
最新3Dプリントサドルがプロロゴから!「SCRATCH M5 PAS 3DMSS」発表|Prologo

Bicycle Club編集部
- 2025年04月11日
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プロロゴ(Prologo)は、同社の象徴的な多目的サドル「Scratch M5 PAS」をベースに、最先端の3Dプリント技術を全面採用した新モデル「SCRATCH M5 PAS 3DMSS」を発表した。これは、2024年に発表された初の完全3Dプリントカバーを持つ超軽量サドル「Nago R4 PAS 3DMSS」に続くものであり、プロロゴの3Dプリントサドル製品群における重要な拡充となる。本モデルは、実績あるプラットフォームに革新的な製造技術を融合させることで、さらなる高性能化と快適性の向上を実現している。
プロライダーも認める「Scratch M5」の遺伝子を継承
SCRATCH M5 PAS 3DMSSは、既にヨナス・ヴィンゲゴー、エガン・ベルナル、セップ・クス、ワウト・ポエルス、ジョン・デゲンコルプ、ロマン・バルデ、マグナス・コルトといったトッププロ選手たちが実戦で使用し、その性能を証明している多目的サドル「Scratch M5 PAS」と同じ、人間工学に基づいた設計思想を受け継いでいる。特徴的なT字型の形状と、長さ250mm、幅140mmというコンパクトな寸法はそのままに、あらゆるライダーにフィットしやすい設計となっている。また、丸みを帯びたラウンド形状は腰部へのサポートを強化し、長時間のライディングにおける安定性と快適性を提供する。
独自技術「3DMSS」:3Dプリントが可能にしたゾーン別最適化
この新しいサドルの核心技術は、「3DMSS(3D Multi Sector System)」と名付けられた3Dプリントカバーにある。これは、プロロゴが従来モデルで培ってきた「MSS(マルチセクターシステム)」の概念を、3Dプリント技術によって飛躍的に進化させたものである。製造には、高精度な造形を可能にするデジタル光投影(DLP: Digital Light Processing)方式の3Dプリント技術と、パフォーマンスサドルに求められる機械的特性、精緻な立体的解像度、優れた表面仕上げを兼ね備えたエンジニアリンググレードの特殊なポリマー材料が用いられる。
この最先端の製造プロセスにより、サドルカバーを機能的に独立した「後部」「中央」「前部」の3つのセクター(ゾーン)に分割することが可能となった。各セクターは、それぞれが担う役割と接触する身体部位に応じて、極めて複雑な内部構造を持つように設計されている。具体的には、異なる幾何学的形状の組み合わせ(表面のボロノイ形状、ベース付近の菱形形状、四面体形状、カゴメ格子など)、密度の違い、そして弾性係数を精密にコントロールした二重の上部層と下部層で構成される。
- 後部セクション:表面にボロノイ形状、ベース付近に菱形形状を採用。高密度かつ高い弾性係数を持つように設計されており、坐骨結節をしっかりとサポート。これにより、ペダリングにおける引き足(プルフェーズ)での安定性とパワー伝達効率を高める。
- 中央セクション:表面に大きなボロノイ形状、ベース付近に四面体形状を採用。密度は低く、弾性係数は中程度に設定。ライダーの最もデリケートな部分である軟部組織が接触するエリアであり、圧力を効果的に分散し、最大限の快適性を提供する。
- 前部セクション:表面にボロノイ形状、ベース付近にカゴメ格子を採用。密度は中程度、弾性係数は低めに設定。これにより、サドルの先端部分を使ってペダルを踏み込む際(プッシュフェーズ)にも、圧迫感を抑えつつ優れたサポート性能を発揮する。
3Dプリント技術の利点を最大限に活かし、素材の耐久性と弾力性を組み合わせることで、サドルの各部位がそれぞれの機能に応じて最適化され、ライダーの体型やペダリング中の動きにインテリジェントに追従する、かつてないレベルのフィット感とパフォーマンスサポートを実現したのである。
快適性とパフォーマンスを支える基盤技術
SCRATCH M5 PAS 3DMSSは、3DMSSカバーに加え、快適性をさらに高めるための「PAS(Perineal Area System)」テクノロジーも搭載している。これはサドル中央部に設けられたオープンチャンネル(溝)であり、会陰部への圧力を効果的に軽減し、血流を改善することで、長時間のライディングで起こりがちな痺れや不快感を解消する。
サドルの基盤となるベース部分には、プロロゴの高性能モデルで標準的に採用されている射出成形されたロングファイバーカーボンを使用。この素材は、軽量でありながら高い剛性を持ち、同時に微振動を吸収する能力にも優れ、サドルに求められる軽さ、剛性、快適性という要素を高次元でバランスさせている。
レールには、ライダーの好みや予算に応じて選択可能な2種類が用意される。一つは、カーボンファイバー、ケブラー、アルミニウムフィラメントを組み合わせた「Nack(ナノカーボンファイバー)」レール。これは最大限の剛性と究極の軽量性を追求するライダーに向けた仕様である。もう一つは、軽量な合金スチールで作られた「Tirox」レール。優れた強度と耐久性を持ちながら、振動吸収性にも配慮されており、コストパフォーマンスにも優れる。
あらゆるサイクリストへ、最高の体験を
SCRATCH M5 PAS 3DMSSの開発プロジェクトは、元々評価の高い「Scratch M5」の持つあらゆる品質を、3Dプリント技術によってさらに際立たせることを目標に始動した。その結果、ロードレース、グラベルライド、ロングツーリングなど、サイクリストがどのような状況下で長時間ペダルを踏み続けようとも、最高の快適性と最大限のパフォーマンスを引き出すことが可能なサドルが誕生した。プロフェッショナルライダーから熱心なアマチュアサイクリストまで、最高のライディング体験を求めるすべての人々にとって、新たな選択肢となるだろう。
SCRATCH M5 PAS 3DMSS
Nack(ナック / カーボンレール):57,200円(税込)
Tirox(タイロックス / 合金レール):44,000円(税込)
- サイズ:250 x 140mm
- 重量:176g(Nack)、209g(Tirox)
問:メニーズ https://manys.work/
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