
風間翔眞が優勝、シマノレーシングが圧倒的な力でチームとして2連覇!|西日本チャレンジロード

Bicycle Club編集部
- 2025年03月10日
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3月9日(日)、広島県三原市の広島県立中央森林公園内12.3kmコースにて第29回西日本チャレンジサイクルロードレースが開催された。注目のA-Eカテゴリではシマノレーシングが圧倒的なチーム力を見せ、風間翔眞(シマノレーシング)が優勝。若手選手の登竜門的カテゴリであるA-Uカテゴリでは永井健太(ヴィクトワール広島)が独走で優勝。A-Fカテゴリではジャパンナショナルチームがチームでレースを動かし、松井妃那(ジャパンナショナルチーム)が優勝を飾った。
国内メジャーコースでの伝統レースである西日本チャレンジロード
第29回西日本チャレンジサイクルロードレース(以下、西日本チャレンジロード)が、3月9日(日)に広島県三原市にある広島県立中央森林公園内の12.3kmコースにて開催された。西日本地域の選手たちを中心に6月に開催予定の全日本選手権出場資格を狙う選手や、トレーニングレースとしてUCIコンチネンタルチームやJプロツアーの選手たちが例年参戦する西日本チャレンジロード。国内ではお馴染みであり、7月には全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)のJプロツアーのレースも開催予定となる本コースは、コース後半にある三段坂と呼ばれる上りや、残り約3km地点にある展望所への上りが勝負どころとなるものの、それ以外にもアップダウンが続くため、厳しいレースになりやすいコースとして知られている。過去には留目夕陽(現EFエデュケーション・イージーポスト)らも優勝しており、このレースでの優勝を足掛かりにステップアップしていった選手たちも多くいるレースとなっている。
A-Uカテゴリではヴィクトワール広島の永井健太がチームの地元レースで優勝を飾る




登録者クラスでは最初のレースとして開催された男子U23カテゴリのレースであるA-Uカテゴリ、今年は12.3kmのコースを4周回する49.2kmでの開催となった。46名の選手たちがスタートラインに並ぶと、9時25分にレースはスタートが切られる。大学生を中心としたカテゴリだけにチームで走るというより個々の力で勝負が決まりやすいカテゴリだけに序盤こそ様子見の展開が続くものの、1周回目のフェンストンネルを過ぎたアップダウン区間で永井健太(ヴィクトワール広島)が単独で抜け出す。作新学院大学の選手らが追走に出るものの、集団も活性化。レース序盤の逃げということもあり、展望所からの下り区間で集団にキャッチされる。





すると今度は生天目直樹(SBC Vertex Racing Team)がカウンターでアタック。10秒程度のタイム差、集団からは生天目の姿が見えるぐらいの距離ではあるものの、なかなかこの10秒が縮まらない時間が続く。1周回以上、生天目が逃げ続ける中、3周回目に入るホームストレートで永井が集団から追走のアタックを開始。さらに先頭を行く生天目直樹の双子の兄弟である生天目隼人(SBC Vertex Racing Team)と山田航輝(Vite Jambe)が追走のアタックを仕掛ける。永井が生天目直樹に追いつくと、上り区間でペースが合わなかったか永井が単独先頭に。



永井が単独先頭で最終周回に入る一方、追走の2名も生天目直樹に追いつき、追走は3名に。さらに追走はコース前半のアップダウン区間でで永井を捕らえ、先頭は4名となる。メイン集団もすぐ近くへと迫る中、三段坂の1段目で1周目から逃げ続けた生天目直樹が先頭からドロップ、その一方で永井が再び単独でアタックする。





メイン集団が牽制状態となったこともあり、永井は単独で展望所への上り区間を終え、追走の生天目隼人、山田も永井の姿が見える状態で下り区間へと入る。永井がホームストレートに姿を見せると、そのすぐ後ろには追走の2名、さらにはメイン集団が迫るものの、永井はそのまま独走でガッツポーズを上げながらフィニッシュラインを通過、チームの地元、そして7月にはホームレースを迎えるこのコースで見事優勝を果たした。2位には生天目隼人、3位には山田が入り、4位以降はメイン集団でのスプリントとなった。
シマノレーシング勢が圧巻の走りを見せつけたA-Eカテゴリ

