鋭いアタリ。その引きからマダイではないと分かったため、何が上がるかとワイワイしゃべっていると、上がってきてびっくり。なんとトラフグだった。船中、大盛り上がり。
さらに終盤になると、魚によるラインブレイクが何度かあり、フグかと思いきや、栗山がしっかりその魚を掛けた。それは美味しそうなサワラであった。そしてこの日の釣りをしっかりと締めてくれたのだった。
▲最後にきっちり釣行を絞めてくれた栗山。美味しそうなサワラをキャッチ。「ラインが切られなくて良かった~」(栗山)
「鹿島沖のSLJは、これからどんどん広がっていくと思います。マダイジギングをやっている人はすでにいますが、小型のジグで色々な魚が釣れると分かれば、他の船宿も興味を示してくるでしょうし、新しいポイントなどの開拓も、より進んでいくと思います。一年を通して、楽しめるエリアとなるでしょう」(栗山)
「鹿島はまだ数回ですが、面白いエリアですね。マダイ、ヒラメ、サワラ、そしてオマケのトラフグと高級魚ばかりでした。都心からアクセスもしやすいですし、冬、春、夏とチャレンジしたいですね」(戸出)
これから楽しみな鹿島沖。そして何よりも、SLJは手軽に、気軽に楽しめ、そして誰が釣っても盛り上がるのがいい。この取材も、終始笑顔が絶えない和気藹々とした雰囲気だった。
【この記事は2020年2月現在の情報です】
茨城県・鹿島沖のスーパーライトジギング!【前編】はこちら>>>
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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