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細部まで行き届く気遣いと確かな品質が魅力の国内ウエアブランド|PEARL iZUMi

2008年、プレミアムシリーズ。2019年のヴィジョンシリーズ。これまで2度、パールイズミはハイエンドラインを発売している。それによって社内に新たな知見が蓄積され、新しいデザインへの挑戦も行った。ハイエンドモデルの開発と販売は、ウエアメーカーとしての成長を促すプロジェクトでもあった。

その後、東京とパリでオリンピック選手にウエアを供給したことで、トップ選手が要求するレベルのノウハウを獲得。「それを一般ユーザー向けの製品に落とし込んでみよう」という提案から生まれたのが、ここに紹介するプレミアムサミット。ハイエンドラインとしては3作目となる。

ただし、ウエアの進化は写真では理解しにくい。写真で印象に残るのは、デザインのみだ。パールイズミで長年企画開発を担当する佐藤さんにお話しを聞いた。

オリンピック選手のフィードバックを反映

「オリンピック選手からのフィードバックを反映させることから開発はスタートしました。まずは素材。かつては〈汗を吸い込んで拡散させて乾かす〉という生地が主流でしたが、近年は〈汗を貯め込まず、すぐに外に排出する〉という薄く軽い素材がトレンドです。プレミアムサミットでもそれを取り入れました」

細部の作りにも工夫がある。肌当たりを改善するために袖や裾をカットオフとした。汗をかきやすい脇と背中には通気性のいい生地を使うが、ポケットにものを入れても垂れ下らないよう、背中の生地の接着部分をあえて二重にしている。また、レーサーパンツも大きく変化した。「シワが発生しにくい素材にしたほか、ビブがパッドを直接吊り上げる構造にしました。パッド自体も自社開発品で、アジア人向けの新設計です。パッド表面をフラットにし、クッション材をパッド表の生地に接着するのではなく、パッドの生地からフロートする構造に。さらにパッドの後半部分に切れ目を入れて、ペダリング時に左右別々に動き、脚に追従するような作りとしました」

カットオフ化に伴う苦労。背中の6ポケットの作り込み。袖の付け方とカッティング……。ノウハウはまだたくさんあり全部は書ききれない。実際に着て恩恵に与るのが正しい理解の方法だろう。

佐藤 充(パールイズミ 生産部 デザイン課次長)

スキーや登山、クライミング、MTBにロードと幅広くアウトドアスポーツを楽しむスポーツマン。自転車を趣味としていたこともあり、パールイズミに入社する。ウエアの企画や素材開発などに携わる。

続編にて、さらに開発の内容を深堀する(3月22日公開予定)

レーサーからホビーまでフィットするフラッグシップライン PREMIUM SUMMIT(プレミアムサミット)

プレミアム サミット レース ジャージ、プレミアム サミット ベーシック ジャージ

¥19,800(税込)

ブラック
ホワイト
ダークネービー

ジャージは写真の3デザイン。「袖の部分は山の稜線をイメージしました。サイクリストの皆さんが持つ『目指すべきゴール』を山の頂に見立てて、それに向かって走っていくというイメージをデザインに落とし込みました」(佐藤さん)。ジャージにはタイトなレースフィットと、比較的余裕があるベーシックフィットの2種類が用意される。

上半身は体形の違いが出やすいため、ジャージにはレースフィットとベーシックフィットの2パターンが用意される。下半身はどんな体形でも違いがさほど大きくないため、パンツのフィットは1種類でカバーする。
ポケットにものを入れても垂れ下らないように、背面パネルの接着を二重にしてあえて伸びにくく作っている。ポケットは補給食のゴミなどを入れられるように通常のポケットの上にメッシュのサブポケットを追加。

プレミアム サミット ビブパンツ

¥23,100(税込)

ブラック
ホワイト
ダークネービー

ビブパンツもブラック、ホワイト、ネイビーの3色。落ち着いたトーンのウエアが好まれるようになってきたなかで、できるだけ多くの方に選んでほしいという思いから、カラーバリエーションを吟味したという。ちなみに、ホワイトのビブパンツにだけ内側に当て布が縫い付けてあり、汗をかいても透けにくいよう配慮されている。

パッド専門メーカーの既製品を採用するウエアメーカーも多いが、パールイズミはパッドの自社開発にこだわる。「日本人と欧米人では座骨の形に差があるので、日本人に合わせるためには独自開発が必要です」

プレミアム サミットの詳細はこちら

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PROFILE

安井行生

安井行生

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

安井行生の記事一覧

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

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