A-U、A-Mカテゴリに続き開催されたA-Eカテゴリ、今年は12.3kmのコースを7周回する86.1kmでの開催となった。A-Eカテゴリには直前まで強化合宿を行っていたというジュニアカテゴリのJCF強化指定選手たちも順位のつかないオープン扱いで参戦。若い選手が積極的なレースを展開するのか、それとも実績を残すコンチネンタルチームの選手たちが貫禄のレースを見せつけるのか注目された。




昨年度優勝チームであるシマノレーシングを先頭に63名の選手たちがスタートラインにつき、11時15分にレースはスタートが切られる。序盤から数名の選手たちがアタックしては吸収される展開が続く中、フェンストンネル過ぎの上り区間で香山飛龍(シマノレーシング)と白川幸希(ヴィクトワール広島)がアタックを仕掛けると、さらに三段坂で後ろからジャパンナショナルチームの吉田奏太と桑原悠が2名に追いつき、先頭は4名に。



2周回目に入ると、シマノレーシングの冨尾大地と風間翔眞、ジャパンナショナルチームの寺町悠希が追走を仕掛け、メイン集団も活性化する。追走の3名が先頭に追いつき、先頭が7名となるとメイン集団とのタイム差は1分以上にまで広がる。


先頭集団ではジャパンナショナルチームとシマノレーシングが積極的にペースをコントロールする中、4周回目にメイン集団からシマノレーシング勢である石原悠希が三度アタック。ジャパンナショナルチームの井上悠喜も石原の動きに続く。メイン集団からはその他にも追走の動きが出るものの、集団から抜け出すまでには至らず、先頭7名、追走2名、メイン集団という展開、先頭からメイン集団までのタイム差は1分30秒以上にまで広がる。



5周回目に寺町が先頭からドロップし、先頭集団は6名になるものの、6周回目には2分30秒以上にまでタイム差が広がる。タイム差が広がる一方であることもあり、レースは先頭集団で決まる可能性が濃厚となる中、シマノレーシング勢が先頭集団で次々とアタックを開始。展望所への上りを終えた段階で先頭集団はシマノレーシングの3名と白川の4名に絞り込まれる。









数的有利なシマノレーシングがどのような動きを見せるのか気になる中、最終周回である7周回目突入を目前に控えた最終コーナー手前で白川が単独で落車。先頭はシマノレーシング3名となってしまう。先頭の3名は協調しながら三段坂を終え、このままチームメイト全員でフィニッシュを迎えるかと思われた矢先、残り3km付近の展望所への上りで風間がアタック、独走態勢となる。風間がホームストレートに姿を見せると、後ろにはチームメイト2名の姿も見えるものの追いつくには至らず、風間が独走で優勝を飾った。2位にはチームメイトとのマッチスプリントを制した香山が入り、3位には冨尾が入る。4位には最後まで前を追い続けた白川が入り、5番手にはオープン参加となっている桑原が、6番手にはこちらも同じくオープン参加である吉田が入る形となった。表彰対象となる5位には石原が入り、6位にはこちらもシマノレーシングの山田拓海が入り、表彰対象6名中5名がシマノレーシングという結果となった。
ジャパンナショナルチームがチームでの力を見せたA-Fカテゴリ



この日唯一の女子レースとなったA-Fカテゴリ、今年は12.3kmのコースを2周回する24.6kmでの開催となった。
A-Eに続き、こちらにも直前まで強化合宿を行っていたというジュニアおよびユースカテゴリのJCF強化指定選手たちが参戦。A-Eとは異なり、A-Fでは強化指定選手たちも表彰対象となるため、レースにどのような影響を及ぼすのか注目された。昨年の全日本選手権ロード・女子マスターズで優勝を果たし、本レースではチャンピオンジャージを着用しての出走となった河田朱里(lnfinity style)をはじめ、20名の選手たちがスタートラインにつき、13時59分にスタートが切られる。


