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洗練された個性でサイクリストを魅了するアメリカンブランド「CANNONDALE(キャノンデール)」

1983年にブランド初となるバイクを発表したその時から、キャノンデールは「人とは違うことをするのが大好きな会社」だった。当時はもちろんスチールフレーム全盛期だが、創業者のジョー・モンゴメリーはアルミの可能性に着
目、キャノンデールの第一号車をアルミフレームで作る。しかも当時のスチールフレームが28.6mm径だったところ、40mmもの大径アルミチューブを採用し、異端児扱いされたという。

しかしこの異端児は有能だった。その後、高性能なアルミフレームを次々にリリース。97年にはアメリカのメーカーとして初めてヨーロッパのプロロードチームに機材供給とスポンサードを行い、ロードバイク作りを洗練させていく。

とはいっても「異端児」というメーカーの性格は不変。世界初のリアサス付きマウンテンバイク、ヘッドショック、レフティ、リアホイールの左右バランスを改善するAiオフセットなど、エンジニアの理想をそのまま形にしたような機構を搭載した個性的なバイクを作り続けた。それら独自機構の中には互換性や汎用性に乏しいものも多く、運用面でユーザーを苦しめることにもなったが、現在はそんなデメリットを解消しつつ、「良くも悪くも理想主義的なもの作り」から「ユーザーに寄り添ったスマートなものづくり」へと変化している。

今一番熱いカテゴリであるグラベルにおいても、キャノンデールは大きな存在感を放っている。スレートをはじめ印象的なモデルを連発するだけでなく、国内外のグラベルイベントをサポート。ニセコグラベルやグラベルクラシックやくらいには「グラベルソファ」を持ち込んで話題を呼んだ。キャノンデールは楽しみ方の提案ができるメーカーでもある。

キャノンデールの創業は1971年。社名は当時の社屋の向かいにあった鉄道の駅名からとられた。
創業当時の商材はバイクではなくバッグを中心としたアクセサリー。83年にブランド初となるバイク、「ツーリング」を発表。大径アルミチューブで作られたこのバイクは、後に一世を風靡するCAADシリーズへとつながっていく。
ヘッドチューブ下に緩衝機構を設けたヘッドショックと、ダブルクラウンのMOTO。積極的に試行錯誤していた時代。
誰もが驚いた片持ちサスペンション、レフティは今も使われる。
欧州プロロード界でも成功を収めている。
グラベル黎明期に発表された伝説的名車、スレート

トップストーンがモデルチェンジ

まだグラベルというムーブメントが胎動を始めたばかりの頃、キャノンデールはスレートというバイクを作り、数寄者から喝采を浴びた。650Bのアルミフレームにレフティを装備した変異種だった。その後、トップストーンに世代交代して人気はさらに高まり、現在は国内外を問わず多くのグラベル乗りに愛されている。

そんなトップストーンがフルモデルチェンジし、3代目となった。先代と比べても見た目は大きく変化していないが、新型のポイントは以下の5つとなる。

  1. フレーム形状のブラッシュアップ
  2. タイヤクリアランス拡張(45mm→52mm)
  3. ダウンチューブストレージの採用
  4. ケーブルの内蔵化
  5. レフティのストローク量アップとジオメトリの最適化

①によってトップストーンカーボン最大の特徴であるリアサスペンション、キングピンがより効果的に動くようになった。②と③はグラベルシーンのトレンドを取り入れた結果だろう。④も現代のグラベルロードとして不可欠なスペックである。⑤は悪路走破性に優れるレフティ仕様の完成度をさらに高めることに直結する。

トップチューブ後端とシートチューブが薄くなり、キングピンを抱くリアセクションがより柔軟に動くようになった。
レフティ仕様では、ストロークが前作の30mmから40mmへと増えた。また、フレームはレフティに最適化されたジオメトリに。リジッドフォークとレフティの肩下寸法も統一され、どんな仕様でもハンドリングが変わらない設計となった。
ダウンチューブのボトルケージの下にはストレージが設けられる。専用のバッグも付属する。

今回はそのレフティ仕様の新旧比較を通して、新型トップストーンカーボンの出来栄えを判断する。

ストロークが10mm伸びてさらに快適になった

Topstone Carbon Lefty AXS

113万5000円(完成車)

「サスフォーク対応」をうたっていても、実際にサスを入れるとバランスが崩れるモデルは多いが、新型トップストーンはレフティ前提の設計になっており(旧型はリジッド仕様とレフティ仕様では肩下寸法が若干異なっていた)、レフティでもバイクの挙動はどこまでも自然だ。そのレフティ、ストロークが10mm伸びているが、それに伴ってサスの推奨エア圧が低くなっていることが大きい。フレーム後半がさらに柔軟になっていることと相まって路面追従性が向上している。試乗したのは情報解禁日前で、高価な未発表バイクを壊してはいけないとハードに走るつもりはなかったのだが、悪路であまりに安定しているので自然とスピードが上がり、気付けばタイヤを滑らせフルストロークさせ土埃を散らす領域に踏み込んでいた。これは乗り手を鼓舞する高性能である。

安井行生

数年前からグラベル遊びにどっぷりはまっている自転車ジャーナリスト。初代トップストーンカーボンはグラベルの本場・アメリカでのローンチイベントで試乗し、同時に担当エンジニアへのインタビューも行った。

ノーマルフォークも肩下寸法がレフティモデルと同じ長さになった

Topstone Carbon LTD Di2

126万5000円(完成車)

新型トップストーンのリジットフォーク搭載のなかで最上モデルとなる電動GRX完成車、トップストーンカーボンLTD Di2。そのほかスラム・APEX AXS搭載モデルもラインナップ。本文にもある通り、新型はレフティもリジッドフォークも肩下寸法が統一されたので、どのバイクを選んでもハンドリングは変わらない。

Topstone Carbon 3 GRX

57万円(完成車)

レフティ仕様の完成車を1モデル、リジットフォーク仕様を4モデル、計5モデルをラインナップする新型トップストーンカーボン。最もお手頃な一台がこのトップストーンカーボン3GRX。リジッドフォークにフロントダブルの機械式GRXを組み付け60万円を切る。写真のオレンジスライスのほかチョークとスモークブラックの3カラーが用意される。

トップストーンの詳細はこちら

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PROFILE

安井行生

安井行生

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

安井行生の記事一覧

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

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