RIDLEY・NOAH SERIES【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】

リドレー・ノア シリーズ

COMPARISON
新旧モデル徹底比較
スマートなルックスへと変貌個性とトレンドの完全融合

エアロモデル「ノア」が誕生してから13年がたち、第5世代へと突入した新型「ノア ファスト ディスク」。
先進的なエアロ機構を搭載した歴代の名機から、最新モデルに至るまでの進化の過程をたどっていく。

ノアが誕生したのは2006年のこと。徹底したエアロフォルムをまとい、インテグレーテッドシートポスト(ISP)を採用するなど空力性能を追求した時代の最先端をいくエアロロードだった。

その年のツール・ド・フランスで、スプリントの名手、ロビー・マキュアンのマイヨ・ヴェール獲得に貢献している。
そして、第2世代ではフォークに大胆なスリットを設けた「Fスプリットフォーク」や、ヤスリ状の「サーファステープ」をフレーム各所に配置し、整流効果を高めた独創的なエアロロードへと進化。
さらに、2011年に誕生した第3世代では、前後ブレーキをフレームと一体化する「Fブレーキ」を搭載するなど最先端エアロロードとしての地位を確立していく。
この間も、開発にはアンドレ・グライペルらロット・スーダルの選手たちが深く関わってきた。
その後、第4世代で軽さやメンテナンス性を追求した「ノアSL」へと継承され、フレーム重量は950gへ。
今回の第5世代「ノア ファスト ディスク」では、ノア SL ディスク比で250gもの軽量化を実現。
今回のフルモデルチェンジにより、バイク全体のインテグレーションが一層進み、ディスクブレーキとの融合も完成度を高め、スマートなルックスの新世代エアロバイクが誕生した。

ディスクブレーキとリムブレーキを比較!
新型ノア ファストの両モデルを同時に試乗する機会を得たが、走りのフィーリングはやや異なっていた。わずかなウィップを感じるBBから押し出されるような加速感は共通ながら、エンド剛性を高めているディスクブレーキモデルは、スパルタンな運動性能を強く感じられる。フレームの軽量化による恩恵をさらに引き立てていると想像できる。整備性ではリムブレーキだが、ディスクブレーキモデルの走行性能はかなり魅力的だ

SECOND GRADE IMPRESSION
身近に感じられるノアの空力性能
カスタマイズの自由度やメンテ性を重視する艶美で躍動的なエアロフレーム

IMPRESSION

上位モデルのノアSLが持つアイデンティティを継承しながら、
コストパフォーマンスを高めたノア。
美しいフォルムと実用性を融合した注目のセカンドモデルをインプレッション。

近年の無機質でメカメカしいエアロロードとは一線を画し、艶美で躍動的なフレームは、眺めているだけで陶酔しそうだ。
世界の第一線で栄冠をつかんできたノアSLと同じジオメトリーを採用しながら、30トンと24トンの高弾性カーボンでまとめることで、手の届きやすいプライスタグを掲げている。
正直、ゼロ発進から中速域までの加速は苦手だろうと踏んでいたが、予想に反してペダリングは踏み抜きやすくBBを起点にしたバネ感のある加速が印象的だ。さらに、時速30㎞後半から40㎞を超える高速域への移行は、エアロロードらしくスムーズで、トルクを高めるほどに気持ちよくトラクションがかかってくれる。スプリントでもパワーロスを感じることなく、人車一体感と躍動感のある走りを堪能できた。
得意なフィールドは、平坦基調の高速域であることは間違いないが、速度変化のあるアップダウンコースにも適応する。長いヒルクライムではリズム重視でケイデンスを高めにキープすることで、よどみなく推進力を得られる特徴がある。
ヘッドチューブ構造、キャリパーブレーキともに実用性を重視した設計で派手さこそないが、誰にでも体感できるエアロ性能と、扱いやすい安定性のよさが魅力だ。

 

INFO
リドレー・ノア

■27万5000円(フレームセット/税抜)
■フレーム:30t、24tハイモジュラスカーボン
■フォーク:30t、24tハイモジュラスカーボン
■サイズ:XXS、XS、S、M
■フレーム重量:1080g(XSサイズ)
■フォーク重量:400g
■試乗車参考重量:8.60kg(Sサイズ・ペダルなし)

