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ハンドルが勝敗を分ける! 空気抵抗を減らす方法【2020UCIトラック世界選手権】

梶原悠未選手のオムニアム金メダル、そして脇本雄太選手のケイリン銀メダルで沸いたトラックの世界選手権。そこで見られた機材の進化を、ピークスコーチンググループジャパンの中田尚志さんが解説する。

時速70㎞で走るトラック競技はまさに実験室

トラックは機材開発に最適な場所です。なぜなら一定の環境下で行われるために機材やフィジカルの向上がタイムに表れるからです。ロードでは天候・地形その他の環境が変化しますし、またそれに対応するための快適性なども考慮して開発が行われますが、トラックではタイムが唯一の開発における指標です。
時に時速70kmを超えるスピードが出るトラックにおいて最重要視されるのは空気抵抗の削減です。
それは空気抵抗が走行時の抵抗全体の90%以上を占めるためです。また駆動抵抗や路面抵抗といった他の抵抗と異なり空気抵抗はスピードが上がれば上がるほど増加するために1 / 1000秒を削ろうとすると真っ先に取り組むべき課題です。

空気抵抗の内訳は機材よりも人間の体の方が大きく、空気抵抗全体の70%を占めます。
そのためヘルメットやスキンスーツといったハードだけでなく風洞実験室でエアロポジションの研究にも余念がありません。

ライダーの空気抵抗は大きく、ゼッケンも大きなファクターとなる。このためワンピースにはこんな工夫がなされている

空気抵抗を減らすために、シューズの裏にBOAが取りつけられている。

ハンドルの空気抵抗が注目されている

その中で近年注目されているのはハンドルによる空気抵抗削減です。
以前はウイング形状にすることでハンドル自体のエアロ化を図っていましたが、最近はハンドルによって選手の姿勢をよりエアロにする形状のものが出てきました。
上の写真はエンデュランス種目で使われているハンドルです。
まるでロードバイクのブレーキフードのような形状をしていますが、じつはこの突起を持つことで空気抵抗が減ります。

下ハンドルよりもヒジを曲げるフォームが有効

風洞実験により、ドロップを持って腕を伸ばすよりもフード部を持って腕を直角に曲げる方が空気抵抗が少ないことが分かったのです。(選手の身長やポジションにもよる)
腕全体で風を受けるよりも腕を曲げることで上腕部のみで風を受けるようにさせるわけです。

上はハンドルの上を握り、ヒジを曲げた場合。下は下ハンドルを持つ従来のフォーム。上のフォームのほうが空気抵抗が少ないといわれている。

従来のドロップハンドルでは持ちにくかったりリラックス出来なかったりするので、こういった形状にしています。またこれによりハンドルに体を預けるように踏めるので、パワーも上がります。

こういったハンドルの登場で以前は見られなかったフード部を持ってのスプリントも最近では頻繁に見られるようになりました。

中田尚志

Peaks Coaching Group – Japan

中田尚志の著書「ロードバイクのパワートレーニング」

こちらからお読みいただけます

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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