YONEX(ヨネックス)・エアロフライト|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2018年11月29日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は、開発に4年の期間を要したヨネックス初のエアロロードバイク、YONEX・AERO FLIGHT(ヨネックス・エアロフライト)を管洋介がテスト。
エアロだけでなく軽さや快適性、
反応性も兼ね備えるエアロフライト
2014年のカーボネックスの誕生から日本製にこだわったロードバイクを手がけるヨネックス。エアロフライトはヨネックス初のエアロロードバイクだ。これまでカーボネックスの派生モデルとして高剛性のHRやディスクブレーキモデルをリリースしたが、まったく新しいフレームとしてはエアロフライトが2作めとなる。
エアロフライトの開発には4年の期間を要しているという。つまりファーストモデルのカーボネックスの誕生から時間を置かずに開発に着手したことになる。最大のポイントである空力性能を高めるため、モータースポーツに造詣が深いデザイナーとともに、30種類以上の形状を試作。風洞実験を繰り返し、カーボネックスより20%の空気抵抗軽減を実現した。
カーボネックスで採用された定評のある技術に加え、同社のラケットなどの性能向上に貢献した新次元カーボン「Namd(エヌアムド)」をフォークに採用。これは強い衝撃に対して大きくしなり、素早く戻る素材で、エアロ化による重量増と高速化でも路面からの衝撃を緩和する。さらに反発力と衝撃吸収性を兼ね備えるバイブスレイヤーカーボンを複合し、快適性と反応性を向上した。
空力性能や加速性能、快適性を高めながらもフレーム重量は未塗装で830g と超軽量。さまざまなレーシングシーンで活躍する。
ダウンチューブは、カムテール形状を採用。また各チューブを細くすることでも空気抵抗を低減している。
ヘッドまわりはフォークと一体化したデザインで空気抵抗を軽減した。
強い力に対して大きくしなり素早く戻るエヌアムドをフォークに採用。コラムとブレード前後に複合し路面からの衝撃を和らげる。
シートチューブもカムテール形状で、リアブレーキへの空気の巻き込みを防ぐデザインとした。
ヨネックス
エアロフライト
70万円(フレームセット/税抜)
■フレーム:カーボン、バイブスレイヤーカーボン、マイクロコア、ゴムメタル ■フォーク:カーボン、エヌアムド ■コンポーネント:シマノ・デュラエース ■ハンドル/ステム:プロ・ステルス ■シートポスト:専用カーボン ■サドル:プロ・ステルス ■ホイール:ゴキソ・GD2 50mm ■タイヤ:パナレーサー・レースAエボ3 ■サイズ:XS、S、M、L ■カラー:グラファイト、ブルー×グリーン ■試乗車重量:7.3kg(XS)
高速巡航だけでなく上りでも早い軽量エアロロード
管洋介がインプレッション
非常に縦剛性の高いフレームで、トルクをしっかりと推進力に変換している、というのが第一印象だった。走行感は直進性に優れていて、やや高回転をベースにしてペダルにトルクを乗せていくと、エアロロードバイクとしての巡航性能に助けられて段階的にスムーズな加速ができるだろう。それでも路面からの突き上げなど、嫌な硬さを感じることはなく、走行トーンは非常に滑らかだ。コーナリングや細かなバイクのコントロールでもバタつかず、地に着いた走りが心地よい。このあたりでエヌアムドやバイブスレイヤーカーボンの新素材を複合したことのメリットをしっかりと実感できる。
味付けとして直進性が高めだが、ハンドリング性能が犠牲になっているわけではない。ワインディングコーナーをなめるように、バイクを左右に転がしてラインを作っていくようなシーンを、美しく演出してくれる。ダンシングでは、効率よく小刻みにバイクがまとまっていく印象で、ここでもバイクが縦に押されていく性能を感じ取れる。
上りは車体の軽さと高剛性を生かして、やはり高回転でこなしていくのがベターだ。トントンとテンポよく足を押し流しながら上がっていくさまは、エアロロードバイクとは思えないほど軽快なクライミングが楽しめる。スピードの出る平地とテクニカルなコーナリング、上りでも連続的に踏まされるコースでこのバイクのパフォーマンスが発揮されるだろう。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴21年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:ヨネックス www.yonex.co.jp/roadbike
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