序盤は前日に開催された九州チャレンジサイクルロードレースで2位に入った小田恵利花(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)や河田が積極的にレースをコントロールする中、ジャパンナショナルチームの選手たちや安達心晴(九州学院高校)が何度もアタックを仕掛け、直前まで開催されていたアジア選手権でのトラック競技で銀メダルを獲得し、大会2連覇を飾っている西原夕華(北桑田高校)らの脚を削っていく。






9名の集団で2周回目へと突入すると、ジャパンナショナルチームの面々が攻撃を続け、勝負所となる三段坂を前に先頭は河田、西原、松井妃那(ジャパンナショナルチーム)の3名となる。三段坂で西原が先頭からドロップすると、三段坂を終えたタイミングで松井がさらにアタック、河田を突き放す。展望所への上りでは河田から松井の姿が見えるもののその差が埋まらず、集団からは石川七海(ジャパンナショナルチーム)が単独で抜け出し、先頭を追う。




松井はそのまま独走でホームストレートに姿を見せ、フィニッシュライン上でガッツポーズを見せ優勝。2位には石川が逆転で入り、3位には河田が入る。4位には集団スプリントを制した西原が入り、5位は安達、6位は小田島寛奈(ジャパンナショナルチーム)という結果となった。
リザルト
A-Uカテゴリ
1位:永井健太(ヴィクトワール広島) 1時間16分34秒
2位:生天目隼人(SBC Vertex Racing Team) +3秒
3位:山田航輝(Vite Jambe) 同
4位:森 凰翔(LEVANTE HOPE) +13秒
5位:榊原健太(立命館大学) 14秒
6位:住吉晴気(中京大学) 同
A-Mカテゴリ
1位:河西秀介(OUTDO0RLIFE Racing) 1時間19分51秒
2位:村田俊樹(MARKEN) +2秒
3位:石川智裕(チーム大永山) +4秒
4位:松村長人(zippy cycle club) +5秒
5位:松本佳朗(ぴっとレーシングチーム) +6秒
6位:難波大輔(サイファアスリートクラブ) 同
A-Eカテゴリ
1位:風間翔眞(シマノレーシング) 2時間6分26秒
2位:香山飛龍(シマノレーシング) +8秒
3位:冨尾大地(シマノレーシング) 同
4位:白川幸希(ヴィクトワール広島) +58秒
OPN:桑原 悠(ジャパンナショナルチーム) +1分8秒
OPN:吉田奏太(ジャパンナショナルチーム) +1分9秒
5位:山田拓海(シマノレーシング) +2分32秒
6位:石原悠希(シマノレーシング) 同
A-Fカテゴリ
1位:松井妃那(ジャパンナショナルチーム) 43分30秒
2位:石川七海(ジャパンナショナルチーム) +15秒
3位:河田朱里(lnfinity style) +18秒
4位:西原夕華(北桑田高校) +42秒
5位:安達心晴(九州学院高校) +43秒
6位:小田島寛奈(ジャパンナショナルチーム) 同
A-Jカテゴリ
1位:中谷友紀(奈良北高校) 1時間16分2秒
2位:岡本 凌(北桑田高校) 同
3位:中尾涼介(松山学院高校) +1秒
4位:原 尚敬(奈良北高校) +2秒
5位:伊藤幹将(松山学院高校) 同
6位:中村春太(宮島工業高校) 同
A-Yカテゴリ
1位:田中 颯(北桑田高校) 1時間17分16秒
2位:岡嶋空良(京都向陽サイクルスポーツクラブ) +1分26秒
3位:大谷正太(OUTD00RLIFE Racing) 同
4位:カーマイケル・岸本・フィンリー +1分27秒
5位:福永 岳(SSPCアスリート) 同
6位:美輪空人(VC FUKUOKA) +1分28秒
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- CREDIT :
- 編集:バイシクルクラブ編集部 文と写真:三井至
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