FELT・AR SERIES【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】
ハシケン
- 2020年05月20日
中途半端な進化をよしとしないフェルトスタイル
初代誕生から12年。前作からおよそ5年の開発期間を経てリリースされた新型AR。
フェルトの屋台骨を支えるエアロロードの変遷をたどることにしよう。
COMPARISON 新旧モデル徹底比較
それまで丸チューブが主流であったプロトンのなかに、前面投影面積を減らし縦にボリュームのある翼断面チューブを積極的に採用した初代ARは、ガーミン・スリップストリームの活躍もありエアロロード時代への潮流を加速させた。トライアスロンバイクの開発を得意とするフェルトだからこそなしえた功績となった。
その後、2014年に第2世代に入ると、FRD(フェルト・レーシング・デベロップメント)の旗艦モデルがラインナップに追加。そして、第2世代では前作比で14.7%もの空力性能向上を実現。
シフトケーブルをトップチューブ上から挿入させ、リアブレーキをBB下に配置するなど独自の設計を貫いていた。その結果、現在の最先端モデルにも通用する圧倒的なエアロダイナミクスを獲得。その戦闘力の高さが人気を博した。なお、航空宇宙産業の分野で使用される素材であるテクストリームカーボンを採用したのも第2世代からになる。
その第2世代からさらに進化をとげた第3世代は、昨今のトレンドを貪欲に取り入れつつ、ユーザビリティを確保。さらに、進化したスリット入りのシートポストにより高い快適性も獲得し、全方位により進化している。
AR1
AR2
AR ADVANCED
SECOND GRADE [セカンドグレード]
刷新されたARシリーズと双璧をなすオールラウンド軽量シリーズFR。
新型ARアドバンスドと同様の素材を採用したミドルレーシングモデルをインプレッション。
新型ARとも比較することでARとの特性の違いも明確にする
オールラウンドで自在に操れる軽量レーサー
クセがなく、機敏でクライマーの感性も大いに刺激する運動性能は、これまでFRが獲得してきた評価だ。ARとはタイプを分けるが、性能史上主義だという点では共通だろう。本連載でも以前にFR1に乗る機会があり、あらゆる環境下でライダーのパフォーマンスを引き出しやすい万能性に高評価を下していた。
今回のFRアドバンスドは基本性能はそのままに、ディスクブレーキ仕様となっている。路面を確実にとらえる芯のあるフロントフォークは、機敏なコントロール性能を発揮し、テクニカルなコーナーなど瞬間的な判断が求められるシーンに向いているハンドリング特性だ。直進性にすぐれるARとは差別化できる性能だ。
登坂シーンでもBBでグッと受け止めてダイレクトに推進力へつなげる軽快さがあり、ダンシング時のキレのよさを約束してくれた。
前作からの進化のポイントとしてはやはりディスクブレーキ化の恩恵が大きい。ソリッドさが加わり、レーシングバイクらしさが増していることを確認できた。ディスクブレーキを融合し、完成車重量で7・5kgに抑えた。まさにオールマイティーな一台だ。
ハンドル、ホイール、クランクもカーボンで固め、ハイエンドに迫るトータルパッケージを実現したFRシリーズのベストバイモデルといえる。
FELT・FR ADVACED ULTEGRA
INFO
フェルト・エフアール アドバンスド アルテグラ
完成車価格:46万8000円(税抜)
■フレーム:UHCアドバンスド+テクストリームカーボン
■フォーク:UHCアドバンスド+テクストリームカーボンモノコック
■コンポーネント:シマノ・アルテグラ R8000
■ブレーキ:シマノ・アルテグラ 油圧 R8020
■ハンドルバー:デヴォックス・カーボン
■ステム:デヴォックス・SL
■ホイール:レイノルズ・AR41 DBカスタムカーボン(TLR)
■タイヤ:ヴィットリア・ルビーノプロ(25C・チューブレス)
■サイズ:51、54、56cm
■カラー:1)アクアフレッシュ/マットテクストリーム、2)ホプラズマレッド/テクストリーム
■完成車実測重量:7.5kg(51サイズ・ペダルレス)
問:ライトウェイプロダクツジャパン www.riteway-jp.com
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