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【オランダから緊急レポート】ワールドツアーレーサー與那嶺が現状、東京五輪を語る

現在、オランダに住むワールドツアーレーサーの與那嶺恵理選手が現地の様子、そして東京2020の延期についてレポートする。

オリンピック延期、コロナウイルスとEUレースサーキットの今

トップの写真はインターナショナル女性デーのスペシャルジャージを着用し、ツール・デ・フランドル(ロンド・ファン・フラデレン)のスタート地点にて撮影したものです。このあとコースを試走をしましたが、この撮影をした3月初旬の時点では現在の状況は予期できなかったほど、オランダの事情は急速に変わっていきました。
異変が起きたのは3月7日開催予定だったストラーダ・ビアンカに向かう飛行機の搭乗5分前、監督から「レースはキャンセルされた、自宅に戻ってくれ」という連絡でした。

写真 https://twitter.com/YonamineEri/status/1235528025917317121 より

呆然と駐車場に戻り、武井コーチの車でオランダの自宅に帰り、それから1カ月。
みなさんが御存知のとおり、すべてのレースがキャンセルされ、EUの国々はロックダウン。
私が住むオランダのファルケンブルク、国境の町の現状をお伝えします。

オランダの隣国、ベルギーとの国境が締まる

私達はベルギー、ドイツの国境まで自転車で15分ほどの場所に私は住んでいます。幸いにもオランダ国内は未だにロックダウンにならず、外で練習ができていますが、普段素通りするベルギーの国境がバリケード、武装警官、軍隊によって通ることができない状況となりました。

オランダとベルギーの国境は農道に至るまで封鎖され、ブルドーザーが作業している

ベルギー側はかなり神経質になっており、ほぼすべてのオランダ人の通行をできないようにしています。
よって、オランダがロックダウンを発動しなくとも、周りの国が国境を閉じることで人の移動を厳しく制限し、コロナウイルスによる肺炎の蔓延の封じ込めを図っています。
今まで自由に往来をしていた場所が突然閉鎖される現状に、正直とても落ち込んでいます。

オランダフェデレーションのメッセージ

自転車大国のオランダ。国民の多くがママチャリ(一般車)もロードレーサーもMTBもE-bikeも楽しんでいます。ロックダウンに至らないように、フェデレーション(KNWU オランダ王立自転車連合) からもコロナウイルス感染拡大対策のメッセージが発表されています。

KNWU オランダ王立自転車連合によるサイクリスト向けメッセージ 原文オランダ語↓

https://www.knwu.nl/magazine/kan-ik-gezien-het-coronavirus-nog-buiten-fietsen

サイクリングにおけるコロナウイルスの影響

1 健康な身体での運動の推奨
2 ライドソロ=一人で自転車乗り、1.5メートル離れます。

3 手鼻をかまない、たんを吐かないようにしましょう
4 ハードワークアウトを制限しましょう(体の免疫機能を落とさないため)
5 ウイリーやジャンプなどの危険な操作には注意しましょう

※ 病院はすでにコロナウイルスの対応に追われており、ケガすることで医療負荷が高くなり、自身のリスクにもなります。

6 運動、睡眠、休養を含め、セルフケアの徹底
最後に、自転車は最高のスポーツです。自己責任を意識して末永く楽しみましょう!

これをフェデレーションからメッセージとして出すオランダ。その自転車文化の深さを感じました。

いま置かれているチームの状況

大変な状況です……。私の所属するワールドツアーチームの Alé BTC Ljubljana(アレ・BTCリュブリャナ) はメインスポンサーが ジャージメーカーのAle(アレ)そしてBTCはショッピングモールの運営です。イタリアのロックダウンに伴い、昨日よりAle本社の工場も1カ月ほどの休業を余儀なくされました。

そして私達の大切な仕事、レースを走り、露出をして稼ぐ。このシステムが完全にダウンしております。現状、レース再開の目処は立っていない状況です。
ライダー同士、Instagramやワッツアップで連絡を取り合いながら現状の把握に努め、孤独にならないようにコンタクトを取り続けています。

大きくスケジュールが延長されるシーズン

ヨーロッパのロックダウンに伴い、主要クラシックレースが全てキャンセルされたため、通常は9月末で終わるレースシーズンですが、現在10月末まで延長するとUCIからアナウンスが出ています。(11月中旬までずれ込むのではとの噂もあるほど)

UCIからの3月18日付のアナウンスはこちら↓

https://www.uci.org/inside-uci/press-releases/the-uci-and-its-partners-unite-to-face-the-consequences-of-the-coronavirus-for-road-cycling

私達、ワールドツアーレーサーの間でのうわさ話だと主要クラシックは10月になるのでは。とのこと。
東京オリンピックが延期された今、ツール・ド・フランスのりスケジュールに大きく左右されるようです。
早くコロナが収束し、レース活動が再開されることを毎日願っています。

今後の活動、そして帰国予定

これを書いている3月27日時点では6月中旬の全日本選手権に出場予定で一時帰国をする予定です。オランダでの日常を優先しながらなのですが、現在私が住んでいるオランダからの帰国について、日本政府は14日間の隔離処置を発表しています。
「オランダ等の入国拒否対象地域(下記1参照)を出発し、日本に到着される方におかれましては、14日間の待機要請に加え、空港到着時にPCR検査を受ける必要がでてきます」

※在オランダ日本大使館最新情報はこちら↓

https://www.nl.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
そのため、一時帰国の際は事前にオランダの病院でコロナ陰性診断書の取得を目指す方向です。無事に日本に入国し、広島までフライトができることを願っています。

東京オリンピックの延期

選手の立場からすると判断が遅すぎる。これを強く感じました。

JOC(日本オリンピック委員会)からも一切の連絡が無く、自分で状況把握に努めることは大きなストレスです。
日々悪化するコロナウイルスの状況を見れば、なぜ早めに決断を行い選手に寄り添うことができないのだろうか。率直に疑問です。
オランダの論調は「今夏の開催は絶対に無理」。
日本とヨーロッパ、北米との力関係もありますが、「仕方がない」に尽きると思います。

最後に私達にできること

コロナウイルスとの戦いは、大人しくし、他人と接触しない、これに尽きるようです。
スポーツが持つ共感、感動をレースを通じてみなさんに伝えられず、当たり前にその場所に合った、社会インフラと公衆衛生が崩れた今、レースが出来ない日常は、こんなにも息苦しい生活なのか。と落ち込むことが多いです。
ハグ、ヴィスが大好きなEUの文化が崩れてしまう悲しさはありますが、ぐっと我慢のしどころ。
幸いにもオランダは野外活動への強い制限は無いので、ソロライドを楽しみながら来たるべきレース再開に向け、のんびりとライドを続けます。

皆さん、元気に全日本選手権で会いましょう!

全てを力に変えて

與那嶺 恵理

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BiCYCLE CLUB 編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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