アカムツゲームの愉しみ方 中深海&深海ゲーム入門者に西本康生が指南!【Part2】
SALT WORLD 編集部
- 2022年01月01日
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タックル&タクティクスの熟成が進んでいるいま、中深海&深海ゲームは誰もが楽しめる釣りへと変貌を遂げている。Part1に続き、ディープゾーンへの入門に最適なアカムツゲームの魅力、そして釣法に関する全体像を、マスターアングラー、西本康生が紹介する。
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リールには軽量、高感度を求めたい
西本はアカムツ用のメインリールとして、スタジオ・オーシャンマークのOGMブルーヘブンL30、ブルーヘブンL30を使用している。
「最初は100m以上ジグを沈めることに抵抗がある人もいると思います。この抵抗感を克服するには、リールの性能が大きく関わってくる。巻き上げのトルクがしっかりあり、適正な長さ、大きさのハンドルを使えば、それほど苦労しなくても楽しめるし、敷居も低く感じてもらえると思いますよ」
軽量であることも大切だ。道具は軽いに越したことはない。重い負荷を感じながら力を使ってジグを動かすのと、小さな力で余裕を持って正確にロッドを操るのでは、疲労感はもちろん、釣果にも違いが出てくるのは当然だ。
感度の差も重視したい。
「水深が深くなることに対応してジグウエイトは重くなる。加えて潮流などの影響で、より抵抗が増えるのが中深海、深海の釣りです。そのなかで軽いロッド、軽いリールがもたらす感度の良さは、とても大切。軽くて力のあるリールは使い勝手がいいし、釣りを面白くしてくれる。よりライトに、より高感度を求めていきたいですね」
ブルーヘブンL30を前提にすると、西本は200m前後を狙う場合はハイギアタイプのS2T、常磐、東北エリアなど、140m前後の比較的浅場を釣るシーンではローギアタイプのPwを使用する。釣りやすさを優先したセレクトだ。350mを超えるような水深を攻める場合には番手をアップして、ブルーヘブンL50を使用することもある。
スッポ抜けに配慮した、万全なノットの製作を!
ラインはスーパーファイヤーラインカラード1号、1.2号を使用している。着底感、アタリの伝達力、水切れ感など、この釣りで重視される要素のすべてが非常に秀でているからだという。
潮の流れが素直なときは、伸びが少ないとされているタイプのPEラインでも対応は可能だが、通常は明らかにPEラインでは分が悪いという。アカムツ狙いの場合、二枚潮となることも多く、こうした状況では大きく差が出てしまう。
現在、西本は10mごとに色分けされているカラードタイプしか使っていない。大きく駆け上がったりする形状など、海底に変化が出るときは、カラードの優位性は高い。
リーダーはフロロカーボンの4号を約2m結節する。西本のセレクトはよつあみ製、スリム&ストロングだ。 結節はPRノットを使用。スッポ抜けを防止するため、ボビンで巻きつける部分を5㎝ほどと長めに取っているのが特徴だ。
「スーパーファイヤーラインでノットを作るときは、通常のPEラインで作るときよりスッポ抜けに注意を払いたいですね。そのためにもPRノットを作るときに使うボビンは、重めのものを使用するのがおすすめです。ボビンの重量はとても大切。軽いと締り切らず、スッポ抜けの原因になります。メインラインにPE1.2号を使用する場合なら、ボビンとノッターの合計の重さは70~80gは欲しいですね」
ぜひ、参考にしたい。
まずは誰でも使いやすいスパイファイブがおすすめ!
