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ロードレースでも活躍する競輪選手、福田真平に聞く無観客レースなど競輪界のいま|KINAN Cycling Team インタビュー

競輪選手として活動しながら、ロード選手としても活躍する福田真平(キナンサイクリングチーム)選手。いまでは主軸は競輪にあるが、シーズン中にロードレースのほか、国内プロチームによるトラックレース対抗戦「バンクリーグ」で走るなどマルチな活躍を見せる。コロナウイルス症蔓延影響で競輪が無観客試合など、そんな現在の競輪界の動向や日々の生活、今後の目標などをインタビュー、チームからのレポートを紹介する。

※メインカットはバンクリーグ2019第2戦・松阪ラウンド(2019年8月30日)を戦う福田。バンクリーグではチームのエース格を担っている。

Stay Home Interview-福田真平

スプリンターとしてロード選手として活躍したのち、競輪選手に転向。トラックレース対抗戦「バンクリーグ」などでも活躍する。ツール・ド・熊野やツール・ド・イジェンでステージ優勝している

-ご家族も含めて、みんな元気に過ごせていますか?

みんな元気です。最近は家で過ごす時間が増えたので、ゆっくりできています。

-現在の競輪界の動きについて教えてください

無観客で開催しているところもあれば、都市部を中心に中止の判断をした競輪場もあります。全体的にはかなり限定された状態で行われている感じです。自分のケースでは、4月上旬の豊橋競輪場開催は出走しましたが、その後予定されていた青森と奈良は緊急事態宣言が発令されたことで中止になりました。次戦は5月8日からの名古屋になります(※)。
※名古屋競輪場での開催は予定通り行われ、福田選手は3日間・計3レースを走った

-開催中止の際の連絡はどのような形で送られてくるものなのですか?

斡旋されているレースの最終的な開催可否はメールで送られてくるようになっています。青森の時は前検日(※1)の2日前に連絡がありました。奈良の時は緊急事態宣言が発令されてから少し経っていたので、開催1週間前には中止の連絡を受けました。名古屋開催については緊急事態宣言が延長されるかどうかで変わるかもしれませんが、今の時点では(あらゆることを総合して)走れるのではないかなと思っています(※2)。

※1 レース開催前日に行われる身体検査や車体検査
※2 前述の通り無事に開催されている

-無観客レースを経験して、走りや気持ちの面での変化はありましたか?

自分の場合は3月のレースから無観客だったのですが(※1)、正直なところ選手間でも「開催して大丈夫なか?」といった半信半疑な状態で開催期間を過ごしていました。そうしているうちに国内外での感染が拡大していったので、「あぁ、やっぱり…」といったムードが漂いましたね。競輪場内ではマスク着用を徹底していましたし、食堂ではバイキング形式だったのが取り分けられた状態で配られたり、サラダ用のドレッシングを誰かが手にするたびに容器を消毒するなど、できる範囲での感染防止対策がなされていました。

無観客レース自体はミッドナイト競輪(※2)でも経験していますし、普段の開催を考えても、自分たちA級選手はモチベーションや全体の雰囲気に対して大きな変化は感じていないと思います。ただ、S級選手はミッドナイト競輪を走ることがないですし、大観衆の中で走る経験もあるでしょうから、何らかの違いは感じているかもしれませんね。個人的には「1着を獲る」という仕事そのものに変わりはないので、モチベーションが下がるといったことはまったくなかったですね。

※1 公益財団法人JKAは2月27日以降、無観客開催の方針を継続している
※2 ミッドナイト時間帯(午後9~11時過ぎ)に開催され、車券購入は基本的にインターネットか専用車券売場に限定される。競輪場への一般入場は行われない

-現在トレーニングはどのように行っていますか?

基本は自宅でのローラートレーニングですね。バンクでのトレーニングも許可はされているのですが、どうしても選手間で密集してしまいかねないので、いまのところはそれを避けています。

-1日の過ごし方には大きな変化が出ていますか?

トレーニングに割く時間はそれほど変わっていなくて、屋外よりローラーに乗っている時間が長くなったかな、というくらいですね。それほど大きな変化は感じていません。

-ローラートレーニングをはじめとする室内活動では、映画や音楽など、どんな“燃える要素”を取り入れていますか?

そのときどきで使い分けています。最近は多くのサイクリストがZwiftを取り入れていますが、自分も同様に固定ローラーとを組み合わせてトレーニングに生かしています。それとは別に、3本ローラーを用いてのトレーニングも行っています。そんな時はツール・ド・フランスや昔のワンデークラシックのレース映像を観ながら取り組んだりしています。

-自転車に限らず、日々何か楽しみを見つけていますか?

子供がとても元気で、外で遊びたい欲求が強いのですが、この状況下ではなかなか連れ出すことができません。そこでいろいろと考えて、最近流行っている「ベランピング」にチャレンジしてみることにしました。簡易のテントなど道具をそろえて、ベランダに設置してみたら子供が大喜びしていました。思っていた以上にお出かけ気分を味わえて、「こんなのもアリだな」と自分も楽しむことができています。

-「Stay Home」が叫ばれる中で、何か健康を維持する効果的な方法があれば教えてください

自宅で長い時間過ごしていると、ついついお菓子に手を伸ばしてしまったりで、何かしら食べていることが多くなってしまいますね。そこをグッとこらえて、食べ過ぎないようにはしています。あと、セルフケアできる時間がこれまで以上に確保できているので、最近はストレッチポールに乗ることが増えました。

-レースに目を向けて、現状でどのような目標やビジョンを持って活動をされていますか?

競走が急に中止になってしまうこともあるので、場合によっては目標にしていたレースがなくなってしまう、なんてことも考えられます。ただ、競輪はロードとの体のつくり方が異なりますし、通常であれば年中レースが行われていて、ときには開催直前に急遽出走が決まるといったケースもあります。なので、基本的にはいつどんなことがあっても80%の力は最低限出せるようにしておかないといけないと思っています。そこがロードとの大きな違いでもありますね。最低でも80%はいつでも出せるようにしておかないと、競輪の世界では戦えないですね。

-UCI通達により7月に入ってからのレースシーズン再開に向けた動きが出てきました。その通りにいけばバンクリーグやロードでも活躍の場があると思います。どんな走りがしたいか、意気込みをお聞かせください

バンクリーグは自分がしっかりやらないといけない戦いなので、常に勝負できるよう競輪のトレーニングと並行して準備を進めていきたいです。ロードに関しては、体重を含めて体が競輪仕様になっているので、どのレースに呼んでもらえるかで調整方法を変えていく必要がありますね。そのなかでも、シマノ鈴鹿ロードレース クラシック(8月30日開催予定)のような平坦系のレースであればきっちり走れると思うので、ロードの中では結果を求めていくレースになってきます。ロードをメインに走っていた時から鈴鹿は得意にしていましたし、昨年も位置取りがはまって勝負に絡むことができました。そのほかのロードレースに関しても、機会をいただけるならしっかり調整して臨みたいですね。2カ月あれば仕上げられると思うので、コツコツと時間をかけて作り上げていきたいと思います。

インタビュー実施日:2020年5月3日

■福田真平選手 競輪出走予定(5月14日時点)

5月22~24日 川崎競輪場
6月6~8日 松阪競輪場
6月29日~7月1日 福井競輪場
※変更になる場合あり
詳しくはkeirin.jp選手プロフィールページをご参照ください。
http://keirin.jp/pc/racerprofile?snum=015266

KINAN Cycling Team
http://kinan-cycling.com/

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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