アカムツゲームの愉しみ方 中深海&深海ゲーム入門者に西本康生が指南!【Part1】
SALT WORLD 編集部
- 2021年12月30日
水深にビビり、デビューに二の足を踏んでしまいがちな中深海&深海ゲーム。しかし、タックル&タクティクスの熟成が進んでいるいま、中深海&深海ゲームは誰もが楽しめる釣りへと変貌を遂げている。ディープゾーンへの入門に最適なアカムツゲームの魅力、そして釣法に関する全体像を、マスターアングラー、西本康生が紹介する。
より深場へと導いたチャレンジ精神!
スローピッチジャーク(以下、SPJ)を武器に、アカムツ、キンメダイ、アブラボウズと中深海、深海のターゲットを追いかけてきた西本康生。しかし、ディープゾーンのターゲットに目を向け始めたのは消極的な理由からだった。
「具体的なきっかけは10年ちょっとくらい前に、当時のホームグラウンドのひとつ、静岡県御前崎沖のカンパチが釣れなくなってきたこと。そこで、なにか面白い釣りはないかな、と調べ出したのが最初です。
その後すぐに、アカムツ狙いでは遠州灘に通いました。ジグでやるんだったら浅いところがいいね、ということで110mくらいから挑戦しました。当時は魚が多かったので、浅場でもよく釣れましたね。食べるのにもハマった。食べて美味しいというのはアカムツ狙いの大きな魅力のひとつですから」
アカムツがある程度釣れるようになり、少し深場にはアコウダイもいるなと思いだした。最初にトライしたのは、やはり遠州灘だった。伊豆のキンメダイも並行して狙い出した。
「深海の釣りに関しては、どのくらいの水深まで釣りが成立するのかな、という思いが大きかった。挑戦してみようという感じです。タックル、とくにジグも全然なかったので、ありあわせの600gくらいのジグや、手に入る重いものを何でも使った。それでどんどん深海にのめり込んでいった感じです。
アブラボウズ狙いなどは深海でどんなことが出来るんだろう、という探求心が強かったと思います。でも、いま深海の釣りをやっている人たちも同じ気持ちだと思う。釣ってみたい、挑戦してみたいという、純粋なチャレンジ精神が大きいと思いますよ」
最初の一歩に最適なアカムツゲーム
中深海、深海ゲームの最初の一歩として、西本はアカムツ狙いをすすめる。
「中深海の釣りを200m前後を狙う釣り、と定義付けると、ターゲットはアカムツ、クロムツ、アラといったターゲットが中心になってくると思います。もう少し深くなれば、つまり300m、400m、500mとなればキンメダイがターゲットに入ってくる。
これらのターゲットのなかでアカムツは、全国どこでも釣れる可能性があります。まだまだ開発の余地があるフィールドも多い。エサ釣りなどの遊漁が成り立っているところはどこでも釣りが可能だし、同船で狙わせてくれるところもあります。
反対にジギングのほうがエサ釣りよりも人口が多いところもあります。中深海、深海ゲームの入門にはベストな相手だと思いますよ」
アカムツ狙いの場合、日本全国のいずれのフィールドでも140mから350mほどの水深のポイントを釣ることが多い。北へ行けば行くほど平均的な水深は浅くなる傾向にある。
代表的なフィールドを北から列記してみよう。
東北エリアでは青森県の鯵ヶ沢、深浦沖、秋田県能代沖、男鹿半島沖、山形県の酒田沖などが盛んだ。日本海側では新潟県の佐渡沖、能生沖などのほか、富山湾でも楽しめる。山陰地方は拠点に欠き、少し元気がない。
太平洋側では福島県のいわき沖、茨城県の北茨城沖に加え、犬吠埼沖も人気。東京湾口一帯、相模湾での出船も見られる。静岡県では駿河湾、遠州灘に人気船が点在、愛知県伊良湖沖、三重県新宮沖、高知県は全域、宮崎県、鹿児島県でも楽しめる。
基本的には周年オンシーズン。日本海側は冬場の出船率が低くなる傾向が強いが、沖へと出ることが出来れば十分に釣りになることが多い。
「産卵はホームグラウンドである静岡の場合は秋かな、と思います。ただ、分散して行っている可能性も高いと思います。浅場で釣りやすく、抱卵した型のいいのが釣れるのが秋というイメージですね」
シーズンによる特徴はフィールドによって異なる。これはほかのターゲットと同様だ。
ロッドは使い込み、状況次第で使い分ける
「ロッドは使い込んで、自分に合うものを探すことをおすすめします」
西本はディープライナーのロジカルと、エバーグリーンのポセイドンスロージャーカーシリーズを多用している。具体的にはロジカル60#2~#4、ロジカル70#2~#4、ポセイドンスロージャーカー603-2~4を使い分けている。
ロッドチェンジの基準は、第一にロッドの振り幅が挙げられる。振り幅を大きくしたいときは長めのロッドを選択する。たとえば、大きくジグを動かすと有効なときなどだ。秋の大型魚狙いなどはこのパターンが効く。全体に活性がいいときはジグの動きにキレが出たほうが大型が反応しやすい。こんなときも長めのロッドの出番だ。
対して、ジグを小さく振ったり、より丁寧なアクションの演出を狙うときには、コントロール性が高い短めのロッドを選択する。春は総じておとなしめ、小さく動かしたほうが効果的、というのが西本のセオリー。魚も小さめのことが多く、短いロッドで繊細に狙っていくのが春の基本だ。
ロッドの強さ、硬さの使い分けに関しては、水深とジグの重さの2つがセレクト基準となる。水深が深ければ、ジグが重ければ強いロッドを使用するという考え方がベース。加えて、活性が高いのか、低いのかを考慮する。
活性が高ければジグを大きく動かすために硬いロッド、強めのロッドを選択。活性が低ければ番手の低い、弱めのロッドでジグをダラっと動かしたほうが効果的なことが多い、という。
アカムツゲームの愉しみ方 中深海&深海ゲーム入門者に西本康生が指南!【Part2】はこちら>>>
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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