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MTBダウンヒル新王者誕生!羽口鉄馬と末政実緒が優勝 第38回MTBダウンヒル選手権

2025年6月開催の第38回全日本自転車競技選手権大会マウンテンバイク・ダウンヒルでは、羽口鉄馬が男子エリート初優勝、末政実緒が復帰戦で18度目の優勝を飾った。幾田悠雅の注目走も。ウイングヒルズ白鳥リゾートの泥コンディションを制した若手とベテランの激闘を詳報をレポートする。

世代を超えた勝負の行方は? 第38回MTBダウンヒル選手権 全日本選手権2025

 

第38回全日本自転車競技選手権大会・マウンテンバイク ダウンヒル インディビジュアルが、2025年6月15日に岐阜県郡上市のウイングヒルズ白鳥リゾートで開催された。男子/女子のエリート、マスターズ、ユース各カテゴリーの予選および決勝が行われ、エリート男子は羽口鉄馬(洛和会音羽病院/アールズサイクル)、エリート女子は末政実緒(SANTA CRUZ)が優勝を飾った。

タイムドセッションは幾田悠雅がトップタイム

マッドコンディションでも攻めの姿勢を崩さない幾田

昨年に続き会場となったウイングヒルズは、現在MTBコースの営業をしておらず、昨年同様、特設コースとして前週末の2日間だけコースオープンして大会当日を迎えた。

初日の土曜は朝から雨となり、コースは全域にわたってウエット。さらに気温も15℃前後と低く、スタートを待つ間のコンディショニングもポイントとなった。

4時間強の試走の後、タイムドセッションが行なわれ、ここで総合でのトップタイムをマークしたのは、アジア選手権ジュニアチャンピオンを獲得したばかりの幾田悠雅(輪娯館/Vittoria)で3分01秒231。以下九島勇気、清水一輝、井手川直樹の順。

先週の試走で、みんなのタイムはだいたい予想できました」と末政

3名のエントリーとなったエリート女子は、3年ぶりに参戦の末政が4分07秒096を記録して1位となった。

泥と雨の予選、過酷なコンディション

羽口は「グリップと転がり重視」というタイヤセッティングで走り抜いた

天気予報の通り、土曜の深夜に大雨となり、コース状況はさらに悪化。至るところに水が流れ、深さの読めない水たまりができた。

そんな中で予選は始まり、エリート女子は末政が4分26秒372で危なげなく首位通過。昨年優勝の原つばさも5分08秒241で2位となり決勝に臨む。エリート男子予選は上位30名が決勝進出とあって、ワンミスで順位が入れ替わる。

ランキング上位勢も、昨日のタイムを更新することは厳しい状況だが、幾田がただ一人、3分04秒503と3分1ケタ台をたたき出し予選1位を確定。ベテランの井手川が3分15秒073と土曜のタイムを更新して2位通過。

ダウンヒルシリーズ主催のオープンクラスイベントを挟んで13時25分から決勝が始まった。この頃には雨はほとんど止み、ときおり風も吹いて路面状況は三度変化。さらにタイムを出しにくい環境となる。

昨年末のDHシリーズ最終戦からトレーニング方法まで見直したという

午後2時5分、予選3位の篠原彩緒(morinekiよろづやレーシング)から1分間隔でエリート女子がスタート。途中で篠原を抜いた原が5分11秒889でフィニッシュするが、末政が26秒109上回り、9年ぶり18回目のエリート優勝を決めた。

続いて始まったエリート男子も、泥がまとわりつくようになった路面に苦戦する選手が続出。

そんな中、16番目にスタートした是枝陽翔が3分台に突入すると、次々タイム更新。25番目スタートの羽口鉄馬が、3分07秒633でホットシートに座り、上位5名を待つが、井本はゴール前で転倒。田中もタイムが伸びず、清水、井手川ともに3分10秒台で届かず。そして最終走者の幾田もやや遅れてゲレンデに姿を現わすと、表示されたタイムは3分22秒773。

この瞬間、21歳の新チャンピオンが誕生した。

若い世代の躍進とベテランの”経験”がぶつかった一戦

エリート4位そして昨年に続きジュニア優勝の幾田。2位の井出、3位の名小路もそれぞれエリート12、13位

今大会、最も注目を集めていたのは幾田悠雅だろう。1週間前の公式コースオープンでは17本も走り込み、コースを身体に覚え込ませた。当然ながら雨対策もぬかりなかったのは、土曜のタイムドセッションで出した3分01秒231が、この週末を通して全クラスでの最速タイムだったことでわかる。

決勝では転倒もあり4位となったが、この経験をもとにさらに成長していくだろう。

40代の井手川と30代の清水、2人のチャンピオン経験者を従えて頂点に立つ羽口

優勝した羽口は、幾田とは反対で予選まで思ったような走りができなかったことから、決勝では「攻めていくことにした」のだという。彼にとっては2016年のDH競技デビューの地であり、この2年間あと一歩のところで逃していたタイトルだけに、喜びも格別だったようだ。その羽口もまだ21歳。これからのダウンヒルシーンを担う存在なのは間違いない。

ケガに泣かされたことも何度かあっただけに、初優勝の喜びもひとしおの羽口

そして今回、予選、決勝ともに2位となったのが45歳の井手川直樹。近年はキッズ向けスクールなど普及活動に勤しんでいるものの、全日本選手権にしっかりとコンディションを合わせて来た。マッドコンディションは疲れると言いながらも「ウイングヒルズのコースは、自分に合ってると思う」と、豊富な経験を活かしたライン取りで2022年以来の表彰台を獲得。

井手川はジャンプの後、荒れの少ないコース端を狙って走り抜けた

井手川同様に、若手に刺激を与えたのは、9年ぶりにDH競技に復帰した末政実緒。今の世代には「XCライダー」の印象すらあるかもしれないが、日本人唯一のDH世界チャンピオン(2001年世界選DHジュニア優勝)経験者は、2年前に負った左腕の神経損傷を克服しつつ日本一を争う舞台に戻ってきた。

安定感とスピードは若い世代の中でダントツの原だが、末政の「経験」が上回った

まだ左手の握力は本来の半分程度と完調ではないにも関わらず、新しいDHバイクに慣れることからはじめ、大会当日は、ジュニア時代にコンビを組んだYRSの山本明氏と、サスペンションやタイヤセッティングを詰めて「滑落せず、転けずに止まらずに進み続けること」「パンクやメカトラスのリスクを少しでも減らすこと」を念頭において走ったという。これで全日本選手権DHの優勝回数は18。完全に回復すればさらに伸びると思われる。

昨年の覇者、原つばさは土曜の公式練習を「コースが悪化するので無理はしない」と判断。タイムドセッションも流して終了。

翌日の決勝では、重くなった路面に負けないパワーペダリングで、末政に26秒差の2位となった。MTBだけでなくフリースタイルスキーヤーとしても全日本クラスなだけに、さらに経験を積むことで強くなっていくだろう。

全日本タイトルはかかっていないものの、ユース男子もハイレベルな争い。優勝したのはBMX出身の平栗嶺

大会概要

  • 大会名:第38回全日本自転車競技選手権大会 マウンテンバイク ダウンヒル・インディビジュアル
  • 開催日:2025年6月14日〜15日
  • 開催地:ウイングヒルズ白鳥リゾート(岐阜県郡上市)
  • 主催:公益財団法人日本自転車競技連盟
  • 主管:同大会マウンテンバイクDHI実行委員会
  • 後援:公益財団法人JKA

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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