 

フロントフォークはスリットは設けず、エアロブレードタイプのストレートフォークを採用。重量はノアシリーズ最軽量の400g

空気抵抗の軽減を狙ったダウンチューブは最新のカムテール断面を採用し、アグレッシブなエアロスタイルを貫く 

コンパクトなリアトライアングルにより空気の抜けを高めつつ、横剛性を確保してトラクション性能を向上させている

CONCLUSION
結論
個性の埋没ではなかった大幅に進化させた渾身作

第5世代として登場したノア・ファストは、250gもの軽量化はもちろんのこと、
その走りは大きな進化を遂げていた。革新的な技術でエアロロードを牽引してきた
リドレーが生んだ新型モデルの魅力を総括しよう。

今ほどエアロロードが主流ではなかった時代から、ノアをブランドの顔に据えたリドレーは、現在のエアロロードの火付け役といえるだろう。これまでヤスリ状の整流テープや、スプリットフォークなど、周囲をアッと驚かす斬新な空力機構を次々に開発。その姿勢からはリドレーがノアにかける本気度が伝わってくる。
ただし、新型は個性が影を潜めて、ややパンチに欠ける印象を受けたのだった。試乗するまでは……。
一般的に同一モデルで世代を重ねていけば熟成が進み、大幅な進化は期待できない。ところが、第5世代になった新型ノアファストディスクは、驚くほどパンチの効いた性能アップを実現してきた。加速性能が格段に上がり、トップスピードへの到達時間が短縮。また、前作から250gもの軽量化の恩恵は加速性だけでなく、軽快なハンドリングにもプラス効果をもたらしている。
振り返れば、かつての重量級ノアは、改良を重ねて徐々に軽量化を実現してきたが、個人的にはまだまだ低速域でのリアクションがウィークポイントだと感じていた。それが見事に解消されている。
さらに、ノアの加速性能とエアロロードらしい伸びやかな巡航性能は、バランスのいいフレーム剛性にも支えられている。大型スプリンターであるアンドレ・グライペルのパワーをも受け止めるフレームには高剛性なイメージを持ちがちだが、不思議なことにアマチュアレーサーでも扱いやすい懐の深さを持ち合わせているのだ。なお、2019シーズン、グライペルはチームを離れるが、新型ノア・ファストが、稀代のスプリンターの意見を反映した名作であることは明らかだ。

NOAH FAST
47万6000円(フレームセット/税抜)
本社に隣接する「バイクビル・インキュベーター」風洞施設での研究とチーム「ロット・スーダル」からのフィードバックを形にした最新鋭エアロロード。専用設計のエアロハンドル&ステムが付属。リムブレーキ仕様はワイヤーの露出を最小限にとどめつつ、メンテナンス性に優れている

FENIX SL DISC
23万8000円(フレームセット/税抜)
湾曲させたトップチューブ、シートステーの取り付け位置を下げることでシートチューブの変形量を確保する設計など、コンフォート性能を追求。30tと24tHMカーボンを使い分け、ディスクブレーキモデルへと再設計。30Cタイヤにも対応し、エンデュランスロードとして全方位へ性能を引き上げている

HELIUM X
24万3000円(フレームセット/税抜)
30t、24tHMカーボンを採用し、フレーム重量900gを実現したコストパフォーマンスも高いクライミングモデル。山岳での瞬発力を高める剛性と軽さを追求しつつ、地元ベルギーのパヴェでの振動吸収テストを繰り返し実現した快適性も持ち合わせる。ワイヤー内装化を施しつつ、メンテナンス性も優れる

IMPRESSION RIDER
ハシケン
ロードバイクをメインにするサイクルジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。2016年Mt.富士ヒルクライム一般クラス優勝、2017年乗鞍ヒルクライム58分10秒。UCIグランフォンド世界大会に出場経験あり。身長171cm、体重62kg

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TEXT:ハシケン PHOTO:小野口健太 ウエア協力:サンボルト
問:ジェイピースポーツグループ www.jpsg.co.jp

(出展:『BiCYCLE CLUB 2019年3月号』ハシケンのロードバイクエクスプローラー)

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