
成田光志が圧巻の独走勝利 地元・北桑田高校勢が3部門制覇の快挙|全日本選手権ジュニア

Bicycle Club編集部
- 2025年07月01日
INDEX
6月30日(日)、京都府南丹市美山町にて2025全日本自転車競技選手権大会ジュニアロードレースが開催された。2022年より3年連続で美山での開催となった全日本ジュニアロード、昨年から天候が大きく変わり、今年は快晴の中でのレースに。女子ジュニアでが西原夕華が、女子U17では綱嶋凛々音が、男子U17では田中颯が優勝と、北桑田高校勢が3つのレースを制する中、男子U15ではユースカテゴリで実績を残す茂木陽向(#1-PRIMERA-)が、男子ジュニアでは成田光志(学校法人石川高等学校)が昨年の雪辱を晴らす形で、それぞれ優勝を飾った。
4年連続で美山での開催となった全日本ジュニアロード
6月30日(日)、京都府南丹市美山町にて2025全日本自転車競技選手権大会ジュニアロードレース(以下、全日本ジュニアロード)が開催された。
同コースでの全日本ジュニアロード開催は2022年から4年連続での開催となる。過去には京都国体でのロードレース開催地となった美山町は京都美山ロードレースも開催されるなど、自転車競技関係者の中では知名度の高い地域。
かやぶき屋根と呼ばれる文化的住宅が町内には点在し、鮎釣りが行われる川や田園が広がるエリアがあるなど、自然豊かで歴史的な風景が広がる美山町。
そんな美山町で開催された全日本ジュニアロードは、昨年までと変わらず1周10.3kmの公道コースで行われた。コース後半にある九鬼ヶ坂という上り区間が勝負所となるレイアウトだが、頂上からフィニッシュ地点まで約1.5kmの下り区間と約1kmの平坦区間が続くため、九鬼ヶ坂で抜け出したとしてもその後の下り、平坦区間で追いつかれてしまうケースが多いコース。単独もしくは小集団で抜け出すには上り区間が終わってからも踏み続ける必要があり、力が試されるレイアウトとなっている。
女子ジュニア、女子U17はともに北桑田高校勢が制す
全日本ジュニアロード最初のスタートカテゴリとなった女子ジュニア+女子U17は、10.3kmのコースを3周回する30.9kmのレースとして開催。3月の高校選抜大会・個人ロードレースで活躍した選手や日本代表として活動する選手たち含め、女子ジュニアは16名の選手が、女子U17は3名の選手がスタートラインに並び、8時丁度にレースはスタート。
序盤からアタックがかかるも、決定的な動きとはならず、徐々に集団の人数が絞られるサバイバルな展開に。残り1周に入るタイミングで女子U17である綱嶋凛々音(北桑田高校)含む8名の選手に勝負は絞られると、その後のアタックでも抜け出すまでには至らず集団のままフィニッシュへ。
最後の平坦区間でも綱嶋が集団先頭を引っ張り集団をコントロールし、最後は北桑田高校の先輩である西原夕華がスプリントを制し、全日本ジュニアのタイトルを獲得。綱島は女子U17唯一の完走となり、北桑田高校勢が女子ダブルタイトルを獲得する形となった。
男子U17は田中颯が西日本チャレンジに続き、男子U15は茂木陽向がチャレンジロードに続き、優勝を飾る
女子のレースに続いての開催となった男子U17+U15は、10.3kmのコースを5周回する51.5kmのレースとして開催。JCF強化指定に選ばれる選手や、シクロクロスでの活躍も目立つ選手たち含め、男子U17は65名の選手が、男子U15は27名の選手がスタートラインに並び、9時30分にレースはスタート。
序盤に大きな落車が発生し、集団の人数が半分ほどに絞られてしまうアクシデントもあった中、3周目にはU17強化指定に選ばれている福地大和(OUTDOORLIFE Racing)やU17シクロクロス全日本チャンピオンである三上将醐(横浜立野高校)が、4周目には福永岳(九州学院高校)がそれぞれ抜け出す場面があったものの、決定的な動きまでには至らず。