西本はディープライナー製のジグを使用している。ウエイトの目安は180gから400g。
なかでも自身のアカムツ狙いの基本ジグと位置づけており、また、一般アングラーにもおすすめしているモデルがスパイファイブだ。
「基本はスパイファイブでいいと思います。みんな使っているし、普通に釣れるから面白くない、と言われるくらいです。とてもバランスのいいジグなので、誰が使っても安定したいいアクション、釣れるアクションが出るジグです」
ファーストステップとしては、スパイファイブを重さ別に揃え、カラーはグローが入っているものを選んでおけば、あとは好みでいい、と西本。グローカラーについてはシールを使ったチューンでも十分に有効。浅場ではグローカラーがないほうがいいこともあるので、意識しておくとよい。
スパイファイブ以外では、スパイナロー、スピンドル、スピンドルナローを多用しているという。
「スパイナローは後ろに落ちていくスピードが速いので、大型を狙いたいときなどに効果的なことがあります。活性が低いときはスピンドルを多用します。シルエットが小さいジグを大人しく動かすといいときがあるので。
スピンドルナローは、自分のなかでは助け舟になることが多いジグです。動きの幅をコントロールしやすく、ジャーク後のフォールスピードがいい感じでハマることが多い。厳しい状況下でスパイファイブとスパイナローの中間的な動きを演出しやすいのが魅力ですね。スロースキップFB、CXも興味があったら使ってみると面白いと思いますよ」
最重要項目と言ってよい、フックに関するあれこれ
アカムツゲームに限ったことではないが、フックはとても重要だ。
「アカムツは噛みついて捕食するタイプ。吸い込む力は弱いと想定されます。噛みついたジグが滑った結果なのか、口の外から掛かることが多いのが特徴です」
口の中に吸い込まれてから外に抜くイメージであれば、フックポイントが内側に入ったフックがよい。しかし、外から掛けるイメージであれば、ストレートポイントのフックのほうが望ましい。西本はオーナー製、ジガーライトホールド3/0をメインに使用している。
アシストラインはPE10号、フロロカーボンライン1.5~2号の芯入りを使用。フロロの芯入りを選んでいる理由は、噛みつき系のバイトに対応すべく、張りを求めた結果だ。また、使用するジグが重く、暴れやすいので、その動きを抑えて絡みを防止するためでもある。
西本はアシストラインにA.S.S製を使用しているが、現在は入手困難。市販品には同様の製品も多いので、入手は容易だろう。
アシストラインの長さは、魚の反応に合わせて、状況に合わせて替えていくのが基本となる。具体的には2~10㎝の長さでパラレルに2本のフックを結んで使用。長さは5㎜刻みくらいで細かく用意している。長めのものはフロロ芯のバージョンを1.5号、2号と2種類用意している。アシストラインが長くなればなるほど、より張りが欲しくなるからだ。
アカムツ狙いの場合、フロントに掛けていくイメージは薄い。基本的には落とし込んで釣ることが多いので、チェンジするのはリアフックが多い。フロントの長さをある程度決めて、リアで調節していくスタイルがセオリーとなる。
「ジグの動きの感触で、ジグがスッと速く落ちると感じるときは、リアのアシストラインを長くする。遅く落ちているかな、と思うときは短くしていくのがベースの考え方です。後ろに落ちていかない、と思うときは、リアを短くして、フロントを長くするのも一手です」
以上の判断は勘による部分も大きい。経験を積んで自分のパターンを作り上げていくことが大切だ。
いままで釣れていたのに急に釣れなくなった、アタらなくなった、というときは、ジグやフックセッティングのチェンジ時。そのタイミングで上手く替えていけると、アタリが続いていくことも多い。
釣れないとき、それまで釣れていたが潮が変わりバラシが多発するようになったときはフックのチェンジを考えるタイミングだ。
応用編としては、ジグの動きを変え、アタリを出すためにフックチェンジを考えるパターンがある。
ジグの姿勢の変化を出すために、前後の長さを変えてみるのだ。たとえば、リアを長くするとフォールスピードは落ちるけれど、ジグの姿勢変化は出しやすい、小さな力でもコントロールしやすくなる。 潮が速くなったりしたときは、極端にリアの長さを長くするなど、前後の長さを極端に変えて、ジグの姿勢変化を出すのもいいだろう。
ジグを替えるか、フックを替えるか、悩むときもあるだろう。浅いところならジグチェンジより、フックチェンジを優先していい、と西本。動きの変化が小さくできるからだ。大きく動きを変えることになるジグチェンジの前に、小さく探りの手を出すのだ。
それでも、ときにはジグのチェンジと匹敵するくらいフックチェンジの効果が大きく出ることもある。
「これという答えはありません。逆にその場その場で合わせていくのがアカムツ釣りの楽しさだと思います。上手く合わせることができれば、ひとりだけバンバン掛かったりするし、その逆もある。アタリはあるけれど、途中でバレることも多い釣りだけに、ちょっとした工夫の違いが大きく結果を変えることもありますよ」
フックに関しての注意点をひとつ。ストレートポイントのフックを使うアカムツ釣りでは、根掛かり対策でフックポイントを内側に入れ込むことはまずない。根掛かりが少ない釣りであることと、肝心のアカムツに対するフックアップ率がかなり落ちるからだ。
逆に外側に曲げてフックアップ率の向上を狙ったりすることはあるので、覚えておくとよいだろう。
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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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