玄界灘のヒラマサキャスティングゲーム! 2人のエキスパートが魅せるヒラマサ攻略【PART3】
SALT WORLD 編集部
- 2021年11月24日
屈指のヒラマサフィールド、玄界灘。一年を通して、大型ヒラマサを狙うアングラーが集結する、人気フィールドでもある。
ここでは2人のエキスパートアングラーの、2日間の釣りを全3回にわたって紹介する。
ひとりはご存知、鈴木斉。もうひとりは、「サンライズ」の名キャプテンとしても知られる、田代誠一郎だ。(文中敬称略)
最終回となる今回はいよいよ釣行2日目。初日にも7~8kgのサイズをあげていたがこの日は鈴木がエキスパートアングラーたる所以を見せることとなった。
玄界灘のヒラマサキャスティングゲーム! 2人のエキスパートが魅せるヒラマサ攻略【PART1】はこちら>>>
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2人のエキスパートが魅せたオオマサとの完璧なやり取り
釣行2日目。この日は若潮の一本潮。それだけに早朝に迎える満潮からの下げ始めに期待がかかった。鈴木はアピールを重視し、オシア 別注平政220Fキョウリンオレンジをセレクト。キャストを繰り返した。しかし、矢継ぎ早にオシア 別注平政190Fにサイズダウン。前日とはうって変わってシイラの姿が見えず、ダツが追われる姿を見たことをきっかけにオシアワイルドレスポンス240Fへとチェンジしていった。
期待の朝マヅメは空振りに終わった。鈴木は意を決したように新作のオシア ヘッドディップ175Fフラッシュブーストにチェンジ、しばらくキャストを繰り返した後、200Fへとサイズを上げた。
「フラッシュブーストを搭載したオシア ヘッドディップフラッシュブーストは、水中にギラギラっとした光を発するので、集魚効果がとても高いルアーです。アクションと泡だけの一般的なルアーより、遠くの魚にアピールする気がします。とくに水中に潜ってヒラを打ったときは、光がより拡散されるのでバイト率アップに役立っていると思います。水中から浮き上がってくるときにも光り続けますし、浮いて漂っているときにも光を発してアピールしてくれる。まとわりつくような魚、よくルアーを見る魚に対しても、よりバイトを引き出す力があると信じています」(鈴木)
▲スタートフィッシングは、早朝のワンチャンスに期待し、近場で小手調べ。残念ながらバイトは得られなかったが、朝マヅメは逃したくない、というのがアングラーの性。
根周りを丹念に探り続けたものの沈黙の時間だけが過ぎていった。足下で水深25m。瀬のトップ周りのピンポイントに近づいた。キャストを繰り返す鈴木から声が漏れた。ミスバイトだ。すぐに続けてバイトを得たが、これも一瞬だけハリに乗って外れた。うねりはあるものの風は微風。潮の流れは0.1ノット。ヒラマサのバイトに荒々しさがない。しかし、直前のバイトから数投後、絡むような動きを経て、ドンッと出た。
容易なポイントではないことは鈴木も承知していた。大きく弧を描くオシアプラッガーBGフレックスエナジーS83H。それでもラインはジリジリと出ている。ヒラマサの走りをロッドの粘りとスムーズなドラグの滑り出しでいなし、真下ではなく斜め方向へと走るようコントロールしていた。一瞬、ヒラマサの走りが止まった。このタイミングを逃さず、鈴木と田代は視線を合わせた、と同時に船がフォロー。鈴木はグイグイとラインを回収した。完璧なタイミングでのフォローが決まり、鈴木とヒラマサの緊迫の勝負は決まった。以降は危なげない誘導でネットイン。相手は22㎏のデカマサだった。そして鈴木にとってはレコードフィッシュでもあった。
「直前に2回のミスバイトがありました。波はあっても潮の流れがほとんどないので、喰いが浅いのかな、と判断しました。それまでは水面を滑らせるようにルアーを動かしていたんですが、水に絡むよう、少し潜らせるような、間を取るような動きに変えました。1回、ボカンと出て乗らなかったんですが、そこで間を取ったらドンッと出た。これはフラッシュブーストの効果かな、とも思います。止めておいても、ルアー内部のプレートが動いて誘ってくれた。水に潜らせて絡ませたので、乗りやすくなったのかな、とも思います」(鈴木)
度重なるルアーチェンジ。そして、それぞれのルアーへのミスバイトから活性の低さを認識。最後は完璧にアクションをアジャストして仕留めた。見事なルアーローテーションだった。
▲オシア ヘッドディップ175F、200Fフラッシュブースト、オシア 別注平政190F、220F、オシア ワイルドレスポンス240F。以上が鈴木と田代が共通して挙げた、玄界灘ヒラマサ攻略のマストルアーだ。
▲狂鱗バージョンのオシア スポウター150Fにチェンジする鈴木。「速く移動する動きのルアーに反応しにくいとき、効果を発揮することが多い」という。ポッパーは、ちょっとしたトレンドだ。
「ロッドが硬すぎると相手が逃げて根ズレにつながりやすい。でも、オシアプラッガーBGフレックスエナジーS83Hは、よく曲がり、バットで耐えてくれるので、魚の走りをいなしてくれた。おかげであとは余分なラインをリールのトルクと巻き取りスピードを生かして回収、というファイトを展開できた。バットのトルクで魚の引きを受け止めてくれるので、非常に楽でした。腰を入れてリフトする必要もなく、性能の進化を肌で感じることができましたね。また、ギリギリの攻防が求められる浅場、しかも大型を確実に獲りたいということでは、ちょっとオーバースペックに思われるくらいのステラSW18000HGは心強かったですね」(鈴木)
取材釣行でレコードを更新した鈴木。「持っている」アングラーたる所以だろう。
「ひと言でいえば上出来だったんじゃないでしょうか?バイトは2日間で15回くらい?キャッチは2人で4本。そのうちの1本が22㎏ですから。欲を言うならば、初日の前半戦で、もっと数を伸ばしたかった、ということくらい。2日目も帰り間際に魚が反応しだしたのは残念でした。それでもベストは尽くせたと思います。
飛距離、ルアーのアクション、タイミング、いろいろ探っていく中で、ここでという根のピンポイントに22㎏のヒラマサが居てくれた。ファイトもベストなタイミングでアングラーと船長が息を合わせられてキャッチできた。お互い、あうんの呼吸で獲った、感無量の1本でした」(田代)
サイズを求めての取材釣行だったため、船上の誰しもがチャンスの少なさを覚悟していた。しかし、決して容易ではない状況下にも関わらず、レコードフィッシュを引きずり出してしまった。類稀なるアングラーとキャプテン。その相乗効果たるや恐るべし、と実感した2日間だった。
▲鈴木のレコードとなった22kgのビッグワン。「お互いに、あうんの呼吸でやれた。アングラーと船長が息を合わせてキャッチできた、感無量の一本でしたね」と田代。喜びを分かち合う、最高の瞬間だ。
▲柔よく剛を制す。そんな表現がぴったりの鈴木のファイト。止めるのではなく、ロッドの粘り強さと滑らかなドラグ性能を生かしたライン放出を利用してヒラマサをコントロール。ここぞというタイミングで一気に浮かせる。完璧なファイトだった。
▲必要以上のキープは避けたい。サンライズではレギュレーションを設けてリリースを推奨している。
【この記事は2020年1月現在の情報です】
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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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