最終周回である5周回目に入ると、ここまで何度もアタックを仕掛けていた田中颯(北桑田高校)が再びアタック。この動きに他の選手たちは追走することができず、田中はそのまま独走でフィニッシュ地点へと姿を見せ、何度もガッツポーズを繰り返しながら優勝の喜びを表現する。田中は3月に開催された西日本チャレンジサイクルロードレースに続き、男子U17でのタイトルを獲得した。
男子U15では男子17のメイン集団に最後まで残った4名の選手でのスプリントとなり、茂木陽向(#1-PRIMERA-)が4月に開催されたチャレンジサイクルロードレースに続き、男子U15でのタイトルを獲得した。
成田光志が独走で全日本ジュニアのタイトルを獲得
この日最後のレースとなった男子ジュニアは、10.3kmのコースを8周回する82.4kmのレースとして開催。日本代表としてアジア選手権などで活躍する選手や、ヨーロッパで活躍する選手、3月の高校選抜大会・個人ロードレースで活躍した選手など、113名の選手がスタートラインに並び、10時40分にレースはスタート。
1周回目は集団での展開となる中、3周目に入ると3週間前に開催されたJBCF石川ロードレースで逃げ切りを見せた新藤大翔(EQADS)と関口煌大(渋川高校)がアタック。有力勢のアタックということもあってか、吉田奏太(倉吉西高校)や住田悠人(AVENTURA VICTORIA RACING)らも追走を仕掛け、ブリッジの動きが続いたこともあってか先頭は20名程度の集団となる。しかし先頭集団の人数が多かったこともあってか後続集団も追いつきレースは振り出しへと戻ると、4周回目に九鬼ヶ坂で数名の選手が抜け出した動きをきっかけに6周目までに以下の15名の選手が先頭集団を形成。
- 成田光志/堀 太鳳(学校法人石川高等学校)
- 沢野 司/新藤大翔(EQADS)
- 寺町悠希(北海道帯広南商業高等学校)
- 松村拓弥(群馬工業高等専門学校)
- 関口煌大(渋川高校)
- 田島綾人(東京農業大学第三高等学校)
- 住田悠人(AVENTURA VICTORIA RACING)
- 川分琉楓(瀬田工業高校)
- 秋元 碧(宇都宮ブリッツェン)
- 宮川結斗(倉吉西高校)
- 桑原 悠(広島城北高校)
- 中村春太(宮島工業高校)
- 井上悠喜(松山学院高等学校)
そんな中、6周目の九鬼ヶ坂で成田がアタック。集団も追走を仕掛ける中、気温も30℃を超えるコンディションもあってか人数を徐々に減らしていく。7周回目には松村が単独先頭、成田が単独追走となり、セカンドグループは9名に。
成田が松村に追いついて2名先頭で最終周回である8周回目へと突入すると、成田が再びアタック、単独先頭に。松村は成田を追いかけることができず、追走集団に吸収。成田はそのままの勢いで独走を続け、単独でフィニッシュ地点へと姿を見せると、両手を横に広げ勝利の喜びをアピールし、昨年12月に開催されたシクロクロスに続き、全日本タイトル二冠を達成した。
成田はレース後に「狙い通りの走りだった」とレースを振替り、「7月末に開催されるインターハイや8月に開催される全日本ジュニアトラックでの優勝、さらにはUCIレースでの活躍」を今後の目標として語ってくれた。
リザルト
女子ジュニア
1位:西原夕華(北桑田高校) 50分52秒
2位:三谷優空(松山学院高校) +0秒
3位:安達心晴(九州学院高校) +!秒
女子U17
1位:綱嶋凛々音(北桑田高校) 50分55秒
男子U17
1位:田中 颯(北桑田高校) 1時間17分34秒
2位:工藤健太(宇都宮商業高等学校) +3秒
3位:稲葉恵人(横浜立野高校) +6秒
男子U15
1位:茂木陽向(#1-PRIMERA-) 1時間17分42秒
2位:佐野将麻(ORCA CYCLING TEAM) +1秒
3位:石田龍臣(VC FUKUOKA) 同
男子ジュニア
1位:成田光志(学校法人石川高等学校) 2時間0分54秒
2位:新藤大翔(EQADS) +11秒
3位:宮川結斗(倉吉西高校) +12秒
SHARE
PROFILE

Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。